ドイツ:諸政党の党員数推移2011 | Hidy der Grosseのブログ

ドイツ:諸政党の党員数推移2011

ドイツの高級紙『Frankfurter Rundschau』の記事。

http://www.fr-online.de/politik/parteien-der-fdp-laufen-die-mitglieder-davon,1472596,11363470.html

 

訳出の前に政党名についての注記。

CDU: Christlich Demokratische Union Deutschlands キリスト教民主同盟

CSU: Christlich-Soziale Union in Bayern e.V. キリスト教社会同盟

FDP: Freie Demokratische Partei 自由民主党

SPD: Sozialdemokratische Partei Deutschlands 社会民主党

 

以下、記事の翻訳。

 

執筆者: Karl Doemensカール ドェーメンスChristian Siepmannクリスツィアン ズィープマン

日付: 2011.12.28.

 

諸政党

FDPから党員たちが走り去っている

 

FDPは見る見るうちに党員を失っている。 およそ7.5%の減少で、リベラリストたちは ここ15年で最大の急落を経験しているところである。

 

FDPには悲しみ、緑の党には喜び: 両党の2011年の党員バランスシートは 極端に反対の結果となりそうである。 人事抗争や劣悪な支持率によって窮地に追い詰められているリベラリストたちは、党費支払者をおよそ7.5%失ったが、他方、環境政党は記録的な値を叩きだし、11%強 増大した。

 

本誌の調査によれば、この過ぎ去りゆく年に、リベラリストたちの党員数は5000人以上減って、63416人となった。 これは、ここ15年の内で最大の急落である。 同時期に 緑の党は記録を更新しそうである。 同党は、党員をおよそ6000(11.3%)増やし、58959人となった。 調査日は、ともに1220日である。 ベルリンの政治学者Oskar Niedermayerオスカー ニーダーマイアーは、「これは、平均的な値から非常に大きく外れた結果である。通常観測できる値の上限に相当する」と判定する。 本誌が報じた以前の党員数も考慮すると、FDPと緑の党の党員数は急速に近づいている、ということになる。 2009年には、FDPは まだ72116人の党員を擁しており、それに対して緑の党は48171人であった。 そして今日に至るまでの間に、この格差がたったの4000人強にまで縮まったのである。

 

左翼党における下落傾向

「有権者への調査を行っている同僚から聞いた話だが、被質問者の多くは、自分はもしかしたらFDPに投票するかもしれないという余地すら、もはや認めないそうだ。 それなら、党員数のこのような急落も、驚くには値しない」と、Niedermayerはコメントした。 翻って緑の党については、この政党研究者は、次のように確信している。 反原子力というのが彼らのブランドの中核であり、福島の原子力災害が、またエネルギー転換に関する報告が、彼らに有利に働いたのだ、と。

 

2つの国民政党SPDCDUも、ここ数年来、別の形でもって、頭一つの差の競争をしている。 両党の党員数推移のグラフは、常に右下がりである。 今年両党の党員数は、心理的に重要な指標である50万人を初めて下回った。 けれども両党は、FDPとは異なり、劇的な転落に急に苦しんでいるわけではない。 どちらかというと、高齢党員の死亡数を埋め合わせるには入党数が足りていない、と解釈できそうである。

 

我々のグラフィックの長期比較は、特にSPDの低落を示している。 20年前には同党はまだ、100万に近い党員を擁していた。 同党の党員数は、2008年に史上初めて、CDUの党員数を下回った。 しかし、この結果は すぐにまたひっくり返るかもしれない。 今年10月末までのデータでは、CDUは競争相手よりも多くの党員を失った。 正確に言うと、2.3%の党員を失って、493846人となった。

 

SPDは同時期に1.7%の後退で、493664人となった。 けれどもこの党員数は、最終結果においては、さらに引き下げられるかもしれない。 というのも、党幹部からベース[一般党員・基礎組織]に宛てた寄付の依頼の手紙がNordrhein-Westfalenノルトライン-ヴェストファーレン州ではうまく届かず、離党に結び付いたからである。

 

Niedermayer: 「この展開は驚きではない」

Niedermayerは総じて、国民政党をめぐる この展開を驚くべきこととは受け止めていない。 「CDUには、昨年の政府のてんやわんやが降りかかっている」。 それに引き換え、「SPDは再び落ち着きを取り戻している」という確証を教授は抱いている。 「それは、世論調査を見ても分かる。支持率が2009年の選挙結果を明らかに上回っている」。

 

左翼党はすでに昨年 5.6%という激烈な後退を乗り越えなければならず、それが当時 党員台帳大整理という結果に結び付いたわけだが、この下落傾向は今年も続いている。 党内部の見積もりによると、年末に同党はまだ69800の党員を擁しているはずである。 これは昨年よりも5.2%少ない。 BayernバイエルンCSUFrankfurter Rundschauからの度々の問い合わせに対して、現有党員数を挙げられないでいる。 同党は昨年には3.3%の党員を失って、153890人に減った。

 

訳は以上。