トップの写真をリニューアルしました。
松村太郎さんに撮っていただいた写真です。http://twitter.com/#!/taromatsumura)

今朝のラジオ、ソコトコで話題になった宝物の話で、
照美さんに聞かれてすぐ出てきたのが、落ち葉でした。
その落ち葉の事を、贈る言葉のなかで書いたのを思いだしたので
ここに載せてみます。




葵高校の卒業生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。
私が卒業したのは、まだ会津女子高等学校の頃です。
あれから共学になり、校名も変わり、制服も可愛らしいデザインになっていたんですね。
驚きました。

この度、旅立つ皆さんへ贈る言葉を、、、とのお話をいただき、
ありがたく受けさせていただきました。
ですが、特別大きな事は言えませんので

今回は、

もし今の自分が当時の自分に会えたら

こんな言葉をかけてあげたい、、、

そんな思いで私から卒業生への言葉を送ります。

 高校生の頃の私は、将来何になりたいのか、何がしたいのか、
明確な夢を描けずにモヤモヤした気持ちを背負いながら
日々を過ごしていました。

それでも、気のおけない友人達と共に過ごす時間は、そんな気持ちを忘れさせてくれる
大切な時間でした。
友人達とスキー部に入り、雪の無い季節は鶴ヶ城と学校を往復マラソンで
身体を鍛えました。
特に春はお堀の花筏がなんとも見事でした。
桜と言えば?との問いには、鶴ヶ城の桜と真っ先に答えています。
五感がたぐり寄せる思いでが豊富である事は
母校とのつながりを感じさせ、ふるさとの存在を色濃いものにしてくれます。

 私は現在、東京で言葉を生業としています。
放送で方言を求められる事も多く、当時教室で飛び交っていたなまりが
おおいに役立つこともあります。
 
 皆さんの中で、すでに自分の未来像をはっきり描いている方も
いるでしょう。夢に近づくために何をすればいいのか
よく考え、どんな小さな事でもまず実行することが
大切です。
頭で分かっていても行動せずに時間が過ぎ、悔やむことも
多いのです。

一方で、当時の私の様に明確に描けずにいる人がいたら、、それでも
焦ることはありません。

ただ、チャンスはいつやって来るかわかりません。
突然やって来ることもあるのです。チャンスを生かすためにも
ただ待っているだけでなく、
待ってました!と言える様に、じっくりと準備をしておく必要があります。

漠然とでも好きな事を見つけ、それを職業として生活していくために
やるべき事を考えてみて下さい。

 実は私は大学時代も、自分が何に向いているのか分からず
目標が定まらないまま大学生活を終えました。
アルバイトをしながら、俗に言う自分探しをしていました。

そんななかで偶然見つけたアナウンス塾のオーディション記事が
目に止まり、履歴書を送った事が全ての始まりでした。
浪人した人が浪人生活も無駄ではなかったという人がいる様に
私にとっても必要な時間だったと今だからこそ
強く感じます。
もちろん当時は焦り、早く答えが欲しいという思いが
つのるばかりでした。

しかし、もっと近道をしていたら、それだけの収穫しかありません。
回り道をすると、それだけ労力も要りますが、自分も成長し、大きな成果となって
あらわれます。
ノーベル化学賞の根岸栄一さんは、50年間も夢を持ち続け
実現させたのです。
私たちも雪国で育った粘り強い性格で前を向いていきたいですね。

時に自分より前にいる人がうらやましく、ねたみたくなる事も
あるかもしれません。
そんな時間があるのなら自分を磨く時間に使うべきです。
また、言われのない批判を浴びる事があれば、
自分を磨いて雑音をねじ伏せるのです。
理解を得られず孤独を感じることがあっても
必ず見守ってくれている人がいます。

私は、今でも大切にしているものが、ひとつ、あります。
高2の学校からの帰り道、友人の
「落ちてくる葉っぱを片手でつかむと幸せになれるんだって!
地面に落ちる前につかむんだよ!!」
という言葉。

私は何度も失敗しながら、必死で、つかみとりました。
あれから18年も経ち、色あせていますが、
この一枚の葉を、みなさんの手の中に
心を込めて贈ります。