ゲーム内でアイテム詐取 24歳男に懲役2年求刑
2006/10/28 09:53

 インターネットのオンラインゲーム内で、他のプレーヤーのアイテムをだまし取った
などとして、詐欺と不正アクセス禁止法違反の罪に問われた東京都練馬区大泉町、
無職伊藤進一被告(24)の初公判が二十七日、高松地裁(増田耕児裁判長)であり、
検察側は懲役二年を求刑し即日結審した。ゲーム内でのアイテム詐取に詐欺罪が
適用されるのは全国初。

http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/social/article.aspx?id=20061028000112


んで、判決



 インターネットのオンラインゲーム内で財産に当たるアイテムをだまし取ったとして、
詐欺罪などに問われた東京都練馬区大泉町、無職、伊藤進一被告(24)に対し、
高松地裁は17日、懲役1年3月、執行猶予3年(求刑懲役2年)の判決を言い渡した。
プログラム上のデータにすぎないアイテム取引で詐欺が認定されるのは異例。

 被告は「仮想世界での詐欺行為が現実の刑法の詐欺に当たると思わなかった」と
主張していたが、増田耕児裁判長は「被害者は現実のお金を払ってアイテムを
購入しており、ゲーム内での遊戯行為とはいえない」として詐欺罪の成立を認めた。

 判決によると、伊藤被告は今年6月、オンラインゲーム「メイプルストーリー」内で、
千葉県の男子高校生にゲーム内の通貨で代金を支払うと持ちかけ、有料アイテム
(1300円相当)をだまし取るなどした。

 オンラインゲームをめぐっては、ゲーム内通貨やアイテムを現金でやりとりする
「リアルマネートレード」を背景に、不正アクセスなどの犯罪が増加。経済産業省
ゲーム業界などが関連法整備も視野に、調査に乗り出している。

SankeiWeb
http://www.sankei.co.jp/news/061117/sha007.htm




今回のポイントは

ゲーム内の通貨で代金を支払うと持ちかけ、有料アイテム(1300円相当)をだまし取るなどした」

「被害者は現実のお金を払ってアイテムを購入しており、ゲーム内での遊戯行為とはいえない


アイテム課金制のゲーム

買ったデータ

刑法上の財物性を認めた

ということです。



つまり

=======================================================================

有料アイテムは

メーカーとユーザー間のアイテム購入契約購入したものであるので

遊戯行為(メーカー側から見たらサービスの提供)ではなく

刑法上の財物である

=============================================================

ということです。


ですから、

例えば他人が故意に他のユーザーのデータを消してしまった場合、

ユーザーの財産を破損したことになり、

(もちろん民法上の損害賠償もあるが)

ヘタをすると器物損壊罪で国に罰せられる可能性もあるということです。



そして、刑法上での話ですので、メーカーユーザー間の契約(いわゆる利用規約)で

例えば「キャラクターのデータはメーカーに帰属します」とか書かれていても、

それは民事での話なので、関係ありません。

(今回の事件で、もしアイテムがメーカーの物だとするならば、詐欺罪には当たらないでしょ?)


FFとかの他のゲームには関係ないって?

いやいや。

上の「=」で囲った部分をちょっと書き換えてみましょう。


=======================================================================

RMTで買ったアイテムは

ユーザーとユーザー間のアイテム購入契約購入したものであるので

遊戯行為(メーカー側から見たらサービスの提供)ではなく

刑法上の財物である

=============================================================


どうですか。


ちなみに、RMTでユーザー同士でアイテム売買することは、

規約違反なだけでなく、法律違反になる可能性が高いと言われています。

(ゲーセンのコインゲームのコインの売買は犯罪)

(パチンコの玉のユーザー同士の売買は犯罪)

民法上不法行為契約は無効ですが、刑法上は違います。

(ゲーセンのコインゲームのコインを売買して、そのコインを誰かが盗んだら窃盗罪)




さて、ここまで読んでいただくと勘の良い人は気付いているかもしれません。

競馬やパチンコ等のギャンブルと、RMTを含んだオンラインゲーム運営が似ているということに。


経済産業省がまじめに取り締まるのであれば、RMTは直ちに違法になるでしょう。

RMTを見逃す、つまりゲーム通貨をリアルマネーで売れる、とすると、

ゲーム通貨を無限に製造できるメーカーは、無限にリアルマネーを発行するも同然です。


メーカーがゲーム通貨を製造し、ユーザーがそれを購入、メーカーはリアルマネーを儲ける。

ユーザーはゲーム内で、購入したゲーム通貨をシステムの闇に葬り去る。

という意味不明な錬金術が成り立つことになります。


さて、これを取り締まれ!という社会全体としての要請はどれくらい高いでしょうか?

オンラインゲーム産業なんてニッチな産業なわけで、

見逃しても政治家の得票には関係なさそうじゃありませんか?

意地汚く卑しいクソ役人どもなら、

これを見逃す代わりにリベートを求たり、

オンラインゲーム倫理機構とかいう謎団体を作って天下りしたりするんじゃないでしょうか。



■久々に死ぬほど笑った画像

 エロすぎる・・・