こたの音楽三昧

サントリーホール 18時開演 (RA席)


- ウェーバー: オペラ「魔弾の射手」序曲
- メンデルスゾーン: ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 op.64
- ベルリオーズ: 幻想交響曲 op.14

《アンコール》
 バッハ:無伴奏パルティータ3番から ルイエ
   (ヴァイオリン: 諏訪内 晶子)

 ビゼー:アルルの女 第2組曲 ファランドール
 シベリウス :悲しきワルツ
 ビゼー :小組曲「こどもの遊び」より ギャロップ

 諏訪内 晶子
 パーヴォ・ヤルヴィ、 パリ管
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今夜のパリ管の演奏会、ベルリン・フィルショックから
抜け出せないまま行ってきました。最初の「魔弾の射手」序曲。
出だしから好調。4本のホルンも上手い。パリ管も一流だなあと
思いながら、、、音が軽めです。どうしてもベルリン・フィルの
重戦車の音を思い浮かべてしまう悲しい自分がいました(涙)
まあ、ドイツ物ですから仕方が無いと納得。


2曲目のメンコン。速めのテンポでキリッと始まりました。
その後はスーッとテンポを落として歌を奏でる、見得を切る、
ヤルヴィとの呼吸もピッタリに感じられてとても新鮮なメンコンでした。

諏訪内、パーヴォともピアニッシモのニュアンスを大事にしている

様子。良かったです。
最近、N響とのチェ、ツィンマーマン、S.ペテルブルグとの庄司と
若手の演奏を聴いてきましたが、諏訪内の演奏は遙かに大人の
演奏でした。何故か判りませんが曲に対する雰囲気が遙かに

成熟して聞こえるような気がして安心して聴けました。

更に細かい音符まではっきり聞こえる指の周り方、
完璧なボーイングなど高い技巧で奏でる演奏はやっぱり

好きです。例えが変ですが、美空ひばりの演歌かな。

脈絡が無いのですがハイフェッツやムター(新録)の
メンコンを思い浮かべてしまいました。


休憩後の「幻想」。オケが良く鳴っていました。1楽章は
もっと流れても良いように感じましたが、神経の行き届いた
演奏でした。2楽章以降も同じ印象。大音量の場面でも何か
節度が感じられる演奏でした。演奏も楽しんだのですが

視覚的にもっと楽しんでしまいました。6名の打楽器奏者の

動きがとても面白かったのです。第1ティンパニの奏者の方、

とてもノリノリで叩き方を見ているだけでこちらも乗せられます。
右側にいたサブの女性(日本人?)はティンパニの音が
大きくなるとさり気なく右手を右耳に当てていることに
気付いてしまいました(笑)やっぱりうるさいのでしょうね。
4楽章ではペットの人たちもさり気なく片耳を塞いで、、。
叩いていない時も両手がリズムを取っている打楽器奏者、
多分、意識しないで体が動くのでしょうね。
こんな事に気を取られながら聴いてフランス物より
ドイツ物の曲の方が自分に合っているなあと思って
しまったのは事実です。


アンコールは大盤振る舞いの3曲。楽しかったです。
ファランドールなんて久しぶり。「幻想」で拍子を取っていた

奏者が小太鼓をノリノリで叩いて。あれだけ叩けば

本番の鬱憤も吐けたのでは??

2曲目のシベリウスはシンシナティでも聴きました。
パーヴォがとても好きな曲なのでしょう。

パリ管メンバーの舞台衣装、さり気ないですがオシャレで
如何にもフランスを感じさせる雰囲気でした。
「幻想」が終わった後、全員が後ろを向いて
P席の観客にも挨拶をするなどさすがの舞台マナーでした。