『ダヤンのたんじょうび』 | 手当たり次第の本棚

『ダヤンのたんじょうび』

誕生日といえば、やっぱり、バースデイ・パーティーだろう。
この日以外には、ふつう、「自分の事をみんなが祝って大騒ぎしてくれる」日というのは、ないもんな。
だから、誕生日をゆったりすごすのもいいけど、パーティーで大騒ぎ……これができると、こたえられないだろ。お誕生会は子供だけのものじゃないぞっ(笑)。

わちふぃーるどでも、やはり、誕生日はパーティーでにぎやかにやるみたいだ。
ところが、主人公のダヤンは地球(アルス)生まれ。
ふつう、地球……というか、人間の社会では、猫の誕生日を憶えておいたり、猫と一緒に祝ったりというのは、しないものだと思う。
いや、なかには「うちではやりますよ!」という人も、いるかもしれないけどさ。
やっぱり……少数派でしょう?( ‥)/

ともあれ、ダヤンも、誕生日ってものが何なのかすら、知らなかったというわけだ。
だから、友達のマーシィがバースデイ・パーティーをやった時、自分もやりたいなあって思っていて、でも、そもそも、誕生日。バースデイっていうのがいったい何なのかを知らなかったってわけ。

こういう時、ダヤンが住むタシルの町の動物たちは、カシガリ山の三人の魔女を頼る事になってるみたいだ。
ダヤンももちろん、魔女を訪ねていくんだけれど、この時に、魔女がダヤンの誕生日をみつけるやりかたが、とっても面白い。
何しろ、ケーキ占いなんてものをするような魔女たちだからな。

さて、無事に7月7日が誕生日だとわかったダヤンは、もちろん盛大なパーティーをするんだけど、なんとそこに魔女たちを招くのを忘れちゃったから、さあ大変!
怒った魔女たちに、なんと「誕生日」をとりあげられてしまうことになっちゃった。

このため、ダヤンの赤ちゃん姿というのが見られるわけですが……。

「子供の頃に戻りたいなあ」
こう思うようになるのって、いったい、いつ頃からだろう?
少なくとも、二十歳前は、絶対に、イヤだったぞ(笑)。
今は、ちょこっとなら、戻ってみても面白いかもなあ、なんて思ったりする。
この時に、「いま」の記憶を持っているかどうか、これはいろんな意味でポイントだね(笑)。
あと、大人に戻れるかどうかっていうのもな。

ダヤンの場合は、無事、元に戻る事ができた。
わちふぃーるどの物語は、いつだって、ハッピーエンドです( ‥)/

著者: 池田 あきこ
タイトル: ダヤンのたんじょうび