平行植物の環世界 -3ページ目

蟻そっくりさんコンテスト優勝は、アリグモ

アリグモ
アリグモ Myrmarachne japonica

 カエデの幹を歩き回る黒い生き物。小さな洞の周りを行ったり来たりしていた。見た目は蟻だが、僕には瞬時にそいつがアリグモだと分かった。立ち止まりながら前の脚を前後に動かす動作は、全くもって蟻に見えないから。当然脚も2本余計に生えている。

アリグモ
 洞から出てきた小さな蟻にちょっかいを出すが捕えることはなかった。アリグモは蟻を食べないと言われているし、このときも結局食べなかった。小さな動くものにはとりあえず近づくが、蟻と分かれば無視する、そんな印象だった。


アリグモ
 真横から見てみる。クモの体は「頭胸」と「腹」の2つ分かれていて、昆虫は「頭」「胸」「腹」の3つに分かれているのだが、アリグモは頭胸部の真ん中あたりに白い毛を生やすことで「頭胸部」を「頭」「腹」に分かれているように見せている。素晴らしいトリックアートであるが、ここまでやるなら動きもちょっとは似せる工夫をして欲しいものであると常々思う。


アリグモ
 丸い目玉は正面を向いていて、近い仲間のハエトリグモにそっくり。

 蟻に擬態する昆虫は多いが「蟻そっくりさんコンテスト」があったら、昆虫たちを差し置いてクモであるこいつが優勝だ、動かなければね。顔は似ているけど歌マネは出来ない感じか。

桜の木の側にはクモが浮んでいる!

 桜の開花予想、今年は3/29。公園のソメイヨシノはまだ蕾が小さかったが、暖かな日が続けば一気にくるのかも知れない。
 桜の樹の下には屍体が埋まっていると言うが、今夜は屍体は見つからなかった。かわりに見つかったのは、樹の側に浮ぶたくさんのクモたちだ。

シロカネイソウロウグモ
シロカネイソウロウグモ Argyrodes bonadea
 秋にジョロウグモの巣などに居候しているクモ。なぜか今の時期よく歩いている。孵化して出てきたのかもしれないが、今の時期は何を食べているのだろうか。


ズグロオニグモ
ズグロオニグモ Yaginumia sia
 人家近くから街場の公園など、とにかく身近な所に円網を張りまくるクモ。街灯のある場所にズグロあり。写真のクモは街灯下のサクラの大木にいた幼体である。


マネキグモ
マネキグモ Miagrammopes orientalis
 一本の糸を大雑把に宙吊りにしたような、妙な網を作るクモ。オナガグモの灰色バージョンにも見え、網の形も似ているのだが、科から全く違うのが面白い。オナガグモが、粘性のない糸にぶら下がって、歩いてくるクモに粘液をぶん投げて捕えるのに対し、マネキグモは糸くずがたくさん絡まったような糸で飛んでいる虫を絡まらせて捕まえる・・・・らしい。決定的瞬間は見たことがないが、蛾を巻いているのは見たことがある。


 この近所の公園は通りの影になっていて、私が車を停める裏手の駐車場が一部の人たちのゴミ捨て場と化している。裏手にある川には不法投棄まであり、なんだか治安が悪そうな雰囲気を漂わせている。多分、ここの桜の樹の下にはゴミが埋まっている。

キレワハエトリ Sibianor pullus

キレワハエトリ
キレワハエトリ♀ Sibianor pullus
体長:♀2~3.5mm、♂1.5~3mm
分布:北海道・本州・四国・九州

 公園に植えられた木の根元を歩いていた。比較的人工的な場所にもいるみたいだけど、小さいのであまり目に入ってこない。


キレワハエトリ
 遠目から見ると黒味がかっていて、ところどころに金色のラメが入る。脚は褐色だけど、第一脚は飴色っぽい。

キレワハエトリ
実際は小さいのでこんなに鮮明には見えない。

キレワハエトリ
 横から見ると、前進に細かい微毛が生えているのが分かる。

キレワハエトリ
 4~5mmほどのユスリカを上げてみた。獲物としてはやや大きかったようで、捕えるまでに時間がかかった。基本的に地表面にいることが多いようなので、もしかしたらこういったものよりもトビムシや小さなイモムシなどを好むのかもしれない。