おやすミック・ジャガー | 「ぎんなん並木」と読む東大生日記。

おやすミック・ジャガー

昨日から、オノヨーコとなった彼女。
いまはCDプレーヤーの前に張り付いて、
彼女が95年頃に失ったらしい恋人の曲を
エンドレスでかけ続けている。

「ハイじゃ次、『ろくでなし2』。」
ああ、
「ちょっと聴いてみたいかも」
とか、
PCに向かいながら上の空で、
言うんじゃなかった 
言うんじゃなかった


「―親父はこう言ったぁ~ギター弾きに貸す部屋はねぇ~


ハイ!!(誘)」

まるで我が身はむせびなくギター

だがそれこそイレブンPMもない23時、
いささか自分が飽きてきたオノヨーコ。

「じゃおやすみー」
とは言わない、オノヨーコ。

「じゃおやすミ」
ここでボケようとして、

「おやすミック・ジャガー」

しか浮かばなかった、オノヨーコ。

「りなミってあんまり知らないんだよね」

と妙な言い訳をする、オノヨーコ。というかむしろ、こいつがミックジャガー知ってた事にびっくりした。

「え知ってるよ。」「じゃ何やってる人?」
「音楽でしょ。」「そりゃそうだよ。何の?」
「ロックでしょ。」「ロックって何の?」

「ええとあれだ、ずうとるびじゃなくて」

まさか

「ビートルズでしょ。」

イマジン

「馬鹿か!!何でミックジャガーがビートルズなのよ!!」
「えミックジャガーってビートルズじゃないの!?」
「じゃないよ!!」「え~マジで!?」

お前、
「メンバー言ってみ!!」
「ええと、」

「ポールとか知ってるな?ポールマッカートニー。」
「ああそれは知ってる、ポールマッカートニー。」

「それから?」
「あとミックジャガー。」

ミックジャガー

「それ以外は?」「リンゴナントカ。」「リンゴスター。」
「ああリンゴスター。」「ジョージハリスン。」「それ知らない。」「まあそうかもね。あとは?あとはわかるでしょ?」

わかるでしょ?オノヨーコ。

「ああ、」

「ロバートホプキンズ。」


 


「だれよそれ!?」
「えロバートホプキンズだけはスコーンて浮かんだよ」
「中身入ってなさそうな音だねスコーンて!!」
「え絶対いたよぉーー」


ロバートホプキンズ。


「馬鹿か!!ジョンレノンでしょジョンレノン!!」
「え」

「ジョンレノンてビートルズじゃないでしょ?」


僕はヨーコを信じない


「馬鹿か!!ジョンレノンなくしてビートルズありえんがな」
「ええーージョンレノンは何か、」

「ソロだと思ってた。」

ソロとか、

「軽軽しく言うなっつの。解散だって今でも取り上げられる話なんだからさ」「てかブルーハーツ何で解散したか知ってる?」
「あんま興味ない」「ドラマーが仏教徒でさー」

(略)

「何だジョンレノンもいたのかビートルズ。」
「…文法絶対おかしいけど、メンバーもっかい言ってみ。」
「ジョンレノンでしょ。」「うん。」
「リンゴスターと、ミックジャガーと」「…」

「ロバートホプキンズと、」「…」

「あとはポールナントカ。」「…」

あのさ、

「ビートルズ何人?」
「え」



「5人。」

まず僕は壊す 退屈な人生はごめんだ

「ところであんたロックバンド好きだよね。」
「うんブルーハーツはね。」「じゃ訊くけど」

「ロバートホプキンズは何担当なの?」

「え」

ヴォーカル たまにギター
ギター
ベース
ドラム



「一緒にギター弾いたらいいんじゃないかな。」

提案だ

「じゃホプキンズも親父に部屋貸してもらえないね」

ねえ探しにいかないか ああ ああ

「てかマジビートルズじゃなかったら誰なんだろ」
「ぐぐるの?」「ぐぐってみようよ」


いた

でも、
「『品種登録』って書いてある。」

何か、
稲の一種か何かみたいだね。」


僕は 何を思えばいいんだろう
僕は 何て言えばいいんだろう

ビートルズのメンバーに
稲の一種は
いませんでした 
いませんでした 
いませんでした

「あきらめなやっぱりビートルズは4人だ」

オノヨーコ。

「そうみたいだね。何でロバートとか言ったのかな」
「明日訊いたらまたメンバー増えてそうだけどね」

ジョンレノンをメンバーから外したオノヨーコ
あ何か
これだけ真ぽくて何か嫌だ嫌だ

ついでにこれでホプキンズぐぐってる時、
ずっと後ろでイエモンの曲が流れていた。

「暗いね。」「うんこれはめちゃ暗い。」
「何て曲?」「天国旅行」

カラダバラー バーラー
溶けてダラー ダーラー 
天国がぁー好きー 僕はしあわせーえええーー

※わからない人はユーミンの「リフレインが叫んでる」を
エンドレスで聴きながら探し物をするシチュエーションを
思い浮かべて下さい。


どうして
どうして僕達は

どうせ
どうせ明日になったらあいつ
「あとジェンキンスでしょー」
とかロッキンオンジャパンな事言い出すんだろう間違いない

「僕はオノヨーコを信じない。」
そんなロック魂を感じながらこんな夜は

君の目覚ましが何でロードなのかそんな事が
気になって 気になって


また明日おなじ説明が待ってる
そんなリフレインが呼んでる、気がする。