10月10-11日の会津農業研修の下見をして、印象的だったもののひとつが朝鮮人参。

JA会津みどりから宿泊場所として知らせてくださったのが「にんじん湯吹上荘」というところだったのだが、行ってみてはじめて、なぜ「にんじん湯」だったのか理解した。
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★日本と会津における朝鮮人参

天平時代に紹介され、万病に効く薬として珍重されてきた。

会津では第三代松平正容(まさかた)が貞享年間(1684-87)に栽培させていたが、江戸中期になると、徳川吉宗が享保の改革(1716-45)の時代に、日本での栽培を促進した。現在「御薬園(おやくえん)」として観光地にもなっている。
需要が拡大して代価として日本の銀が大量に流出していたのを止める目的といわれる。

その後も会津の藩特産として奨励され、1832年には「朝鮮和人参」として、海外への輸出もされたほど。

☆現状
会津みどりの方によると、現在はたった三軒だけしか栽培していない、とのこと。
2012年まで組合があったのだが、解散してしまった。

国産は値段が高く、販路が確保できない状況で、わざわざ海外へ輸出して販路にのせる状況だった。とてもやっていけない。

ところが、皮肉なことに近年のアベノミクス円安によって海外モノの価格があがり、国内産の需要が増えた。 近在の病院関係からの需要も増えてきたのに、今では充分なモノがないという現状。

作付をはじめても四年ぐらいは収穫できないのですぐには供給できない。さらに、一度朝鮮ニンジンを植えると、その土地は疲弊してすぐには他のものがつくれなくなってしまうそうである。⇒こちらに取材・くわしく解説したページがありました。

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この宿「にんじん湯吹上荘」では、その貴重な朝鮮人参を入れたお湯にはいれるのが売り。
さらに、注文しておけば、朝鮮人参の天ぷらもいただけるそうな。

玄関先に、こんな風に展示してあったninjin
どうでしょう、行ってみたくなりました?(^^)/

この宿についてだけ検索しても、「特産の朝鮮人参」と書かれているだけで、ここに紹介したような情報は全く載せられていなかった。ストーリーが見えてくれば、がぜん興味がわいてくるとおもうのだが、実にもったいないです。