書写・書道教育に関する要望書(抜粋) | 書道教室 墨屋好文堂

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平成25年6月、書写・書道教育推進協議会は、文部科学大臣ならびに中央教育審議会に対し、書写・書道教育に関する要望書を提出しました。


以下は、要望書を抜粋したものです。


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昨今のパソコン等を代表とするIT文化の進化には目を見張るものがあり、まさに人類の英知が結実したものといえるでしょう。一方でこの趨勢が、長い歴史の中で培われた伝統や文化といった、民族各々が大切に保持継承してきた有形、無形の遺産に対する認識と理解を希薄にするのではないかと危惧する声もあります。



健全で確固たる国家観の保持、育成のための教育的措置として、わが国には誇りうるものがあります。それは漢字、かな、カタカナを自在に使用し、言語を表記する文化です。このような言語形態と言語表記を有する国は世界のどこにも例を見ることができません。



さらに、その表記を担ってきたのが毛筆による文化であり、単に表記のみならず、美への発展となり、日本文化の象徴的存在といっても過言ではありません。



さて、わが国の書写・書道教育については学習指導要領に目標、達成のための指導内容等が各学年にわたり明記されています。その根幹を為す理念として、毛筆教育には伝統的な言語文化に触れ、毛筆書写することにより文字文化を尊重し、親しむ態度を育成することが掲げられています。




ここに小、中学校国語科書写、特に毛筆書写教育の一層の充実、ならびに高等学校芸術家書道教育の充実を要望いたします。





1、

小学校においては、国語科書写教育の一層の充実および硬筆の基礎となる毛筆を第一学年から取り上げ、文字の成り立ちや筆順に触れることなど、毛筆が授業で確実に教えられるよう各学校への指導を徹底していただきたい。



2、

中学校においては、国語科書写教育の一層の充実および学習指導要領に示された内容ならびに時間数を確実に実施していただくとともに、とりわけ毛筆による書写の学習等を通じ、我が国の言語文化の豊かさに触れるような実践をするよう各学校へ強く指導していただきたい。



3、

高等学校においては、書道教育の一層の充実および我が国の伝統文化の尊重という視点に立って、芸術家書道の科目の増単位を要望するとともに、生涯学習社会における書道教育の一層の充実という観点から各都道府県教育委員会に書道教員の採用拡充を求めていただきたい。





なお教育現場の中では、毛筆の授業にあたり、担当する教員が基礎的な書写技能や指導法に自信が持てず、小学校、中学校において毛筆の書写教育が十分行われていない現状等かんがみ、現場への具体的な支援および教員養成大学学部での指導等についても格段のご高配を賜りたく存じます。



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<書写・書道教育推進協議会>


(構成団体)

公益社団法人全日本書道連盟 

公益財団法人全国書美術振興会 

全日本書写教育研究会 

全日本高等学校書道教育研究会 

全国大学書写書道教育学会 

全国書道高等学校協議会


(賛同団体)

一般財団法人毎日書道会 

読売書法会 

産経国際書会 

公益社団法人日本書芸院 

全日本書文化振興連盟 

全国書道高等学校協議会