宮日文芸の俳句の選者である布施伊夜子さんから

以前、いただいた「展望叢書」第一集を開いてみた。

 

 10名の柳人が収められている。その中のひとり

渡辺和尾氏の川柳に目が止まった。

 昭和15年生まれの愛知県出身

  

  まんなかにあなたを置けば空が見える

  妻殺しの小さな記事を読んで寝る

  老いてゆくことばの中に散るさくら

  せいじかのらっぱさ ぼくらこびとです

  女たちはやがて夕餉の嘘をつくる

  遠い日の空が焼けると父を斬る

  椅子の固さを街角に置いておく

  もういちどひらく絵本は美しい


ざっと見て書き出す句はいくつもある。 

この作品は38歳くらいまでに作られたもの。

 

 時々人の作品を読むと、何だか闘志がわいてくる。

よもやま先生のブログにも形象俳句の方の作品が

載せてありましたが、男には作れない作品で、

女性を羨ましく思うこともあるが、ここは男性にしか

作れない作品で勝負しなければ、と思うこのごろ。


  紋 スペアキー しばらく殺す部屋の音 (紋章)