ホルヘ・パルドの演出による
南西フランス、トゥールーズにあるオーギュスティン美術館はロマネスクの彫刻で有名。


七年ぶり、楽しみにここを訪れたら、ガイドさんが「今はちょっと様子が・・・」と言葉を濁す。きけば、現代アーティストがロマネスクの部屋を演出しているのだそうな。


どんなふうになっているのか心配しながら行ってみたら・・・写真の様な空間が広がっていた。


「・・・どうです?」と、ガイドさん。こんなカラフルな空間にロマネスク彫刻を展示することに違和感を覚えているようだ。


確かに、現代アートを中世の彫刻と共演させるというのは美術館としてはチャレンジである。以前、ベルサイユ宮殿でジェフ・クーンズが展覧会をやったとき、クラシックな部屋に巨大な「風船犬」にであって唖然とした。あんなのは両者にとって良い出会いとは言えないと思った。


しかし、今回はそれとは違うように感じる。

現代アーティストがつくりだした空間はロマネスクの彫刻に合っている。主役はあくまでもロマネスクの柱頭彫刻たちであることを理解して環境づくりがされている。

けっこう好きです。

演出したのは、1963年キューバ生まれのJorge Pardoというアーティスト。アメリカで学んで現在LAを拠点にしているようだ。

作品をネットで見てみると、カラフルではあるが趣味の良い「家具」や「環境」をつくりだしている。


現代アートも様々。主張がきつすぎて、周囲と不協和音をおこしやすいものと、周囲を生かす環境になるものがある。