タコ唐草文火入れ | 骨董水妖◇美術品は美術館で見るよりおうちで使う方がずっと楽しい!◇

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江戸時代の古伊万里、超絶技巧の時代蒔絵の重箱、美術館で見た有名な絵師の絵画など、ハイクラスの古美術品が、とってもリーズナブルに買えるお店です。

この記事は6月17日の記事の再投稿です。


 

 

1700~1730年代

口径11.7cm 高さ10.0cm 底径10.5cm

 

 

江戸中期の火入れです。

 

火入れというのは、昔の灰皿です。

江戸時代は、煙草の葉っぱをキセルに詰めて煙草を吸いました。

 

 

よく時代劇なんかで見ますね。

この小さな火鉢の中には灰と火種が入っていたんです。

 

これを収める煙草盆という長四角のお盆に乗っていました。

 

 

 

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なんとも美しいタコ唐草です。

 

まず細い線で枠を描いて

枠の中に呉須を塗り埋めしています。

 

 

生き物のように動きのある いい唐草!

 

枝の先端が、少し丸みを帯びているのが、この時期の特徴です。

 

 

呉須もとても上質で高価なものを使っており

透明感のある紫がかった藍色です。

 

 

江戸時代の呉須は、天然のもの。

精製が雑な安価な呉須は不純物が多くて、発色が悪く灰色っぽくなります。

 

 

タコ唐草の模様は人気があったのでしょう。

浮世絵にも、よくタコ唐草模様の器が描かれています。

 

 

 

江戸後期になって、伊万里が量産されるようになると

タコ唐草は、手間を掛けずに一筆で描かれるようになりますし

こんなに上質の呉須も使われなくなります。

 

 

ヴィトンやエルメスのバッグが

元々は一部の上流階級、お金持ちの持ち物だったものが

「素敵だから自分も持ちたいな」って、庶民の声に応えて量産されるようになり

頑張れば持てるようになったのと同じですね。

 

量産されるようになったとはいえ、庶民には高級品だったので

割れても直して使っていたんです。

 

 

 

 

こんな感じです。

 

焼き継ぎといって、割れた断面にガラスの粉をかけて

熱を加えて接合しました。

 

写真のお品は江戸中期の向付。

バッキバキでも、使ってたんですね。

 

古典落語を聞いていると、焼き継ぎ屋さんが出てくることがあります。

 

 

 

 

 

閑話休題。

 

このお品はあまりによく作られているので

香炉だったのかもしれません。

 

 

火入れは普通このお品みたいに脚はつけませんから。

 

花の蕾のような脚が三つ付けられています。

 

 

 

 

裏銘は《冨貴長春》。

富があって、高貴で、長生きって意味です。

おめでたいですね。

 

江戸中期までの伊万里では、高級品に入れられた銘です。

後期になると、量産品にも使われるようになります。

 

 

その周りの模様をよくご覧ください。

表のタコ唐草と同様に、細い線で枠を描いてから

一本一本丁寧に呉須で塗り埋めしています。

 

器の裏にまで、手のかかる仕事がされているんです。

 

 

 

 

 

内側のフチ模様も大変丁寧に描かれています。

 

 

 

 

 

 

テーブルフラワーを飾ったり

 

小さな観葉植物の鉢カバーにしたり

 

 

 

 

ペン立てにしてもオシャレです。

 

 

 

《お買い上げありがとうございます》

 

 

骨董水妖

京都市東山区古門前通大和大路東入元町367-4杉山ビル3F

phone/ 075-541-5128

不定休

 

 

 

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今日の京都は30℃の予報でしたので

 

 

 

お着物も帯も襦袢も麻です。
 
 
どれも三重名張の閑日堂(かんじつどう)さんでいただいたもの。
 
 
 
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帯留は人間国宝【近藤悠三】先生の作品です。
目に涼しいブルー。
 
以前、青山八木さんのお店で
偶然森田明美先生にお目にかかった時、褒めて頂いた帯留です。
さすがはお目が高いなと、感心しました。