妊娠5カ月目~7カ月目は、妊娠中期で「安定期」と言われている。2009年も終わろうとしていた12月下旬、つわりもほぼ収まり、比較的元気な妊娠7カ月目に、外食などの機会の多い年末年始を迎えられることを妻は喜んでいた。



クリスマス、妻と毎年恒例のクリスマスディナーに出かけた。ちゃんとした店で食事する機会はこのクリスマスの時ぐらいしかないので、毎年イタリアンかフレンチレストランに行くようにしている。店は、妻がネットの「ぐるなび」などで検索してメニューなどをプリントアウトし、候補を出してくる(婚活で出会った人の中では珍しく、自宅でパソコンを使いこなすタイプなのだ)。今年は暇にまかせて(?)、10店以上の候補を出してきたので驚いた。つわりが始まってから、日帰りドライブや外食をほとんどしていないので、外食に対する期待が高まっているようだ。



当日、お店に行くと、予想通り、店内は20代の若いカップルでいっぱいだった。学生っぽいカップルは意外に少なく、20代後半から30歳過ぎぐらいまでの社会人カップルが中心。昨年のクリスマスに別の店に行った時も感じたが、はっきり言って40歳過ぎの僕は店のスタッフも含めて最高齢だろうと思われた。さすがに世の中の30代・40代は、結婚し、子どもがいるので、クリスマスの夜にこんな店には来られないし、来ないのである。運悪く僕たちの右隣りのテーブルのカップル(会話をそれとなく聞いていると、医者と看護師のカップルのようだった)が二人ともタバコを吸うので、タバコの煙が大嫌いな妻があからさまに嫌そうな顔をしていたが、料理は美味しかった。



年末。妻には、大掃除は別にしなくても構わないと言っておいたのだけれど、クリスマス頃から毎日少しずつ行い、結局、大みそかまでには例年通りに大掃除をやったようだった。なので、僕の方も例年通り、大みそかに玄関周りと共用部の廊下、階段を掃除し、クルマを洗車した。また、おせち料理も別に作らなくても構わないと言ったのだけれど、大みそかの夜に例年より少し品数を減らして作ってくれた。ゼロ年代が終わり、10年代が始まった瞬間、僕は例年通り、テレビの「ゆく年くる年」をリビングで見ていたが、妻は別室にいてドライヤーで髪を乾かしていた(年が明けようが10年代が始まろうがあまり気にしない人なのである)。



元旦。例年だと近くの神社二社に二人で初詣でに出かけるのだけれど、一社はかなりの段数の階段を上らないといけないこと、もう一社は45分程度は並ばないとお参りできないことから、僕だけが一社のみお参りし、破魔矢をいただくことにした。不景気のせいか、例年に比べると、明らかに破魔矢などの売れ行きが悪いようだった。



元旦の新聞を読んでいると、「デフレ」「雇用崩壊」「年金不安」「少子化」「市場縮小」など暗い話が多く、中国・インドなど成長する外国の市場にモノを売りこまないとどうしようもないというような論調になっている。結局、「少子化」が大きな問題なのだと思う。消費者や納税者として、会社員・公務員や医師・看護師、介護士として、息子や娘、地域の若者、新入・若手社員として、僕たちを、わが家を、地域を、会社を、会社国家ニッポンを支えてくれる子どもの数が減っているのだから、暗い話にしかならないのは当然のことである。



少子化の原因にはいろいろなことが言われているが、「未婚化」「晩婚化」による婚姻数の減少が直接的な原因だと考えられる。じゃあ、直近の婚姻数は増えているのか。元旦の新聞には2009年の婚姻件数も書いてあったが、少し大げさに言って、がっくりした。なぜなら2009年のわが国の婚姻数は714000組(推計。厚生労働省発表)で、2008年の726106組より12000組も減少していたからである。それでは、2008年の春頃から現在まで続いている一連の「婚活ブーム」というのは一体何なのだろうかという話である。