パナマ文書の流出問題。
著名な政治家や大富豪の名前があり世界を騒がせています。
日本のメディアはそれほど大きくは取り挙げていないようですが、いろいろとあるんでしょうかね。。。(笑)
パナマ文書とは、タックスヘイブンを利用して税負担軽減コンサルティングを行っていたパナマの超大手法律事務所の機密文書です。
タックスヘイブン、、、これっていったい何でしょう。
日本の場合、会社にかかる税金は国と地方合わせて約32%、個人の税金は一部の分離課税を除き最高税率は所得税45%、住民税10%で合わせて55%。
しかし海外には、法人税や所得税がゼロ又は相当低く抑えられている国があります。
その国で利益を得れば日本より税負担が少なくより多くの資金を貯め込んでいけるわけです。
そういった税率が低い国を、Tax Haven(軽課税国、租税回避地)と呼んでいるのです。
税率の低い国を使った税負担軽減スキームを提供する法律事務所の内部文書が流出したというわけです。
ただ、タックスヘイブンを使ったいわゆる「節税」は違法なものではなく、それが即脱税行為というわけではありません。
各国の税制にタイムリーに対応しながら、グレーゾーンを慎重に渡り歩いているといったところでしょうか。
ただ一般人には手の出しようがない(というより、やっても意味がない)、富裕層向けのスキームであり、お金持ちが更に富を蓄えられるということで、我々一般庶民は悔しさを感じてしまうというわけです(笑)
トリクルダウン、どこ吹く風ですね、、、
ただ行き過ぎたタックスヘイブンを使った節税に対して、ストップをかけるべく各国も対応を行っています。
タックスヘイブンにある日本法人の子会社が収益を上げていても、実質的に日本で稼いでいるのと一緒なら、その稼いだ分は日本で税金を納めてくれということで、様々な基準を設けてタックスヘイブンで稼いだ子会社の利益を、日本の親会社の利益として取り込む制度を設けています。(タックスヘイブン対策税制)
結果として現在、世界中で税金の奪い合い合戦を行っている状況になっています。
それからパナマ文書には、税金以外の情報も詳細に記載されているようですね。
ユダヤ人美術商からナチスが略奪したとされるモディリアーニの作品が、ある大富豪が所有している情報もあるようですから、いわゆる違法な闇取引の詳細が含まれているとしたら、これからどんなスキャンダルが飛び出してくるのか、ちょっと怖い気もします。
追記
タックスヘイブンの話題になるとすぐ思い出すのが、税務大学校で何度か講義を行っていただいた中里実氏の「タックスシェルター」という本です。10年以上も前の本ですがタックスシェルター(課税逃れ商品)についてのもので、巧妙なスキームがいろいろと挙げられていてなかなか面白かったですよ。