平成14年8月20日発行
フォトセラピーニュース


編集発行:光線治療愛好会    
サンフォートピア療法          
光 線 治 療 院
松本 忠
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え・ほんと? ほ乳瓶類・・・・危機です!!


 私達人間は皮膚の色・先進国・発展途上国の区別無く、人類であり、生物学的大分類からするとほ乳類です。ほ乳類とは、地球上生物の進化の過程で、母親の母乳で子供を育てるという最終的な大変化をなした生物群です。ほ乳類が出現したのは1億8千万年前、まだ恐竜全盛期です。この頃のほ乳類は、卵で産卵し、母乳を与える類でした。現在もオーストラリアに残るカモノハシやハリモグラがそうです。更にカンガルーやコアラなどの有袋類、そして子宮、胎盤を持ち完全に母乳で育てるほ乳類へと進化してきました。このほ乳類が“子育て”の視点から、ほ乳瓶類になりつつある日本に警告を発します。

母乳は栄養・免疫共に満点!!


ほ乳瓶、人工乳による授乳には、脳や顎、精神の発育など多方面から議論されますが、今回は子供の免疫と母親の健康面からアタックします。


母乳にはタンパク・糖分・脂肪・ビタミン・ミネラル等多種な栄養素が詰め込まれています。これらは母乳という特別な食料ですが、乳腺だけで作られる乳糖の他は、母親の血液が原料になっています。この母親の血液の中には、栄養素の他に重要な免疫があり、免疫もまた母乳から授乳されています。一言で母乳と言っても初乳から数日間は多量の栄養素が詰め込まれています。

母乳にしろ牛乳にしろ、初乳が強い黄色をしているのはβカロチン(ビタミンAの前駆物質)が多く含まれているからです。栄養素は勿論ですが、胎児は母胎の中で胎盤を通じて免疫をもらっています。免疫の中でも抗体という事を聞いた事があると思います。 抗体とは一度掛った病原体に対して即座に攻撃を仕掛ける能力を持ち重症にさせない免疫の事です。抗体は、リンパ球B細胞から産出されIg・免疫グロブリンと言います。この免疫グロブリンもM・G・A・E・Dがあり胎盤からはIgGが供給されます。“赤ちゃんが6ヶ月間風邪をひかない“と言うのはIgGの作用によるものなのです。IgG以外の免疫グロブリンは胎盤を通過しません。そして母乳に含まれる免疫グロブリンはIgAです。IgAは母乳の他、外分泌線、汗、粘膜等多くの腺から分泌されていますが、初乳のIgA濃度は成人血液の2~3で存在しています。赤ちゃんが産まれてくる時に、母親の肛門や会陰部の大腸菌に触れますが、これもIgAコーティングでガードされているのです。6ヶ月が経過し、母親からのIgGの効力が衰える頃、IgMを自己生産するのです。
 
しかし、新生児でありながら風邪症状を訴え病院へ運び込まれる数が急増しています。これは新生児の免疫低下の何物でもありません。新生児自身もそうですが、新生児を育てた母胎免疫力の低下と人工授乳による免疫IgA授乳の欠落が事態を悪化させているのです。



 母胎のCa低下・免疫力低下が新生児の病院通いを招いている!!
 

 先程から“IgA”だ“G”だと言っていますが、免疫とは自分の体・細胞以外の敵と判断した物に対してだけ攻撃を仕掛け、排除する細胞群の事です。“IgA”も“G”のその一種類です。この細胞群はおのおの連絡を取り合い、連係して外敵攻撃の仕事をするのです。その連係の重要な役目を担うのがカルシウム(Ca)です。つまり、Caの低下が免疫力の低下を意味するのです。また、免疫力低下はストレスや外的要因もあり、Ca低下のみでは無いことも付け加えておきますが。

 Caの吸収は、まず食べること。そして日光浴なのです。たったこれだけで自然に吸収されます。ここで、二つ大きな勘違いがあります。



勘違い1。Caの摂取と吸収では意味が違うこと。



 摂取とは“口から入る”こと。吸収とは“小腸から毛細血管を通じ血液の中に入る”ことを意味します。
つまり、血液の中に入ってこそ吸収となるのですが、これは、小腸上皮細胞にビタミンD3(皮膚に当たった日光で合成)があってこその“絶対条件”が必要なのです。Caを毎日(健康食品等)多量に摂り、便秘になっている人は、Caを“摂取“しても”吸収“はされていない人なのです。



勘違い2。日光浴とは皮膚に直接“ひなたぼっこ”させること。


 「私、毎日外を散歩しているから、日光浴はバッチリよ」と言う人がいるのですが、裸で散歩しているわけではなく、顔や手だけが1時間程度の日光浴で充分と思っているのは大きな勘違いであり、大きな間違いなのです。(数分から数十分などもってのほか)
 
 Caは日常の食生活から摂り、吸収のために日光浴を皮膚に直接すること。日光浴によりビタミンD3が合成されCaの吸収が高まり、免疫細胞もカルシウムイオンの電気信号を利用して活発に正常に機能します。また、免疫細胞のリンパ球T細胞はビタミンD3によって活性化されまし、日光の下では全てが効率よく機能するのです。
 Caを摂取不足させるか、日光浴を拒否するとCaの吸収が減少します。血液の中でのCaの不足を補うため、脳は副甲状腺に働きかけ、骨からCaを溶かし出し、血液へ送り込みます。そして腎臓からのCaの排泄を抑えるように働きます。問題無く働いているように見えますが、この時、骨からCaが過剰に流出されてしまいます。このため、血液中で過剰になっているCaは免疫細胞間の情報伝達役として働くカルシウムイオンの電気信号の電位差を正常に感知できないこととなるのです。

母胎の免疫力が不健康であれば、胎児はその免疫を胎盤を通じて利用し、母乳を通じて供給されているので、乳児期に様々な病状が発症しても不思議では無いのです。



母乳も授乳もホルモンが決め手!!


 妊娠した女性は、脳下垂体前葉から乳汁を分泌するホルモン“プロラクチン”が分泌されます。妊娠中にはプロラクチンが大量に分泌されるにも係わらず、胎盤から分泌される大量のエストロゲンとプロゲステンがプロラクチンを抑制して母乳を出させない仕組みになっています。出産をしプロラクチンによって生産された母乳はもう一つのホルモンによって分泌されます。それは脳下垂体後葉から分泌される“オキシトシン”というホルモンの作用です。赤ちゃんの泣き声や乳首をくわえるといった刺激により分泌されます。オキシトシンは乳房の筋上皮細胞を収縮させる特徴があり自然に “射乳反射”が起こるようになるのです。
 オキシトシンは乳首の勃起の他、子宮の収縮作用にも働きます。プロラクチンの分泌、乳汁の合成。オキシトシンの分泌、母乳の分泌、出産時の子宮の収縮。全て合理的なホルモンのお陰なのです。


母乳授乳はほ乳類の自然な営み! !
 


 母親が赤ちゃんに母乳を与えている期間は妊娠しません。これもホルモン・プロラクチンの作用によるものです。母乳が活発に分泌されて、赤ちゃんが乳首に吸い付き、脳下垂体を刺激している間は、卵巣の卵子製造が抑制されるのです。これは、一人の赤ちゃんを母乳で育てる為の自衛手段であり、自然界が作り上げた授乳性不妊術なのです。しかし、母親の価値観の変化により、自らの乳房にこだわったり、仕事の都合上、母乳を与えられない母親が急増している昨今では、赤ちゃんが母親の乳首をくわえて、プロラクチンを合成分泌させる機会が失われつつあります。プロラクチンの分泌が低下すると言うことは、生理の再来が早くなり、プロラクチンによる妊娠抑制効果が得られなくなります。従って次回の出産までの期間が短縮される事を意味している訳です。

 私達人間。ほ乳類が一人の赤ちゃんを育て上げる為には、二つの乳房が必要なのです。多産の動物には、その出産数に見合った乳首が準備されているのです。この地球上の自然界で、母親が我が子を自分の乳房以外で育てるのは、人間以外に存在しないのです。動物園ならいざ知らず、自然界からすると異常な事態であり、ここに生物学的新分類として“ほ乳瓶類”が発生しているのです。まず、人間のように自然界の弱肉強食の世界からかなり保護されている動物は別として、ほとんどの動物は春に出産を迎え、早朝の出産を迎えます。なぜか?出産期の春は、気候の温和な新生児期を過すためであり、早朝の出産は、新生児の体温を下げないよう日中の日光の恩恵を頂くためなのです。この日光を中心とした出産劇の中で自然に紫外線を浴びて、カルシウムの吸収から、免疫力増強の他、様々な生理活動を行っているのです。

 頭が大きく大脳が発達した人間ではありますが、健康なほ乳類としての営みを比較してみると犬や猫の方が勝っているような気がしてなりません。今一度、“ほ乳類”、人間に舞い戻ってみませんか?日の光の中で!!



フォトピー ワンポイント アドバイス

 妊娠以前にカルシウムの吸収を促す為に、カルシウムの摂取と日光浴、運動を心掛けて下さい。妊娠授乳期には下半身(足裏・甲・ふくらはぎ・腹・腰)に緑(波長4)カーボンを照射しましょう。また、授乳期に母乳の出が悪かったり、肩や背が苦しい時は、下半身照射を緑カーボンで、辛い箇所には集光器使用で赤(波長1)カーボンを照射します。深夜の授乳や夜泣きなどで寝不足や不規則な生活リズムになっている時は、黄(波長2)カーボンでおでこ(前頭部)を照射します。母子共に!! 顔への照射距離はくれぐれも近すぎないように。ご注意を!!


カルシウム ワンポイント アドバイス

 カルシウムの摂取量は一日どれくらい?厚生労働省は600mg/日と言っておりますが実際には成人の人で150~200mg(牛乳・コップ一杯)程度で良いのです。でも、妊娠・授乳期にはこの倍・せいぜい400mg程度は必要です。戦前・戦中・戦後に青春時代だった方々の食糧難時代のカルシウム摂取量は253mg/日であったと当時の厚生省は発表しています。但しこの頃の移動は全て歩きしかなく、否応無く日光浴をし、歩くと言う運動を何時間もしていた事を忘れてはならないのです。これをこなしていたのでボーンピーク(骨の貯蔵量)が出来たことにより平均寿命が長くなっていると思われるのです。ご家族のボーンピークは大丈夫?
 もう一つカルシウムの吸収にはマグネシウムも必要となります。緑黄色野菜も忘れずに!!くれぐれもサプリメントに頼らず食事として、様々な食品を食する事をお忘れなく!!