妊娠6ヵ月(妊娠24週目~)頃から、つわりは収まると言われているけれど、妻のつわりは急には収まらなかった。毎日少しずつ少しずつ、横になることが少なくなり、歩くスピードが速くなり、食欲が戻ってきた。



妊娠6ヵ月に入った頃から、昼間に横になることはなくなった。歩くスピードも、通常に戻った。ただ、夕食を食べた後、夜眠る時がまだ少しつらいようだ。「フーフー」と言っているときがある。



食欲も、戻りつつある。ご飯の量は以前よりまだ少し減ったままだけれど、おかずの量は通常レベルまで回復した。妻はもともと肉類や油っこいものが好きということもあり、串カツ、フライ、薩摩揚げ、惣菜パンなどを好んで食べている。しかし、いまだにあれだけ好きだった甘いものに全く食指が動かないのが、非常に不思議である。



6ヵ月目、妻はいつも定期健診を受けている病院で開催されているプレママ教室に行った。教室には、子どもを連れた妊娠二人目のプレママも何人かいたとのことだが、自分より下の年齢の人が多かったそうだ(妻の年齢は30代前半である)。その教室で「妊娠中の太り過ぎに注意しないといけない。子どもが育ちすぎて難産になる」という話を聞いてきたようで、その後、食べ過ぎと体重を気にするようになった。妊娠の月ごと(週ごとなのかもしれない)に標準体重があるようで、「今日、体重を測ったら、標準より200グラム多かった」などと、何事も大雑把で適当な(大らかな?)性格の妻にしては珍しく細かいことを気落ちしたように言う。「200グラムなんて誤差の範囲だから、気にしなくていいよ」と言ってあげても、余り納得はしていない様子だ。やはり少し神経質になっているのかもしれない。



食べ過ぎを防ぐためか、カルシウム摂取のためか、妻は「小魚&アーモンド」というおつまみをよく買うようになった。そして、昼間にポリポリかじっている。美味しいそうだ。こういうものは今まで全然買ったことがなかったので、これも味覚の変化といえるかもしれない。



さて、インフルエンザ予防接種問題である。妻は妊婦なのに、居住地域の保健所や医療機関に問い合わせたところ、「妊娠後期の人の予約でいっぱいで、接種できない」と言われたという話を以前に書いた。その後、定期健診(妊婦健康診査)を受けている病院(妻の実家の近く)に月一回の健診にいつものように行くと、特に何も申し出ていないのに問診を受けてあっという間にインフルエンザ予防接種をしてくれたのだと言う。僕たちはどうもあまりよく分かっていなかったのだが、予防接種は基本的に「かかりつけ医」で受けるものらしい。



ある日、実家に帰ると、母が妊娠5ヵ月目に妻と両家の親とでお参りした(僕は行っていない)「戌の日」の話をした。「向こうのお母さんと話していると『とらこさんが…』と何度も言うので誰のことかと思ったら、生まれてくる赤ちゃんのことをそう呼んでいて、ちょっとびっくりした」と、笑いながら言うので、僕もつられて笑ってしまった。そう、来年は寅年。「とらこさん」か「とらおさん」かはまだ分からないけれど、生まれてくる子どもは、2010年、平成22年寅年生まれである。今のこの世界は不景気のせいもあって暗い話が多いけれど、来年は明るい年になりますようにと、祈らずにはいられない。とらこさんは、2009年師走の現在、わが家のほとんど唯一の希望の星である。