受験直前!お母さんの注意事項 | 小4から始める高校受験「お母さん、一緒にがんばりましょう!」

小4から始める高校受験「お母さん、一緒にがんばりましょう!」

私は12年以上にわたる個別指導塾経験から、受験に大切なことは塾に通うことではなく、早いうちから家庭での学習習慣をつけることだと痛感しました。お子さんとのコミュニケーションの取り方から、勉強法、受験情報まで、持てるノウハウの全てをお伝えします。

おはようございます。今日は、いよいよ直前に迫った中学入試について、私が塾時代にお母さんにお伝えしてきた注意事項をお伝えしてみたいと思います。このブログの読者のみなさんは、直接該当しないかもしれませんが、いずれ「受験直前」のお母さんとなると思いますので、ご参考にしていただければと思います。

【1】合格後をイメージする
この時期になると、親子そろって精神的に不安定になることが多いです。数年にわたって苦労してきた結果が出る時期ですから、当然と言えば当然でしょう。ただ「ダメだったらどうしよう」と考えて悶々とした日々を過ごしても、何もいいことはありません。考えるのであれば、合格後の生活がどう変わるのかをお子さんと一緒に考えてください。

・何時に起床するようになるのか?
・何時何分の電車・バスに乗ればいいのか?
・部活は何部に入るか?


などなど、合格後をイメージするとモチベーションが上がります。

【2】作戦よりも体調管理
精神的に不安定になると、小手先のテクニックに走りがちです。さすがに第一志望校は変更しないと思いますが、力試しで第一志望校受験日より前に受験する、いわゆる「お試し受験」をする学校を変更したり、受験倍率を見て第二、第三志望校を直前に変更したりするお母さんがいます。受験はゲームではありません。そして、お母さんが受験するわけでもありません。いきなり、やったことのない過去問を直前にやらされるお子さんの気持ちを考えてください。不安を煽るだけです。本当に第一志望校合格を勝ち取るためには、どっしりと構えて、当日ベストな体調に持っていくことを考えてください。

・お子さんは、何時に寝て、何時に起きていますか?(試験開始の3時間前起床がベストです)
・手洗い、うがいを励行していますか?(ノロウイルス、インフルエンザが蔓延しています)
・消化の良い食事を心がけていますか?(プレッシャーによる腹痛が多い時期です)


【3】「信じる」「励ます」「ほめる」
この時期になったら、飛躍的に学力が伸びることはありません。今までやってきたことが、当日どれだけ発揮できるかにかかっています。だとすれば、無茶な追い込みをかけるよりも、計画通りの学習を続けてください。過去問を集中的に解く時期だと思いますが、同じ学校で同じ問題は出題されません。過去問を解いて合格点に届かなかったことで悩むより、その問題が今年出題されないことを喜んでください。逆に合格点を超えたら、手放しでほめてあげてください。この時期、お子さんを「信じる」「励ます」「ほめる」ことができるのは、お父さん、お母さんだけです。このアクションが、お子さんのプレッシャーを大きく緩和させます。

【4】模試の結果で、一喜一憂しない
最終回の模試結果がお手元にあると思いますが、どうしても合格可能性○○%に目が釘付けになっていると思います。模試団体にもよりますが、一番良い判定が80%以上、良くない判定が30%未満くらいでしょうか?この数字をあまり真に受けないようにしてください。志望校の出題傾向とはまったく違う問題構成だからです。どうしても直前になると数値的なよりどころを求めたくなりますが、志望校に合格する=その学校の問題で合格点を取るということです。仮に最終回の模試結果が芳しくなかったとしたら、喜んでください。出題されたら解けない問題が多かった=当日までに対策できる問題が多かったということです。つまり、伸びしろが多い結果が得られたわけです。ちなみに合格可能性について、私は次のように捉えています。

①合格率80% ⇒ 5回受験したら4回合格する=1回不合格になる
②合格率40% ⇒ 5回受験したら2回合格する=3回不合格になる


当然ですが、受験は一発勝負、当日の結果が全てです。つまり、上記の2パターンはどちらに転ぶかで、十分に逆転が可能なのです。実際に多くの受験生を見てきましたが、②のお子さんが合格し、①のお子さんが不合格になることが多くありました。慢心したわけではないでしょうが、①のお子さんはどこか安心してしまい、②のお子さんは危機感を持って当日を迎えたのではないでしょうか?

【5】「どうだった?」は厳禁!
受験当日、終了後にお子さんに聞く言葉のことです。2つの意味で、この言葉を使わないようにしてください。

①質問の難易度が高く、答えづらい
②良くできなかった時は、追い込んでしまう


①終わったばかりのお子さんに、抽象的な質問をしてもわかるわけがありません。②「良くできなかった」とは言いづらいです。お母さんの顔色を見て、それなりの答え方をする子が多いです。聞きたくなる気持ちはわかりますが、終わってしまった答案は変更できません。あとは学校側が判断するだけです。だとすれば、以下の言い方の方が、効果的です。

「落ち着いてできた?わかる問題は全部かけたかな?」
(YESなら)「だったら大丈夫!きっと合格できるよ!」
(NOなら)「みんな一緒だよ。きっと大丈夫だよ!」


もし、当日以降も試験があるのなら、この言い方でモチベーションがキープできます。最後の試験だったら、この後長期にわたった受験勉強をねぎらってあげてください。この日を迎えるまでに、お子さんは多くのことを犠牲にしてきたはずです(お母さんもですが)。この日を最後に、その生活から解放されるわけですから、一緒においしいものでも食べてリセットされてはいかがでしょうか?

中学受験は、わずか12歳のお子さんに、「○」「×」という過酷な結果をつきつけます。どんな結果が出ても、親子でしっかりと受け入れて、次に向かっていけるように態勢を整えてください。この結果で人生の「勝ち組」「負け組」が決まるわけではありません。