日記も再開、3回目
状態は厳しい事に変わりないが

自分自身は冷静になっている様に感じます

強く意識を持たなければと
強がっているだけかもしれない


とにかく
厳しい状態に立ち向かう為
身体の体調を崩さない様に頑張っていこうと思う



2月11日 土曜日
入院3日目
抗がん剤投与2日目


昨日より新しい抗がん剤が投与されていた。

k◆ティーエスワン配合 カプセルT20
朝夕服用開始

Internetで薬名検索したら

副作用発生率約87%

吐き気
食欲不信
胃の不快感、胃痛
白血球低下
その他


抗がん剤で或る事は理解したが
すい臓ガンに有効とは明記はされていない…


今の医学で治療薬が無い事も理解している
全く効果が無い訳ではないのだろうが

今の治療方法は…
ガンを治すと云うより延命治療としか考えられない


しかし…
家族としては効果が有る事を願い
複雑では或るが投薬している


午後4時

今日は祭日だが出勤した
仕事を早目に終わらせ病院へ

今の段階では、心配されていた
吐気など無し
帰り間際
母に明日の夕食は何が食べたいか聞いてみたら

「おでんが食べたい…」

病院の帰りにおでんの具材を購入して帰宅しよう


午後7時

面会時間が過ぎた
病室を出た後、先生に出会い話しをする事が出来た


母の今の状態は…

抗がん剤投与により白血球の数値が低下している
他の病気に感染しやすいので


①病室から出たら、必ずマスク

この時期病院は
インフルエンザ患者多数
入院病棟から出さない事
母がインフルエンザに感染したら危険な状況みたいです


②お風呂は絶対に一番風呂に入る

お湯の蒸気で、もしも他の患者の菌がお風呂に有ったら
感染して合併症を起こしやすいみたいです


③歯を強く磨かない

歯茎の出血から菌に感染する注意も必要との事


④持参する手作り食事に使う

容器の徹底した衛生管理


⑤とにかく母には生きる希望とか病気に負けない強い意思を…



今は先生の言葉を信じ
家族力を合わせなければ…


午後10時

子供達と奥様は寝室へ


正直、この4、5日間ほとんど睡眠が取れてない

身体は確実に悲鳴をあげている
立っているのが辛い時もある

でも母の状態を考えると休んでなんかいられない

自分が冷静になり正確な情報を理解しなければ…


代替医療
セカンドオピニオン


様々な情報を得た

その中で…
セカンドオピニオンを知った

「 第二の医師 」

別に、今の主治医に対して不信感は抱いていない
凄く感謝している

だが…
自分が思うのは…
本当にこれが最善策か??
治療法が母に適しているのか??

第三者の意見が知りたいからだ


主治医に相談し、
他医師への診療情報提供書を作製してもらう

母の承認と署名が必要

患者又はその家族は
今行われている医療行為
今行われている医療方法
患者の状態 他を

第二の医師を作る事で
主治医は…
患者の全ての情報を正確に把握しなければいけないし
第二の医師が意見を求めれば
患者の情報を提示しなければならない

第二の医師と云っても
直接、患者に対して診断や医療行為は
出来ないみたいだか…

母の情報を
第二の医師が第三者となり

患者又はその家族は
第二の医師から意見や情報を聞く事が出来る

保険は適用されない
有料では或るが30分なら
1万~1万5千円程度だ、1時間なら倍計算になる


今…
大学病院やガンセンター など
病院を選んでいる

その病院の評価などしっかり調べて
2~3病院選び資料を送る予定だ


その為に…
自分と父は時間が許される限り病院に居る
朝から夕方までは父が
自分は仕事を終えた後に行く

その上で…
看護婦や主治医、回診医が
母と会話した内容や薬の種類など事細かくメモしている

診療に関わる内容を
自分と父が第二の医師に提供するからだ


非常に重要な事らしい…


だから今…
毎日の出来事を日記にまとめると同時に
セカンドオピニオンに提出する資料作りもしています

自分が第二の医師と話す際
医師の質問には全て答えたいからだ…



これからの行為は…
意味が無い事かもしれない
治療薬が確立してない状態で第二の医師に意見を委ねも
何も変わらないかもしれない…


第二の医師に委ね事で現実逃避してるかもしれない…


もしかしたら…
今母が入院している病院の主治医が不快感を
感じるかもしれない…


しかし
0.1%の望みでもいい
何か明るい兆しが欲しい

そう考えて
セカンドオピニオンに委託しようと決意しました






>2月12日 日曜日
入院4日目
抗がん剤投与3日目



午後12時

母に昼ご飯のそうめんを届ける
母は子供達と2時間程触れ合い
入院以来初めて合う孫を見て安堵の表情を見せる


午後2時

病室に子供達を閉じ込めると退屈するだろうと感じ
leOn&kanOnを連れ久々に公園で運動した。
leOn君とサッカーをしたり、kanOnちゃんと遊具で遊んだ

短い時間だったかもしれないが子供達と沢山笑った

久々に沢山笑った気がする


午後4時

広島から兄夫婦と子供達
4人が見舞に来る

公園から病院に移動し病院の駐車場にて
兄夫婦と出会いました

母から兄が来るなど知らされてなく驚いた

母さえも突然の訪問に驚いたそうだ

面会は20分程度だったが
母は凄く喜んでいた様です。


兄は用事が有るとの事でそのまま広島へ帰るそうだ

兄の奥様や子供達が居るので
挨拶程度しか会話出来ない

弟で或る自分に

「 かあさん 頼むよ 」


兄に笑顔でうなずいてあげたが…


本音を言うと…
兄とちゃんと話しがしたかった
電話越しでは無く直接話したい事が沢山有った


これからの事や親戚や兄弟に対しての対応など


本来なら長男で或る兄にして欲しい事が沢山有った


親戚や兄弟も大事だが
自分は…
そんな対応に時間を費やすなら
母の病気の事を調べたいし
抗がん剤に効果が良い
母が安心して、美味しく食べれる食事だって作れる

現に25日過ぎには母の兄弟が新潟から
母の見舞に訪れて来る

実家の親父1人ではとても対応しきれない

叔父さんや叔母さんに昔から可愛いがられた自分

毎年新潟から新米も届いたり
筋子やイクラなど
自分が大好きな食べ物を送ってくれている

福山に来たら
どうしても自分に会いたいとの事で
何日滞在するか分からないが
その間は実家に泊まるつもりだ


もちろん
叔父さんや叔母さんには会いたい
しかし…
やりたい事が沢山ある


愚痴は言いたくないが…
兄の住む広島市内から自分が住んでいる自宅まで
高速道路を使えば2時間は掛からない

仕事が終わってからでも病院にだって行けるはずだし
弟で或る自分と話しも出来る


確かに兄と比べたら
自分の自宅と病院は距離にしたら、約1キロ弱
車で5分も掛からない


兄と比べたらいつでも病院に行ける


そして…
兄の状況も理解はしている
長女が大学進学
長男の高校入試
それも充分に分かっている


しかし…
自分にだって奥様や子供達が居る

奥様は理解してくれているが
仕事を終え、見舞に行き
帰宅したら、パソコンで調べる
子供達に費やす時間が無いのも事実

奥様は、顔に出さない様努力しているのか??

苛立っている様に感じる
みんな神経質になっている

そんな状況で…
自分は寝ないで考えてる
何て思われたい訳じゃない


ただ…
兄と相談したいし
兄に話を聞いて欲しかったし

何十年振りに福山に訪れる
叔父さんや叔母さんなどの対応も手伝って欲しい

そんな事も重なり
兄弟で或る
兄とは話しがしたかった…


午後6時
奥様、子供達と4人で病院へ

夕食の時間
息子が作るおでんを食べてくれた
喜んで食べてくれる母の姿を見て

これから始まる苦痛を前に
息子の作る料理を沢山食べてもらいたいと感じた



2月13日 月曜日
入院5日目
抗がん剤投与から4日目


午後5時

仕事を早目に切り上げ病院へ
気のせいだろうか?
食も少しづつ細くなってる
そして…
白血球の数値が相変わらず低い


抗がん剤の副作用が現れてきた

髪の毛も無くなるのかと少し落ち込んでいる母に

「ハゲたら…息子が毎日愛用している臭いニット帽をあげる…」


母は笑って答えてくれた。


「母さん頑張るから…」


午後6時

今日も食欲が無いと云うか、胃の不快感が酷いらしく
夕食には少しだけ手を付ける

夕食を済ませたら
主治医が回診に来たので胃薬と痛み止めを
変えて貰う事にした


午後7時

面会時間は終了しているが
他の面会人も沢山居るし
もう少し母の側に居る事にした

自宅にて出来る事だったが
病室にノートパソコンを持ち込み
仕事の書類を作っていた
母はTVを見ていたので特に会話はしなかったが
母の孤独な時間は減ったはずだ


午後9時

書類作りに夢中になり完全に時間を忘れていた

母は何時の間にか眠っている
気持ち良さそうに眠っている


母が起きない様、病室から出た




2月14日 火曜日
入院6日目
抗がん剤投与から5日目


午後5時
仕事を終え病院へと向かう

母から 「 おにぎりが食べたい 」
メールが入り、コンビニに寄る


午後6時
夕食が届く

昨日より食欲が無いらしく
おにぎりを1つ食べてくれた


午後7時

母の署名が必要な為、セカンドオピニオンを話した

母の不安を煽りたくなかったが

「 他の先生に意見を聞いてみるだけだから… 」

優しく伝えた


母は自分に全て任すと言い承諾してくれた


その後…
母がバレンタインだとチョコをくれた
小さいチョコを2個くれた

母が… 「 はい バレンタイン 」

……





栄養管理科


……





って

「 ばあちゃんが貰ったチョコじゃんかぁ~ 」


母は…
「 食べたいけど…胃がムカムカするから要らない 」


って…
「 こんな栄養管理課ってメモなんか捨てといてやぁ~ 」


つかの間だが母が笑ってくれる


午後8時

本当の母の心境は分からないが
母は落ちついた様子だし病院を後にし帰宅する


午後11時

お風呂上がりに気付く
鏡の前には疲れきった自分…
側頭部の白髪が増えた
耳の辺りが特に増えた…


母の事も気掛かりだが
自分が倒れでもしたらどうしようもない…


眠剤はいつも1錠と決めているが
今日は2錠服用する事にした…



2月15日 水曜日
入院から1週間
抗がん剤投与から6日目

毎朝7時母からメールが来る

「 おはよう 今日は寒いね 」

「 おはよう 仕事頑張ってね 」


母への返信は…

「おはよう今日も病院行くから」

「 おはよう 体調は平気?? 」


毎朝の短いコミュニケーションだ


母が入院をして1週間が過ぎた…


気掛かりな事は
抗がん剤の副作用か??
白血球の数値がかなり低いらしい


現在朝夕服用している抗がん剤
TSー1
この薬も色々と調べた
1クール連続投与が出来るのは
28日らしい…4週間だ

4週間投与した後は2週間の投与休止
その繰り返しの様だ

そして…
入院2日目に初めて母に投与した抗がん剤

週1で投与する点滴
抗がん剤のジェムザール

別名
ゲムシタビン

自分がInternetで調べた限り
今の医学では最もすい臓ガンに有効な抗がん剤では??

母のすい臓ガン
ステージは4b 手術は困難


国立がんセンター東病院
肝胆膵内科医長
石井 浩
研究リポートを読んだ
長い文章を要点だけまとめた


ジェムザールを投与した患者の生存平均値…

5.7ヶ月 約180日

18ヶ月以上の生存率に至っては…

5%未満


考えたくないが…
殆ど絶望的な数値だ


レポートの最後に…


「 新しい標準治療はジェムザール+タルセバか?
ということになりますが ASCOでは
あまりそれを認める空気はありませんでした

延命効果はわずか2週間くらいしかないし
タルセバ群には重篤な皮疹などの
有害事象もあり軽視できない

それにタルセバ自体が非常に高価で治療がきわめて
高額になることなどが問題になったようです

以上の経過を踏まえたうえで
石井さんはこう明言する。

「現時点で局所進行膵がん または遠隔転移例で
手術不能といわれている場合 間違いなく患者さんに
お勧めできるのは ジェムザール単剤の治療ですね 」


取材・文:林義人


こんなに有名な医師が推薦する抗がん剤ですら


母の余命は2年も満たないとは
そして…
最先端の抗がん剤を
全財産を投げ出し投与しても
母の命は…
ジェムザールの寿命値+2週間


2年も満たない…


これが現実だ…


自分自身
Internetで毎日調べているが…
調べれば、調べる程に


ため息が出る……



午後5時
仕事を終えて病院へ

父と病院の駐車場で話しをする
先生の話しでは… 母の白血球が、かなり低い

2日後の金曜日には…
第2回目のジェムザール点滴投与予定だが
白血球が余りにも低い為
通常のジェムザール投与が難しいとの事を聞いた

金曜日には…
薄いジェムザール点滴を投与する事になったらしい


もしも…
母の事を知らない人が 母を見たとしても…


すい臓ガンの末期…なんて
誰1人と信じてくれないだろう
見た目はそれ位に元気だ

母の顔を見ていると

生きる意思を感じるし 病院を治す勇気や希望も感じる

まさか 余命が2年未満だなんて…


絶対に信じたくない


午後6時
夕食が届く

昨日よりは少し食欲が戻る

入院食は見た目も悪いが 味も薄いらしく
母の箸が止まる…


自分は、母が食べ残した オカズを一口食べてみた

以外と美味い、味も丁度良い
母には伝えなかったが…
副作用による 味覚障害が出ているのか??

本には副作用の一つに 味覚障害みたいな事が
書いて有った事を思い出す

その場合は…
母が食べやすい様に 味付けを足しても良いとの事


食べる食材を注意していれば
刺身、寿司、サラダ等
生モノも食べて良いみたいだし
特に、衛生面にも気を付ければ
食事制限など無いみたいだ

本に書いてあるが
何か生モノは怖いから注意と判断しました。

母には悪いが…
大好きな寿司などは 我慢してもらうしかない


味付けに関しては 問題無しと書いてある

明日には 醤油など買い出しに行こう




2012年  2月26日   kOOchin