シンシナティ交響楽団 演奏会

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サントリーホール (1階9列21番)
開場/開演 13時30分/14時

演奏:シンシナティ交響楽団
指揮:パーヴォ・ヤルヴィ
ヴァイオリン:庄司 紗矢香

バーンスタイン:キャンディード 序曲
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲(ヴァイオリン:庄司紗矢香)
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」


休日の外出は面倒だと考えていたが庄司 紗矢香さんの

シベリウスは聴きたくて仕方がなかった。懐具合の関係で

諦めていたがオークションでS席(\19,000)が\10,000から

出品されているのを発見、運良く他に応札者がいなかったので

\10,000で入手できた。

会場についてびっくりしたのは前から9列目の真ん中の席。

譲っていただいた方には申し訳ないが非常に良い席でした。

アメリカのオケだと感じたのは開演15分前くらいに会場に入ったが

既にメンバーが思い思いに舞台で練習をしていて賑やかなこと。

打楽器も大きな音を出して練習していたし微笑ましい光景だった。

オケの配置は向かって右側にチェロを配置するオーソドックスな

配置、管楽器も平間で段々が無い。自分の席からは木管の一部が

弦楽器奏者の隙間から見えるだけで金管は見えない。


全体の印象を言えば、今年いろいろ聴いた演奏会で最高の演奏会

だったと思う。シカゴやウィーンよりも神経が行き届いたというか

ヤルヴィが真剣に鍛え上げた成果だと思えた。

一曲目のキャンディード序曲は明るく始まった。あっさり終わったのが

つまらないくらい良い演奏。隣の妙齢の婦人(30代?、美人)が

演奏終了後”ブラボー”をいきなり叫んだのには驚いた。


続いて、お目当ての庄司 紗矢香さん独奏のシベリウス。冒頭の弦の

トレモロからゾクゾクしてきてソロに入る部分は最高だった。思わず

目頭が熱くなる。庄司さんは小柄な体にもかかわらず音楽に没頭して

客席もしーんとしたものすごい集中力の演奏。決めるところは決めるし

このような演奏を生で聴けるとは幸せだった。シンシナティ交響楽団も

ヤルヴィの指揮が良くしっかりとソロを支えていた。この組み合わせで

CDが出ると良いのに。庄司さんのアンコールはバッハの無伴奏ソナタ

1番からシチリアーナ。これも感動的な演奏。隣の女性は涙をぬぐっている

様子。彼女は弓の圧力を減らして、早い運弓やビブラートを止めて

表情を作るなど本当に良く勉強している様子。このまま大演奏家に

なって欲しい。


後半はドボルザークの「新世界より」。これもヤルヴィがいろいろ

アイデアを満載した名演だった。途中から休符の取り扱い、音の響かせ方

等でブルックナーとの共通点も感じた。残念だったのは自分にとって

シベリウスで今日の演奏会が終わっていたので後はおまけとしか

捉えられなかったこと。本当に素晴らしい演奏だとわかっているのに

このレベルでは感動しない自分がもどかしくなる。演奏会は難しい。

アンコールはハンガリー舞曲の5番、6番ともう一曲。最後の曲は

どうしても曲名が思い出せない。気持ちが悪いが仕方がない。

どれも気楽に聴ける曲。隣の女性は終わるたびに”ブラボー”を

叫びながら立ち上がる始末。ちょっと照れくさかった。

終わってから庄司 紗矢香とヤルヴィのサイン会があったが

時間も無いのでそのまま帰宅。


食後、久しぶりにバッハの無伴奏ソナタを聴いている(カントロフ演奏)。

久しぶりに落ち着いている。