秋に遊び歩く農家は、潰れる。 <来年の笑顔は今年の仕込み次第> | 「農業は 人生を賭ける 価値がある」

秋に遊び歩く農家は、潰れる。 <来年の笑顔は今年の仕込み次第>

「農業は 人生を賭ける 価値がある」

 

本州方面より一足早く

 

北海道は晩秋を迎えました。

 

 

あと1週間もすれば

 

平野部からも初雪の便りが

 

届くでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

北海道 小柴ふあーむ

 

今季最後の収穫・出荷作業が

 

10月最終週に行われていました。

 

 

ここまで怪我・病気なく

 

工程を進捗できたこと

 

八百万の神に感謝するとともに

 

御贔屓くださったお客様各位に

 

御礼申し上げます。

 

 

どうもありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

さて

 

最後の収穫・出荷が終わったからといって

 

農作業がそこで一息つくかといえば

 

そんなことはございません。

 

 

むしろ

 

カテゴリーの違う作業が

 

一気に始まるスタートの緊張に

 

満たされております。

 

 

 

 

 

 

 

「秋に遊び歩く農家は、潰れる」

 

 

これは研修中に

 

先輩農家から言い含められた教訓の

 

ひとつです。

 

 

秋の収穫が済んだからといって

 

気を抜いてはいけないよ。

 

 

土作りはもちろんのこと

 

資材の手配や収納など

 

来年のことをよく考えて

 

秋のうちに準備しなさい。

 

 

春になれば

 

耕作作業で手一杯。

 

準備、という作業ができるのは

 

秋しかないのだからね。

 

 

来年の今ごろ

 

笑顔でいたいのなら

 

秋のうちに頑張りなさい。

 

 

概ねそういう教訓でした。

 

 

 

 

 

 

 

開発・生産現場育ちの私には

 

至極自然と府に落ちました。

 

 

秋の作業は

 

一年の出来を振り返るには

 

持って来いのタイミングです。

 

 

ああすれば良かった、こうすれば良かった

 

あれは上手くいった、これはもう少しだった

 

 

共同経営者である代表と

 

記憶、分析、考察などなどを

 

もっとも熱く鮮明になっている時に

 

意見交換しながら次の結論を導き出す。

 

そしてその実施準備を

 

いまこの時に行える。

 

 

それが

 

この一年を無駄にしない

 

有意義な後片付け作業となるのです。

 

 

 

 

 

 

 

例えば

 

来年のハウスの改良から遡る

 

今年の片付け方。

 

 

例えば

 

今年の収穫から見出される

 

土の改良。

 

 

例えば

 

春の初動を効率よく出来るための

 

収納方法。

 

 

例えば

 

冬の除雪を安全に手際良くするための

 

農道や機械の工夫。

 

 

例えば

 

畑を一緒に片付け、歩き、しゃがみ

 

土を握りながらの

 

畑設計や栽培技術の改良案。

 

 

例を挙げれば

 

キリがありません。

 

 

しかも

 

創業以来15年続く

 

いやこれからも続く

 

技術的ストーリーの1シーン。

 

 

前後左右をよ〜く確認して

 

今年の一歩、来年の一歩の

 

意味付けを行います。

 

 

 

 

 

 

 

来年の今ごろ

 

泣きを見たくなかったら

 

今!がんばれよ。

 

 

後悔と言い訳に終始して

 

一年を無駄使いしたくないし

 

言い訳したところで

 

作物たちは真実を知ってるし

 

それはお客様にも伝わるし。

 

 

一般的に

 

一つの製品を世に送り出すために

 

 

短くても2年

 

通常は4〜5年の開発作業が

 

求められます。

 

 

モノづくりの世界とは

 

そういうものです。

 

 

何年もの時間をかけて

 

揺るぎない指針を保ち続けた者が

 

お客様に提案できる資格を

 

得られます。

 

 

モノづくりとは

 

斯くもストイックな世界。

 

 

ファイナルゴールは

 

お客様との向き合いですが

 

日々の有り様は

 

自分自身との向き合いです。

 

 

目の前の事実から

 

どこまで示唆を読み取れて

 

どこまで実行に移せるか。

 

 

ある時間の後

 

自分たちの過ごし方が

 

モノを通して評価されるます。

 

 

 

 

 

 

 

あれもしたい、これもしたい

 

ああなりたい、こうなりたい。

 

手っ取り早く夢を実現したい。

 

 

そういう方は

 

モノづくりには向いてません。

 

断言します。

 

 

だってモノとの対話が

 

出来ませんから。

 

現実を見れませんから。

 

自分を認められませんから。

 

上手くいかないと

 

逃げたくて仕方がありませんから。

 

 

そういうことを含めて

 

先輩農家は私たちに

 

伝えたのでしょう。

 

 

「秋に遊び歩く農家は、潰れる」 と。

 

 

 

 

 

 

 

私たちが羽を伸ばせるまで

 

もう2週間ほど我慢ですね。

 

 

雪との競争に競り勝って

 

畑が白く埋まる頃

 

やっと現場作業は終わります。

 

 

そして自宅に持ち帰った

 

この一年の膨大な記録を元に

 

秋の仕込みを基盤にした

 

来年の作戦計画を具体化していきます。

 

 

そういう意味では

 

畑のことを忘れてる日は

 

無いと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でもそれがまた

 

楽しい時間でもあるわけで。

 

 

創業当初を振り返れば

 

「この基盤を活かさずんば、是れ如何に!」

 

であります。

 

 

来年の代表との笑顔を思い描きながら

 

晩秋の作業は続きます。

 

 

 

北海道 小柴ふあーむ

 

代表  和美
その夫  孝志