私たちは、不安や悩みから解放されることがありません。
ときには、他人の価値観に振り回されることもあります。
その原因のほとんどが、「妄想」や「勘違い」、「取り越し苦労」であったりします。
そうはいっても悩んでいる当人にとっては生きるか死ぬかの大問題であったりするわけです。
もし、これらを減らし、手放し、忘れることができればどんなに幸せなことでしょう。
心配事や妄想などはさっさと減らし、手放し、忘れることが大事と説く人がいます。
禅僧でもあり、大学教授でもある枡野俊明さんです。
枡野さんは庭園デザイナーとしての顔も持ち、著書だけでなくデザイナーとしてもたくさんの作品を残しています。
その枡野さんが、過去に縛られ、人と比べることで、クヨクヨしている現代人に向けて一冊の本を著しました。
その名も『心配事の9割は起こらない』という本です。
【本日のご紹介図書】
書 名:心配事の9割は起こらない
著 者 枡野俊明
価 格:1,260円
出版社:三笠書房 2013.9.5
http://www.amazon.co.jp/dp/4837925081
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限りなくシンプルに生きる
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【1】減らそう、手放そう、忘れよう
禅では「比べない生き方」を大切にします。
人はあれこれ、ありもしないことを想像しがちです。
心を縛るもの、心に棲みついて離れないものはすべて「妄想」です。
他人がうらやましいという気持ちも、自分はダメだという思いも、実はすべて妄想なのです。
妄想はどこから来ているのでしょうか。
それはものごとを対立的にとらえる考え方から来ています。
健康と病気
勝ちと負け
美と醜
貧と富
損と得
好きと嫌い
比較することに何の意味があるのでしょうか。
禅はどんなものとも、どんな人とも比べない「絶対」の存在を教えます。
あなたは「絶対」です。
比べようがないのです。
絶対の自分を信じて生きよと力づけてくれるのです。
私たちは今を生きるしかありません。
禅には「一息(いっそく)に生きる」という言葉があり、文字どおり、ひと呼吸する瞬間、瞬間を一生懸命生きなさいという教えです。
過去の栄光、栄誉が現在を生きる「よりどころ」になってしまうと、なにかにつけて過去を持ちだし見苦しい人になってしまいます。
「また、あの人の"おはこ"が始まっちゃったよ。うんざりするね」
そんな声が聞こえてきます。
過去にこだわって生きることは、いまの生き方に対する自信のなさの表明でもあります。
私たちは「いま」を生きるしかありません。
「いま」に集中するということが「自分を大切にする」ことなのです。
一度手に入れたものはなかなか手放せないものです。
いつの間にか物であふれかえっている部屋で快適な気分にはなれません。
原因は明白です。
手放せないからです。
禅に「喜捨(きしゃ)」という言葉があります。
惜しむことなく喜んで捨てるという意味です。
ひとつ捨てることは、執着からひとつ離れることでもあります。
3年間見向きもしなかった洋服をもう一度着る機会がこの先訪れると思いますか。
答は例外なく「ノー」です。
友人、知人、あるいはボランティア団体に譲れるものであったら喜んで譲りましょう。
捨てるべきものを捨てて、スペースが広がれば、身体にも心にもよい影響をもたらすことでしょう。
【2】いま、できることに集中する
人はあたりまえのことほど、それに対する感謝の心を忘れがちです。
親は子どものことに心を砕くのがあたりまえと思ってないでしょうか。
朝起きたら朝食が準備されている、
会社に行けば自分のデスクが変わらずにある、
一声かけたら酒に付き合ってくれる友人がいる、
寝顔を見るだけで元気になれる子どもが今、ちゃんと育っている・・
当たり前のことをもっと大事にしなければいけません。
「ここまでの人生、ひたすら目標に向かって走り続けてきた」
・・・というような成功した人の言葉を聞くと、すごいなと思うと同時に、自分に置き換えて、自分はなんと立ち止まることの多い人生なんだろうとがっかりしてしまいます。
ひたすら走る人生もありかもしれませんが、禅では立ち止まることは決して悪いことではない、むしろ、大事なことだと教えます。
とくにつまずいたとき、失敗したときは必ず立ち止まりましょう。
原因究明せずに歩を先に進めてしまえば、あとあと尾を引くことになります。
つまずきや失敗はいい体験になります。
前を走り続けている同僚の背中を見ながら、自分の歩を止めることは不安なことかもしれません。
しかし、禅は「大丈夫」と請け負ってくれます。
安心して止まって、さまざまなことを考える時間をつくってください。
朝ギリギリまで眠っていて、起きたらあわてていれたコーヒーをグビッと飲みほし、カップはそのまま流し台に放り込み、脱兎のごとく最寄りの駅に・・・
一日のスタートである朝からそれでは、その日の流れは推して知るべしです。
心に余裕がなければ、忘れ物もするし、ミスもします。
心身ともに健全ではつらつと生きるためには生活のリズムを崩さないことがとても大切です。
人間、だらけようと思えば、いくらでもだらけます。
どこかで歯止めが必要です。
生活のリズムを保つために「ルール」をつくりましょう。
注目すべきは朝です。
朝を大事にしましょう。
早起きして、部屋の空気を入れ換え、季節を感じ、大きく深呼吸しましょう。
それだけで血流がよくなり活力もみなぎってきます。
ゆったりと食事をとり、お茶やコーヒーを味わえば、「よし、今日も一日がんばるぞ!」という意欲がわいてきます。
仕事が"楽しい"、毎日が"楽しい"と感じていますか。
「なんだか、自分に合っていない」
「やりたい仕事とは違う気がする」
と、思い続けていると、生きている実感にも乏しくなります。
どんな仕事なら本気で取り組めるのでしょうか。
どう生きたら自分が輝いて楽しいと感じるのでしょうか。
本気で取り組める仕事はどこからも持たされません。
待っていても楽しい人生に出会えるわけでもありません。
「いま」就いている仕事に本気になるしかありません。
生きている「いま」を楽しむしかありません。
「大地黄金(だいちおうごん)」という禅語があります。
たとえそこがどこであれ、いまいるところ、自分が置かれている場所で、精一杯尽くしなさい。すると、その場所が黄金のように輝いてくるという教えです。
いましかない、ここしかないと腹を据えましょう。
そうすることで、仕事に本気になるための、生きていることを楽しむための「工夫」も生まれてきます。
誰がやっても同じではないかと思っていた仕事に"自分流"の色が出せるようになります。
瞬間、瞬間を充実して生きることができれれば、心から迷いや不安が消え、どんどん前向きになっていきます。
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