『冒険者たち』 さあ、旅に出かけよう | 手当たり次第の本棚
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- 子供の頃、大好きだった。
学校の図書室で、何度も借りた。
でも、親にねだれなかったのは、これがネズミの物語だからだ(私の母は、死ぬほどネズミが大嫌いなのだ。ネズミ、という言葉を聞くだけでも、ダメ)。
確かに、ネズミというのは害獣で、人間からはとっても嫌われている。
でも、ネズミの目から見る世界は、面白い。
それに、ネズミだっていろんなのがいる。
家に住むネズミ、野に住むネズミ、船に住むネズミ。
ともあれ。
ネズミたちは、ひょんな事から冒険に出る事になった。
船に乗り、海の彼方へ。
たどりついた島には、恐ろしい敵が待っていた!
『ガンバの大冒険』というタイトルで、アニメにもなった作品だから、ファンは多いだろうなと思う。
アニメの方もなかなか良かったんだが、やはり、私は本の方が良い。
冒険のおそろしさとすばらしさ。
「あの敵」の怖さも、文章の方が底知れなさを感じてしまう。
冒険っていうやつは、
「先が見通せないこと」
これが絶対の条件だ。そして、
「縮み上がるような怖さを克服すること」
成功に終わらせるためには、これも絶対の条件だ。
ガンバの物語には、このふたつが、きっちりとそろっているのだ。
灼けるように暑い夏が、もう、そこまで来ている(ていうか梅雨はどこ)。
晴れた夏空は、どうしようもなく、
「冒険したい」
という欲望を、感じさせる。
ガンバのように水平線をめざしてみたい。
でも、冒険も、一人ではつまらない。
やはり、素晴らしい仲間が一緒にいるといいよね。
ガンバの物語は、仲間たちが魅力的ってところも、いいのだ。
著者: 斎藤 惇夫, 薮内 正幸
- タイトル: 冒険者たち―ガンバと十五ひきの仲間