bunbunラボ

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社員に伝えたいあんなことやこんなこと。
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というコンセプトのもとコミュニケーションを日々研究中。
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これはご存知の方も多いはず。

ローマの興亡を描いた歴史小説で、

各時代を生きた英雄を中心に描かれた文庫版43冊の超大作です。


さて、この作者、塩野七生さん。

7月7日生まれだから「七生(ななみ)」という

実に単純明快なお名前なのですが、

その命名の単純さとは裏腹に、ローマだけではなく、

現代社会においての政治、組織への洞察もたいへん鋭く、

奥深いうえ、周辺情報に関する知識も緻密かつ膨大。


特に、戦乱の時代に「勝ち」続けた秘訣への解釈は

たいへん興味深いものがあります。


彼女は「勝ち」の理由を「若さ」に集約しています。

これは、人にも組織にも国家にも通じる「年齢」であり、

もちろん、これらは肉体的なものではなく、

精神的なものを指すのだそうです。



ハンニバル(ローマと敵対していた軍の名将)との

連戦連敗の後、激戦を制し、

逆境に打ち勝つことができたローマ。


この逆転劇を可能にし、

存亡の危機を乗り越えることができた「若さ」は

何なのか。

それを塩野七生はこう語っています。



なにやらリングに上がったものの

アッパーカットを喰らいつづけ、

ようやく最終ラウンドでKOをとったボクサーに

似ていなくもない。

それが可能であったのは、

不幸でさえも滋養にしてしまう若さではなかったか。

しかも、敵の考えたことであろうと「使える」と思えば

堂々とまねする、許容力と柔軟性によって。

(『日本人へ リーダー篇』文春新書)



昨年、彼女の講演を拝聴したのですが、

いやいや、お若い!!

70をとうに超えた年齢でありながら、

膝上丈のスカートに6センチほどのヒール。

緑色のクラッチバックを持つ手には

大粒の石(たぶんサファイアとダイヤ)がついた指輪。

そして、指先にはしっかりとネイルカラー。



さらに、強烈だったのは、

著書を書き終えた際の感想を求められた時のこと。


「私の著作に出てくる皇帝や名将たちは、

私が愛して愛して愛しつくした男たちです。

終わった恋の感想をズケズケ聞くなんて、

ナンセンス!!」


と一刀両断(笑)



私、こんなふうにスパッと言える気持ちを

すでに持ち得てていないような…。

この許容力や柔軟性の問題をはるかに超えた高い次元。


そして、真似しようにもすることができない、高い女子力。


いや~、完敗です…