コイカイコのカイコその71:麻生千晶、近田春夫 etc.  | 雑我人生逸我道

コイカイコのカイコその71:麻生千晶、近田春夫 etc. 

2007/9/3


コイカイコのカイコ(恋かいこの回顧)その71:9月3日


★麻生千晶 「たかが、されどテレビ」

10年前の今日 1997/9/3


 週刊新潮に連載されている麻生千晶のコラム「たかが、されどテレビ」のNo.431に長渕剛主演のテレビドラマ

 『ボディーガード』評が載っていた。

 『ボディガード』は8月からはじまったドラマで、自宅にテレビがないので5回目までは毎週事務所まで行って見

 ていた。

 長渕剛の体の鍛え方にはおどろいた以外は、「とくにどうっていうことない」、っていうより「なんかウソっぽい」っ

 て感じて、とくにセリフがよくなくて、続けて見ようという気がなくなってしまった。

 麻生千晶は、

   

   「案の定、酷い出来である。アメリカ映画のパクリ題名は許すとしても、脚本が間延び、演出もスキだら

    けで緊迫感がない。とくに大仁田厚とのやりとりの垢抜けなさは目を覆いたくなる。『しゃぼん玉』や『と

    んぼ』の時の幻影よもう一度は無理である]

 と書いている。

 『しゃぼん玉』も『とんぼ』も見ていないから、そこは何ともいいようがないが、『ボディーガード』がおもしろくない

 というのはうなづける。

 しかし、上に引用した文の前の部分の、

   

   「私のところに複数のメディアから、素行の悪さと暴力沙汰で悪評ふんぷんの長渕剛を有難がるテレビ朝日

をどう思うかと聞いてきたので、溺れる者は藁をも把むのではないのかと答えておいた」


 というところはうなづけない。

 

 「素行の悪さと暴力沙汰で悪評ふんぷんの長渕剛」が藁?「悪評ふんぷん」だから藁っていうことか?

 それとドラマの出来の悪さとは関係ないだろう。

 このコラムはたいていちゃんと読んで、まぁたいていはうなづいていたのだ。

 私はここに書かれているテレビの番組を実際に見たことはほとんどないのだから、麻生千晶の論調のようなも

 のにうなづいていたらしい。

 「まぁ、辛口な斬り方」っていうくらいのことだったわけだ。

 今回のコラムは、書かれている対象が長渕剛だったのでちょっと深く踏みこんで読んでみたら、筆が走っちゃ 

 っているところが多いいんだな、とわかった。

 そう思ったら、次号のNo.432は

  

   「学生としてパリ滞在が五年目を越した息子と、一度は家族全員でヨーロッパの他国を旅したいと思い、

    七月中、死ぬ思いのめちゃくちゃスケジュールで書き溜め原稿を片づけて、やっと真夏のヨーロッパに

飛んできた」

  

 ではじまる『ローマの平日』。

 このタイトルだけは面白かったが、あとは酷い。

 ダニエリという由緒あるホテルで、

   

   「マナーの悪い日本人客に頭にきてたのか、こちらが伊語や仏語で対応して旅馴れているとわかるまで

    は反応が冷やかだった。私たちの部屋にあったホテルガイドの日本語ページだけが、アホな日本人に

    破き取られたとみえて、ない。ったく」


 などとエラソーに。

 旅の途中あちこちで出会った日本人の悪口ばっかり。

 辛口と悪口とはちがうんだよ。


 近田春夫が週刊文春で連載している『考えるヒット』というコラムでとりあげているのは、やっぱり私がほとんど

 聴いたことのないヒット曲なのだが、だいたい面白く読んでいるし刺激もうける。

 麻生千晶が「たかが、されどテレビ」で長渕剛の『ボディーガード』をとりあげたのとほとんど同時期に『考えるヒ 

 ット』でとりあげられたのが長渕剛のシングル『ひまわり』。

  

   「今、歌手で力があって名前があって、そして実績があってとなると、長渕剛以外に「なんでドラッグが

    悪いんだ」とか「何で気に入ったオンナとやっちゃ悪いんだ」とかリアリティを持って発言できるヒトは

    残念ながらいないのだから。とにかく現在のスタンスでは客側が気を遣わざるを得ない。ジョークに

    しにくいのがまずい。長渕剛には、ゼヒとも音楽界の勝/横山的存在として君臨してもらいたいのだ。

    ひとつ「生きざま」ということで、たのんます。

    そんな気持ちで『ひまわり』のジャケットをながめたらビックリ。  

    (中略)

    ろくなもんどころではない、本物ですよ、ということだ」


 音楽界の勝/横山的存在!言いえて妙とはこのことだ。

 それを「素行の悪さと暴力沙汰で悪評ふんぷん」と書いている麻生千晶は、良識みたいなところで物を書いて 

 いることになる。

 だからお説教になるのだ。海外での日本人の「素行の悪さ」をお説教しているのと同じレベルだ。

 おまけにお説教に「こちらが伊語や仏語で対応して旅馴れている」などと自慢がはいるから始末が悪い。

 近田春夫は作品・人物と、まっすぐに直接むきあって書いている。

 麻生千晶は作品・人物と自分のあいだに挟まっているものがある。

 そして、その挟まっているものに筆が走っていくことがあるのだ。



★原宿歩行者天

 19年前の今日 1989/9/3 

 日曜日。1時間ほど歩行者天国でバンドを見てまわる。

 AOKというバンドはなかなか聴かせる歌を歌っていた。



★MUSHAXKUSHA @新宿ACB

2年前の今日 2005/9/3


 ホームページ(http://koikaiko.com) の『宇宙即変化。人生即主観』 116号参照。

 サワリ:身体で観客に語りかけるという踊りの真髄が、梅原の踊りと梅原の詩を歌う池田のボーカルとで、

      具体性と身体性を持った「歌」になるのだ……。

 

 116号のそのほかの記事:JURASSICJADE、ジョージ・ギッシング、hide ほか。



★SCORPIONS @新宿厚生年金ホール

         11年前の今日 1996/9/3 



★EAT RED MEAT @新宿アンティノック

         12年前の今日 1995/9/3



★EXISS @原宿歩行者天国

  12年前の今日 1995/9/3



明日の予告:THIN LIZZY in1982

松下竜一『ゆう子抄』 in1992

THE COOL BEAUTY in1993

   ほか。