『御題所』
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「詩人と物乞い」
黒メガネをした物乞いの前を通った詩人。
物乞いの首に下げられた札には「私は目が見えません」と書いてありました。
でも、彼の目の前のお椀にはお金はほとんど入っていません。
詩人は「下げ札の言葉を変えてもいいか」と話しかけました。
物乞いは了承し、詩人は新しい言葉を札に書きこみました。
するとそれからすぐの間に、空だったお椀からはお金が溢れ、
物乞いにやさしい言葉をかけてくれる人も出てくるようになりました。
「なんと書いてあるのですか?」物乞いは堪らず通行人に聞きました。
下げ札には、たった2行、こう書いてありました。
「春はまもなくやってきます。でも、私はそれを見ることができません」
同じ事実でも、言葉一つで伝わり方は変わる。
面白いと思った事、色々載せていきます。