えー、前回のブログにコメントいただいた方に返事を書いたのですが、どうもこの件に関して言いたいことが個人的に溜まっていたようで、余りにも長くなってしまい、コメント欄に投稿するには分割して何度も投稿しないといけないので(文字数の制限がある)、こちらに書くことにしました。以下がそのお返事です。僕はコメントをいただいた方がどんな方か全く知りませんし、何か悪気があるわけではなく、個人攻撃をしているわけでもありませんので、言い方がきついところは何とぞご容赦くださいませ。



「少子化は止められない」とのこと。そうでしょうね。僕も「少子化」が止められるとは思っていません。現在の2030代の特に女性たちが「少子化を止めないといけない」と思えば、止められると思うんですが、それが止まらないということは、2030代の女性たちが「少子化になっても別に構わない」と思っているということだと思います。



ただですね、僕は非常に悔しいんですよ。「少子化でも別に構わない」という考え方は、それはそれで別に構わないし、人がどのような考え方をしようが自由です(自分の兄弟姉妹や子どもがこんな考え方だと非常に辛いですが)。実際、そういう考え方の人が今の3040代の女性には少なからずいるわけで、それで少子化が止まらず、色々困ったことが起きてきているし、これからもっと起きてくるわけなんですよ。だから、「少子化でも別に構わない」という考え方は、自分勝手な考えだし、人々の中で生きている人間としては結婚して子どもを産むことはある種の「義務」ではないのかというようなことを以前にこのブログで書いたのですけどね…。



「人道的に有り得ない手段(:30歳以上の女子就労を禁止する等)を取れば別でしょう」とのこと。「30歳以上の女子就労を禁止」すれば、少子化は止まるのでしょうか。僕には、どうもピンときません。そんなことよりもですね、2030代の人たちが少子化を止める気がないというのなら、それならそれで良いので、「独身税」を導入してはどうかと思うんですよね。例えばですけど、男女にかかわらず30歳以上の独身者には1ヵ月1万円、35歳以上の独身者には1ヵ月15千円、40歳以上の独身者には1ヵ月2万円の「独身税」を課税するということです。現在、国民年金保険料が1ヵ月14,460円ですので、1ヵ月2万円というのもそんなに高い金額ではないと思うんですけどね。どうでしょう?



子どもは生まれてから20年前後で、国民年金の支払者となり、納税者となって、社会全体を支えるのですよ。つまり、極端なことを言うと、「少子化になっても別に構わない」と結婚せず、子どもを作らなかった人の老後は、実は「少子化になったら困る」と思って(実際はこんな風には思ってはいませんが)結婚し、子どもを作った人たちの子どもが成長して働いて国民年金や税金を支払うことによって支えるんですよ。これっておかしな話だとは思いませんか?



つまりですね、「少子化になっても別に構わない」と結婚せず、子どもを作らなかった人たちは、子どもを作って育てていれば、その子どもが将来払うはずだった国民年金や税金が国や地方自治体に入らないわけだから、その分を「独身税」として自分自身の手で払うべきだと思うんですよね。そうじゃないと不公平だと思うんですよ。



子どものいる親たちは、子どもを育てるのにかなりのお金と時間と労力をかけているわけですよ。それは何も、自分たちの老後の面倒を見てもらおうとか思って育ててなんかいませんよ。僕の子どもはまだ生まれていませんが、僕が子どもに望んでいるのは、健康に育って欲しいということと、素直に普通の人生を歩んで欲しいということ(早めに結婚して早めに孫の顔を見せて欲しい。僕も歳なので)と、できれば少しでも周りに幸せを与えられる人になって欲しいということです。そして、これは僕だけじゃなくて、多くの親たちは子どもに対してそう考えていると思います。



一方で、「少子化になっても別に構わない」と結婚しない人はどうなんですか? 「世の中全体のことや将来のことをちゃんと考えているの? 自分のことしか考えていないのでは?」と、僕たち既婚者は心の中ではそう考えてしまいますよ。それでも、そんな自分勝手な独身者たちのために、婚活で苦労して結婚し、妊娠率が低下する中で苦労して妊娠・出産し、不景気で給料が下がって失業におびえる中で苦労して育てた息子・娘たちが将来払う年金や税金が使われるわけですよ。


親たちは大らかな気持ち、広い視野を持っているので、いちいち「いい歳をして独身の人はズルイ」「何であんな人たちのために自分の子どもの払った税金が使われないといけないのか」とは言わないし、別にそんなことをいちいち思ってもいませんけど、「少子化になっても別に構わない」と結婚しないのは自分勝手な考え方だと思うのですが、どう思われますか。ワガママで、子どもっぽい考え方だとは思いませんか?



「仕事上で今後困らないようにしようと思えば、出産を控えようと考えてしまいます」とのことですけど、仕事と出産は両立できないということでしょうか。確かに今の日本の職場では難しいと思います。産休がキチンと取れて、職場に復帰できるのは、公務員かごく一部の超有名・超優良企業だけでしょうね。ただですね、こう考えてみてはいかがでしょうか。「仕事と出産は両立できない」ではなく、「仕事か出産のどちらかが選べる」と考えるのです。なぜなら、選択肢があって選べるのは女性の特権だからです。男性は選択肢がなく、とにかく死ぬまで働くしかないのです。ですから、「今後困らないためには出産を控えよう」ではなく、それは自分が選ぶことです。仕事か出産か選べば良いと思います。それで、仕事を選んだというのなら、私としても何も申し上げることはありません。



ただですね、自分の意思で「結婚をしない」という生き方を選んだわけですから、それに対する全責任は自分で負わないといけません。結婚すれば助け合うことのできる夫や夫の実家や子どもを頼ることなく、自分一人で死ぬまで生き続けなければなりません。また、現在のこの国では、生涯独身を貫く女性に対する風当たりはまだまだ非常に強いです。確かに厳しいとは思いますが、だからと言って急にこのろくでもない現実が変わるわけではありません。私たちはこの厳しく冷たく暗い現実の中で、自分なりのやり方を探して何とか生きていくしかないのです。だから、社会や環境や運のせいにせず、グチを言わず、言い訳をせず、周りを頼らず、生涯独身を貫いて、一人で強く生きてください。



もう一つ、おせっかいなことを言わせていただければ、僕は今までの人生で、これぞ「才色兼備」と思われる、美人で頭が良く、才能豊かで、コミュニケーション能力に優れ、性格も良いという素晴らしい女性に何人か出会いましたが、彼女たちはいずれも20代の比較的早い時期に結婚退職し、今は専業主婦となって子育てや趣味に生き生きとした毎日を送っていますよ。



「産みたいと思わないため。そのような考えの女性も多いと思います」とのことですが、せっかく女性に生まれたのに「産みたいと思わない」とは何とも不幸な考え方だと、子どもの産めない男の僕なんかは思うのですが、どうなんでしょうか。「産みたいと思わない」という女性たちの母親は、そのような考え方をどう思っているんでしょうか。少なくとも、僕は、自分の子どもが女だったら、このような不幸な考え方を持たないように全力で育てます。



「子ども手当なども既得権を守るだけであり、出生率の向上には何ら寄与しないと思います(おカネが貰えるからと子をなすとは到底考えられません)」とのことですけど、私も「子ども手当」で出生率が上がるとは思いません。「おカネが貰えるからと子をなすとは到底考えられません」という意見に賛成です。問題なのは「お金」ではなく、現在の2030代の未婚者たちの結婚や結婚生活や出産や子育てに対する考え方だと思います。



つまり、結婚する・結婚しないとはどういうことか、夫婦とは、出産とは、子育てとは、子どもとは、親とは、家族とは、社会とは、生きるとは、死ぬとは、人生とは何なのか、自分たちはどこから来てどこに行こうとしているのかをキチンと考えておらず、見えていないのではないかと、僕たち既婚者は考えています。彼らの考え方が変わらない限り(たぶん無理でしょう)、少子化は止められないと思います。ですから、もちろん「保育所の無償化」「保育所の待機児童ゼロ」を実現したところで、少子化は止まりません。世の中が不景気だろうが、給料が下がろうが、失業しようが、子育てにお金がかかろうが、環境破壊が進もうが、治安が悪くなろうが、災害が起きようが、戦争が始まろうが、結婚したい人は結婚するし、子どもを作りたい人は作るというただそれだけのことです。