「先史時代の壁画」とガイドさんが言うものだから、どんな古いものなのかと思ったが、誤解だった。1959年に地元に住む住民が描いたもの。だが、この巨大さは、一見の価値がある。高さ80m、幅120mもある。


wallpaint


現地のスペイン語表記MURAL DE LA PREHISTORIAだから、そのまま訳せば確かに「先史時代の壁」となるが、実際には「生物の人類への進化をイメージ」を描いた壁画。左から右へ人類になっていく様子が描かれている。


現地の解説版によると、きっかけはキューバ革命の1959年に現地を訪れたフィデル・カストロとの対話だった。ここに住む地元の有力者アントニオ・ヌーネス・ヒメーネスが発見された恐竜の化石の話をして、巨大壁画をつくるアイデアがだされた。


さっそく、同年9月には壁を描けるように清掃する作業がはじまり、翌1960年にはレオビヒルド・ゴンザレスという絵描きが呼ばれ描き始められた。


しかし、あまりにも巨大なこの壁面。実際にペイントしたのは、上からロープでつりさげられた農民たち。絵描きは下で見ながら指示を出していたのだそうだ。


出来上がったこれの美術的価値がどうとか・・・それよりも、こうしてここに観光客がやってくるようになった事が大きな成果であるのは間違いない。