平成25年 2月17日 日曜日



今日は久々に日記を書いている
昨年2月、母に癌が発覚
膵臓癌の末期 Level 4b
医師からは余命1年を宣告された

あの日から…
早くも1年が過ぎようとしている
この1年を振り返ると
母は私の想像以上に力強く生きている

痛みによる不安
抗がん剤による副作用
様々な苦難を乗り越え
母は今も力強く生きている

体重は激減した
入院前55Kg有った体重が
今では38Kgまで落ちた

本やインターネットなどによると
GEM(ジェムザール)による副作用で抜毛は無いと書いているが
TS-1を入院当初に投与したせいか??
髪の毛は随分と薄くなった様に見える
考え事も増えたのだろうか??
白髪も一段と増えた

母もやはり女性です
外出する時には髪の毛が気になるみたいだったので
私が愛用しているニット帽をいくつかプレゼントした
今ではニット帽がお気に入りとなり
髪の毛を気にすることなく外出している




母の本心は誰にも分からないが
1年前と比べたら
精神的にも随分と
母は強くなったと私は感じる

もちろん母の本心は分からない
毎晩不安に襲われ
睡眠薬を飲んで就寝するのも知っている

だから私達家族は母に
何が出来るかは分からないが
少しでも母を元気付けようと
週末は子供を連れ実家で寝泊りしているし
私自身も一人実家で寝泊りする機会が増えた

父は孫が騒ぎ過ぎて
母が疲れるのではと敬遠するが
母の孫と触れ合う笑顔を見ると
母に少し位の疲労が出ようと
母が大好きな孫達と過ごせる時間を大切にしてあげたい
私はそう感じている


治療に関しては
良い方向に進んでいると言えば嘘になるが
全てが悪い方向に進んでいるとも思えない

膵臓癌=ガンの帝王
簡単な病気ではない事も知っている
だからと言って
医者任せにはしたくない
母が退院してから約1年
私が母に出来る事は極力実践している



勿論この行為がガンに有効とは思えないが
少しでも延命出来ればと
私なりに努力している

食生活の改善

①野菜中心の食事
②動物性油脂の極力排除
③無塩に近い食事
④加工品など使用を避ける
⑤糖分を極力控える

色々と工夫し実践しています

その他には
無農薬レモン(国産)を朝、昼、晩、就寝前に絞って飲む 目標は1日レモン5個
ハチミツ(マヌカハニー)を朝、就寝前
プロポリスを朝、昼、晩、就寝前
生野菜ジュース *母は苦手でなかなか飲んでくれません

サプリメント錠剤として
①コエンザイムQ10
②鉄分&葉酸
③DHA

生活面では
①毎日の散歩(15~20分程度)
②趣味の実践(母は花が好きなのでガーデニングの世話)
③掃除、洗濯などの家事(病人扱いをしない)

毎日出来る事は極力させていますが
抗がん剤等による倦怠感が強い時
白血球などが低下して抵抗極が低い時には
外出をなるべく避け(外出時は絶対にマスク)
自宅にて軽い家事をさせて、感染症予防を心掛けています

これらの生活習慣改善等を実践し
母は3週2休の抗がん剤(GEM)を何とか乗り切り
今現在も母は力強く生きています


血液検査数値…..
白血球は抗がん剤投与後でも3000近い数値を維持
その中のリンパ球が30%の1000近い数字を維持
その結果、この時期に怖いインフルエンザなどの感染症を防いでいるのでは??

赤血球は1年前から微量に右下がり (貧血が多々)
2月15日 金曜日
赤血球があまりにも低いので、初めての輸血を行なう
主治医が言うには
貧血や倦怠感が軽減されるとの事
2月16,18日と合計3回の輸血を行なう事が決定した
少しでも
母が楽になればと願ってます….

CA19-9 腫瘍マーカーは最大で2200近く上昇したが
平均値は700 最小で380
最新の数値は680でした

母に必要と感じるのは
貧血などを軽減させてあげたいので
赤血球の増加が今後も目標です

痛み止め……
段々と強い鎮痛剤に変わっていて
入院当時はロキソニンで充分効いていたが
現在はモルヒネ60Mgを使用している

私自身薬は詳しくないが
モルヒネと聞いて、正直焦った

私の勝手なイメージだが
モルヒネ=痛み止めの最終兵器
そんなイメージが頭から離れない

モルヒネを服用した頃からか??
母は物忘れが激しくなっている
朝食べた食事を思い出すのに苦労してます
それでいて効果的には
鎮痛効果時間が3~4時間程度
モルヒネを服用する為に別の薬を飲む
薬を飲む為に、薬を飲む
私には理解出来ない程の悪循環な服用方法だが
母が痛みに苦しむより良いのではと
納得している訳ではないが
定期検査時にも口出さず主治医に任せている

日本の製薬会社が儲け主義だから仕方ないが
抗がん剤投与による副作用防止の為に別の薬を飲む
例に挙げれば沢山有るが
便秘予防に薬を飲めば下痢
下痢止めを飲めば便秘
便秘、下痢による腹痛を抑える為の鎮痛剤

それ以外にも
決して治らない薬を一生飲まされ
根本的な治療をせず
現状維持を目標とする医薬システム

私の母や多くのガン患者、難病に苦しむ患者は
毎回の抗がん剤による高額な治療費を払い
独自に代用医療などを探す(全てではないが悪徳業者多し)
分かってはいても少しの望みに期待し高額な商品を購入
そして保険適用外の高額治療を受け
必死に生きている


私も例外ではない
妻に内緒の借金は確実に増えた
今までは母に治療させたいと妻に頼み
定期預金などから出してもらっていたが
サラリーマンの給料では出せる限界がある
妻は口には出さないが
不満は多々有る事は顔色を見ればすぐ分かる

難病と闘う家族や患者は皆同じ思いをしているのでは??

富裕層は最新医療設備の病院で最新の治療を受け
一般層は現状維持の治療を受けるのが精一杯

無理してでも何とか両親には
1日でも長生きしてほしい
当たり前の事が当たり前に出来ない事に
自分が無力で情けなくなる時が有ります


暗い話が愚痴に変わりそうだから止めよう


この1年
母がガンに侵され
私達家族もサプライズな旅行も出来た

母の生まれ新潟県は新発田市から少しの聖篭町
昨年8月
母の願いを叶える形で
両親と私の家族4人全員で新潟に帰郷出来た

私は仕事の関係で3日程しか滞在出来なかったが
両親は約10日間滞在出来た
母も久々の兄弟との再会に満足出来たはず
帰りは新潟から広島県まで両親2人初の新幹線に乗って帰る

それ以外にも
温泉好きの母を元気付ける為に
近場の温泉に宿泊し
思い出の写真など沢山撮影した

母がガンに侵されていなければ
家族旅行など決して行くことが無かったと思う
今考えると…
もっと沢山母が元気な時に連れて行ってあげていたら…
1人考える時があります



とにかく母には1日でも長生きしてもらい
沢山、沢山家族の思い出を作りたい
そんな風に考えています

1ヵ月後…
1年後…

どうなっているかなんて誰にも分からない
私だって交通事故を起こし死んでるかもしれない

そんな事ばかり考えていても楽しくない
大事なのは物事をポジティブに考え
1日、1日を大切に楽しく過ごす
そんな風に生きていければ
少しの不安は吹き飛ばせるのでは??

これからは
そんな生き方を目標に家族で過ごしてみたいです







H25年2月17日 日曜日
ガンの母と共に過ごす家族より  


同じ様な環境の患者や支える家族の方が
少しでも楽しい時間が過ごせる様、願ってます

そして…
1日でも早く
難病に苦しむ方に効く新薬が
一般の人がいつでも投与出来る日が訪れる世の中になれば…


そんな思いを込めて
今回の日記は終わりたいと思います