スリランカカレーをベースに

女性店主が理想の味を追求する

大阪スパイスカレーの代表店。

 

 nidomi(ニドミ)のことは、以前から知っていた。女性店主のドキュメンタリーをテレビで観たからである。ネットで調べると、アーカイブが残っていた。朝日放送テレビで2014年3月1日に放映された「LIFE~夢のカタチ~」というドキュメンタリー番組で、「カレー激戦区で頭角を現したフードクリエイター! 「curry bar nidomi」 店長・フードクリエイタ―aroaさん」として紹介されていた。番組の内容は、あまり覚えていないのだけれど、女性店主のカレーへの求道的ともいえる情熱(スリランカにカレー修行に出かけたり)に圧倒された。ずっと訪れたいと思っていたのだけれど、お店の場所は「谷町四丁目」で、やや市内中心部から外れるため、敬遠していた。

 

 先日、ふと「食べログ」でnidomiのページを見ると、お店の場所は大阪メトロ「谷町四丁目」駅と「堺筋本町」駅のほぼ中間で、駅の出口からの距離を確認すると、やや「堺筋本町」駅の方が近い。これなら訪問できる。また、北浜から堺筋本町にかけての「大阪カレーリバー」東横堀川沿いに位置していることも分かった。となると、東横堀川沿いには、今まで訪問した食べログ「カレー百名店WEST」が11店も集中していることになる(今後さらに増えると思われる)。

 

 ①大阪スパイスカレー本家本元「カシミール」(北浜)から南下すると、②シビレルカレー丼「和レー屋 丁子」。東横堀川を挟んで、「和レー屋 丁子」の南西に③過去最高レベルのレトロなオシャレカフェ風のカレー店「ガネーシュm」。「ガネーシュm」の西側近くには④「コロンビアエイト北浜本店」。「ガネーシュm」からそのまま南下すれば、⑤オシャレカフェ風の間借りカレー店「谷口カレー」。「谷口カレー」に向かう途中の信号のある交差点を西へ向かうと、⑥ガチガチのネパール・インド料理店「マナカマナ」、東へ向かってすぐの「平野橋」を渡ると、⑦驚異の高コスパを誇る本格スリランカ料理店「ラサ ボジュン」(「ラサ ボジュン」と「和レー屋 丁子」、「カシミール」は同じ筋の同じ西側に位置している)。

 

 また、「コロンビアエイト北浜本店」から南下して約500m進むと、⑧阪神と高校野球とおばちゃんとカレー「辛来飯 (カーライス)」(堺筋本町)。「コロンビアエイト北浜本店」から南下し、3つ目の4つ角を右折して西へ進むと、⑨グルメ女子御用達のスパイス料理店&オジサンのキラー店「ナッラマナム」(堺筋本町)。さらに、中央大通を越えた大阪市中央区役所の南南東に位置するのが⑩スパイス&出汁カレー「創作カレー ツキノワ」(堺筋本町)。「堺筋本町」駅から中央大通を東へ進み、東横堀川にかかる「農人橋」を渡り、北東方向に進んだところに⑪大阪スパイスカレーの代表店「curry bar nidomi」はある。

 

 開業は2011年8月。これまで訪問した大阪スパイスカレー店の中では、17番目の歴史をもつ。

 

 ①1992年:大阪スパイスカレー本家本元「カシミール」(北浜) ②1995年11月:ガチガチのネパール家庭料理店「カンティプール」(天五) ③1998年:日本人店主の孤高のスリランカカレー「カルータラ」(肥後橋) ④2000年以前:林修先生が日本一と絶賛「もりやま屋」(西天満) ⑤2002~2003年頃:日本人店主の濃厚インドカレー「アンナプルナ」(南森町) ⑥2006年以前:懐かしい美味しさの欧風カレー「カルダモン.」(天六) ⑦2006年:焙煎スパイスを使ったキーマカリー「バンブルビー」(四つ橋筋本町) ⑦2006年(個人ブログ情報):薬膳スパイスカレー「王様のスプーン」(南森町) ⑦2006年12月:全てが独特な謎のカレー店「和レー屋 南船場ゴヤクラ」(長堀橋)

 

 ⑩2007年4月以前:サラサラ黒カレー「辛激屋」(長堀橋) ⑩2007年2月:ガチガチのネパール・インド料理店「マナカマナ」(北浜) ⑩2007年:大阪甘辛カレー「白銀亭」(本町) ⑬2008年:ミシュランビブグルマン4年連続掲載「コロンビアエイト北浜本店」 ⑭2009年:モダンなオシャレカフェ風の老舗「モリ商店」(西天満) ⑭2009年10月:ガチのインド料理レストラン&バー「シンズキッチン」(日本橋) ⑯2010年:オシャレカフェ風の間借りカレー店「谷口カレー」(北浜) ⑰2011年8月:大阪スパイスカレーの代表店「curry bar nidomi」(堺筋本町) ⑱2011年10月:大阪3店&東京2店のチェーン「旧ヤム邸空堀店」(谷六)

 

 平日13時20分、ビル2階のお店に到着。列はなく、引き戸を開けてお店に入ると、満席のため、外で待つようにとの指示。椅子に腰かけて待つ。直後にカップルがやって来て、後ろに並ぶ。その約5分後に男性1名が列に加わる。13時30分頃、ビルの階段を上って来た男性1名が4人待ちの状況を見て、引き返す。直後にまた別の男性1名がやって来て、同様に引き返す。

 

 13時32分、店内へ。カウンター約5席、2~3人掛けテーブルが4台。カウンターの奥に着席。店主のaroaさんと女性2名の女性3人体制。「女性3人」というのは、訪問した大阪スパイスカレー店では、初めてである。

 

 メニューは、①nidomiカレー スタンダード「混盛」(A+Bの2種のスパイスカレー、ヤミツキチリペースト、日替スリランカ風総菜3種、パパダン(=パパダム:豆などの粉で作った薄い焼き菓子)、サラダ、デザート付きのお得な人気No.1プレート。全て混ぜてお召し上がりいただくことでより美味しくなります) 1,100円 ②nidomiカレー「あいがけ」(A、B、Cからお好きなカレーを2種お選びください。二度味を楽しめる元祖あいがけカレー) 1,000円 ③焼カレー(特製牛スジカレーをリゾット仕立てに。炙りチーズやとろとろ玉子、サクサクフライドオニオンとご一緒に) 950円。

 

 本日のカレーは、A:サンマのスリランカカレー+コウイカのピックル(オイルとスパイスで炒めたインドの保存食)添え B:牛バラミンチのスパイスキーマ+ポルサンボル(ココナッツのふりかけ)添え C:特製欧風牛スジカレー。

 

 「混盛がおすすめです」とのスタッフの言葉通り、「混盛」をオーダー。しばらくして、着皿。円いお皿のセンターやや上方に、円く整形されたライス。驚異の高コスパを誇る本格スリランカ料理店「ラサ ボジュン」と同じく、パパダンがライスに突き刺さっている。ライスの周りに、副菜とカレーが配されている。

 

 12時の方向から時計回りに、①サラダ ②トマトなどのピクルス(?) ③コウイカのピックル ④サンマのスリランカカレー ⑤牛バラミンチのスパイスキーマ ⑥黄色いポルサンボル ⑦赤い色をした副菜(何なのか不明)。サーブ時にスタッフの方が説明してくれたのだけれど、種類が多くて、全く記憶できなかった。副菜が圧倒的なボリュームのスリランカ料理店「セイロンカリー」(長堀橋)の「サンボル」をもう少し日本的に繊細にしたような見た目である。

 

 サンマのカレーから食べ始める。次に牛バラミンチのスパイスキーマ。副菜。さらにライスと混ぜて。最後に全部混ぜて。中庸の王道「山口カリー」(南森町)や店主の天才的な料理センスが炸裂する「ナーガカリー」(南森町)、ガチガチのネパール・インド料理店「マナカマナ」(北浜)のように、一口食べて「旨い」という感じではない。スリランカカレー独特の酸味や味わいをあえて残しつつ、そこに店主の思う理想の味を加えているのだろうと思うのだけれど、評価が難しい。一つ言えるのは、万人受けする分かりやすい美味しさではないということである。

 

 お会計は、店主のaroaさんが応対してくれ、帰り際に「お待たせして、どうもすみませんでした。またのお越しをお待ちしています」とのお声がけをいただく。テレビで観た人から、そのようにおっしゃっていただけると、やはりうれしい。少なくともあと2~3回は訪問しなければなるまい。

 

●本日のメニュー

nidomiカレー スタンダード「混盛」 サンマのスリランカカレー+コウイカのピックル(オイルとスパイスで炒めたインドの保存食)添え、牛バラミンチのスパイスキーマ+ポルサンボル(ココナッツのふりかけ)添え 1,100円

 

●DATA

curry bar nidomi(ニドミ)

大阪市中央区常盤町2-4-9 エクセル第6ビル2F

アクセス:

①大阪メトロ堺筋線/中央線「堺筋本町」②番出口から出て、中央大通の北側歩道を東へ進む。

②東横堀川にかかる「農人橋」を越え、松屋町筋との交差点「農人橋」を左折して、北上する。

③北上して最初の角「コスモ石油」GS手前で右折し、GS東隣りのビル2階(1階は焼肉店)。徒歩約7分。

営業時間:月~土曜12:00~15:00/18:00~22:00

定休日:日・祝日

席数:約15席(カウンター約5、2~3人掛けテーブル×4)

https://twitter.com/nidomi_cafebar