ブラック企業の違法労働が全国各地に蔓延-1日で250件超の深刻な労働相談殺到 | すくらむ

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 ※全労連の「労働相談ホットライン速報(3月4日付)」から寄せられた主な労働相談等を紹介します。


 全労連は3月4日、「全国いっせい労働相談ホットライン」 を実施しました。全国47都道府県113カ所に、相談員を228人配置し電話146台 で終日取り組みました。


 寄せられた労働相談件数は、35都道県からの報告で251件となりました(※4日午後8時集約)。相談件数の多かったベスト3は兵庫18件、新潟16件、長野15件でした。


 労働相談ホットラインの取り組みを報道した各地のマスコミは――広島の中国新聞、毎日新聞、NHKテレビ・ラジオ、RCCテレビ。和歌山のNHKテレビ。静岡の静岡朝日テレビ、静岡新聞、中日新聞。福島のNHKテレビ。滋賀の京都新聞、朝日新聞。しんぶん赤旗は2日と4日の2回にわたって紹介記事を掲載――などでした。


 相談内容は、解雇、雇い止め、退職強要、残業代不払い、不利益変更、パワハラ、セクハラなど多岐にわたり、いずれも深刻なものばかりでした。以下、主な相談事例を紹介します。


 ▼全国の相談事例


 ●秋田 業務委託会社のパート職員。自分一人孤立させられ、いじめにあい体調不良となった。/病院で委託業者として働いて4年目になるが、仲間はずれ、いじめにあい、帰れと言われる。/3時間パート。しかし実際はほぼ1日勤務で残業時間のうち半分ほどしか残業代が払われない。/有給休暇が無い上に、一方的な労働条件の不利益変更の押しつけが続いている。/不払い賃金が半年分もある。


 ●新潟 自宅待機とされているが6割の休業補償の支払いがない。また有給も欠勤扱いされている。/デイサービスで働いている。毎日2~3時間残業しているが、残業代は全く支払われていない。/ホテルに勤務。これまで残業代、深夜手当は一切払われていない。パートの人は月200時間以上働いているが、雇用保険、社会保険等にも入っていない。有休も取れない。


 ●長野 勤続10年。休日出勤が度々あるが割増賃金は一切払われない。有給休暇も無く、社長は「休みたければ取れる会社に行け」と言われ困っている。/運送業の職場。配送から会社に戻るとタイムカードを押すことを強制させられ、タイムカードを押してから、日報をつけたり、残務の事務の仕事をさせられている。有給休暇を申請しても、いろいろいやみを言われ本人があきらめるまで続き、実態は有給が取れない状態だ。/正社員の女性。結婚を理由に退職を迫られている。


 ●群馬 同僚との付き合いが悪いなどの理由で雇い止めされた。


 ●山梨 指定管理者制度で経営者変更になり、職員の雇用を打ち切る。/「仕事が会わない」を理由に即日解雇。


 ●静岡 パワハラによる退職強要。昨日突然「もう来なくてもよい」と言われた。


 ●東京 昨年11月から減給され、社長から暴行を受けている。/派遣会社の正社員。有給は取得できず、残業代も出ない。病気で休む時も「休みすぎ」と言われる。


 ●神奈川 派遣先の上司に、パワハラ・いじめを受け病気になった上、雇い止めされた。


 ●愛知 非正規で働いていたが上司にパワハラを受けた上に、雇い止めされた。/バス会社の運転手だったが、車両の止め方が納得いかないと言われ、雇い止めされた。/5カ月勤めたが、風邪で1日休んだら、数日後に「もう1人雇ったから来なくてよい」と言われた。14日分の未払い賃金がある。/トヨタ系の機械組み立てをしている会社だが、仕事が減って苦しい。自分の給料は2分の1遅配、役職者も2カ月遅配になった。


 ●岐阜 「健康診断」が会社で行われないので、自分で申し込んで休暇を取ろうとしたら、「会社を辞めろ」と言われた。


 ●京都 上司のパワハラと退職強要。


 ●奈良 製造業で昨年12月から勤務したが、3カ月の試用期間で2月23日に解雇された。


 ●兵庫 派遣で働く30代女性。派遣先の事業計画変更で派遣から請負に変更され、人員整理で4月末で解雇と言われた。/従業員30名の賃金が2月分から払われていない。


 ●広島 夜10時半まで働いているのに残業代が出ない。/健康器具販売で各地に異動する営業社員。ノルマが達成できないと人間扱いされない。移動先での住居は自分で見つけ、手当も出ない。


 ●山口 パートで働いているが、2月から一方的に時給を下げられた。生活が苦しい。/正社員で働いているが、2月末、突然解雇通告された。説明を求めても返答がない。


 ●島根 30代の正社員。抑圧的な言動や一方的な人事異動などにより「心の病」が深刻になり、自殺をはかったこともある。会社側に謝罪させ、態度を改めさせたい。


 ●香川 パワハラで病休になった。回復すれば復職を約束してくれていたが、ノラリクラリと時間を稼ぎ、復職を拒否され、退職を強要されている。


 ●高知 美容院勤務。この1年間時給500円で、残業代・年休・社会保険なし。ペナルティーはサイコロを振って決められ、罰金1,000円を取られたり、掃除当番・おやつ3日間負担・道具の掃除・タオル洗濯などを1人でやらされる。


 ●佐賀 高校生の子どもが内定を取り消された。/会社に退職強要され、退職。自己都合退職にされてしまった。


 ●宮崎 社会保険に加入しているが、会社がなくそうとしている。


 ●大分 病院の院長の独裁がはげしく、残業代が支払われていない。ここ3カ月ほどで看護師が3人辞めた。/休日出勤も時間外も賃金が出ない。


 以上が各地から報告のあった主な相談内容です。


 今後、年度末を前にして解雇や雇止めが集中する可能性があります。また、人件費削減のためのパワハラ、いじめ、セクハラ、賃金カット、残業代未払いが増えるのもこの時期の特徴です。全労連は各地方で相談体制の充実をはかり、「労働組合に入って、ともに権利を守ろう」を合言葉 に取り組みを強めていきます。