血友病は,医学の進歩により

現在では治療法があります。


ですが,ヴィクトリア女王の時代は

治療法もなく,患者はこの病が元で

子孫を残す事なく亡くなる事が多く,

女王4代目以降で女王由来の血友病の

遺伝子は完全に絶えたとされています。



ヴィクトリア女王は,

4男5女の9人を産みます。


そのうち,男子一人が血友病患者,

3人の女子が血友病の保因者でした。


この保因者であった3人の女子たちは,

自身に血友病の遺伝が有ると知らずに

(それ以前の祖先には患者がいないので)


他国へと嫁ぎ子を産み,またその子供たちが

他国へと嫁いでいきます。


そして,その国の王位継承者が血友病だった時,

王家存続の危機に陥る事となります。


女王の孫の代になる頃には,女王の遺伝に

血友病の遺伝がある事がはっきりと分かって

いるようですが,女子の場合は保因者かどうか

子供(それも男子)を産まないと分からない為,

ある意味,「賭け」だったようです。


もちろん女王の子,孫との婚姻でも

血友病の難を免れた国も多いのですが,

婚姻により血友病が持ち込まれた他家は,


ドイツ皇帝家

ドイツ・ヘッセン大公家,

プロシア王家

ロシア皇帝家,

スペイン王家・・・のようです。


戦争や革命により滅んだ王家あり,

また途中共和国を経た王家もありますが,

イギリス王室は無傷で今も存続ですね。


イギリス王室の底力を感じるところです。