夜中に幼なじみから電話。
少し悩んだ挙句、出てみる。
「おう!」
彼女の酔った声に、
電話に出たことを後悔。
「・・・何?」
「私は、”つみき”がいくら私のこと嫌いでも関係ないから!
関係は絶対切らないからね。
私の幼なじみに生まれたことを恨んでくれ!」
酔っ払いの啖呵。
わけわかんねぇし。
切れた携帯を握りしめたまま。
僕はうつむく。
手を。
君はいつも僕に。
手をさしのべ続ける。
握り返されることのない手をずっと。
なぁ。君は知らないだろう。
一生知ることもないだろう。
僕の人生で唯一の幸運は。
君の幼なじみとして生まれたこと。