私がSITツアーの世界に飛び込んだ理由 | 旅と仕事するkogeのブログ

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旅は人生に豊かな心を運んでくれます。音楽と旅をマネジメントする仕事に携わることは人生のミッションのひとつ。テーマの旅のスペシャリストとマネージャーの二足のわらじ奮闘ブログです☆


今日はちょっと真面目なお話です。しかも、長いです汗 

それは、、

『私がどうしてSITツアーの世界に飛び込んだのか?』

『私がどうして旅行の仕事を続けているか?』


これまでの経緯をふまえつつ、お話したいと思います。



皆さんは『SITツアー』をご存知ですか??

SITツアーとは、Special Interest Tourの略で、

特別な目的をもつツアー(旅行)を意味します。

業界内では、テーマ性のあるツアーなどとも言われる

ことが多いです。

さて、このSITツアーですが、内容は様々で、

現在私が携わっている音楽や美術といった芸術を

テーマにしたツアー、それから、サッカー観戦や

野球観戦などのスポーツ系のツアー、

ハイキング、トレッキングなどのツアー、陶芸体験や

ワイナリー体験などの趣味をテーマにしたツアー、

アーティストや芸能人と一緒に旅行するツアー

なんかも含まれます。



もともと音楽学の専攻だった私は、卒業後は研究職に

つければな~と考えていました。

ところが、大学1~2年のときにヨーロッパに40人

近いペンフレンドがいた私は、

「音楽が好き」と同時に、かなりの「ヨーロッパ好き」

になっていたのです。

「ヨーロッパが好き」な私は、大学3年のときにフランス、

オーストリア、ハンガリーに約3週間。 

大学4年のときには、スペイン、ポルトガル、ドイツに

1ヶ月半。

あちこちに住むペンフレンドを訪ねて一人旅に出たのです。

そうするうちに、音楽と旅行というテーマこそが

自分のライフテーマだ!と決意し、

それなら旅行会社に就職して、音楽をテーマにしたツアー

を作ろう!! と思い立ったわけです。

、、しかし、就職氷河期まっただ中、旅行会社なんて売り手

市場でしたので、

新人で音楽専攻の人間なんか雇うなんて会社はなかなか無く

現実は相当厳しいものでした。

かといって他業種は考えるつもりもなく、地道に就職活動を

続けていました。

卒業後、半年。そんな私を雇ってくれたのが、

社員数名の業務渡航専門の旅行会社。

未経験で入社後すぐに現場に放り出され、航空端末の操作に

至っては、質問はマニュアルかコールセンターに聞け!と

なんとも乱暴な教え方の環境でしたが、おかげで、

短期間で旅行の仕事を身につけることができたわけです。

業務渡航というのは、取引先(顧客)である海外出張者の

航空券やホテル、ビザ申請などの手配などが主で、

私がやっていたことは「旅を創る」ということとはほど遠く

「依頼された仕事を、如何にスピーディに、

確実に正確に手配をするか」

この一言に尽きていたように思います。

当然残業の日々でしたし、責任ある仕事は自分の糧には

なりましたが、5年間もすると、ようやく一人前に法人営業

を任されるようになって、やりがいを感じるようになった

ものの、このままではダメだ!と、

わずかな時間を見つけては、自分のアイデアをまとめたり、

ツアーのプランニングをしたり、旅のネタ帳のようなものを

作っていました。

しかしネタ帳は溜まっても、それを実行する場所がない。

果たしてこんなネタが先々活きることがあるんだろうか?

と不安に思っていた頃、

航空各社からは次第にコミッションカットという現実が

突きつけられてきた旅行業界。

業務渡航の仕事でも、これまでは役員クラス、

企業によっては部長クラスまでビジネスクラスだったのに、

一転、社長がエコノミークラスなんて企業も増えてきて、

出張自体の経費削減が次々に浮き彫りになり、

テロや鳥インフルエンザ、SARSなどで海外渡航そのものが

自粛の傾向に。

旅行会社同士では、お客と取るためならと、価格競争、

潰し合い、、なんてことが日常茶飯事になり、

あげくの果てには倒産する旅行会社が続出。。

自分がいま携わっている仕事が10年後に存在するんだろ

うか・・・なんて焦りの日々の中で8年目、

ついに出会ったのが今の仕事でした。

転職してみて初めて知ったのは、

SITツアーの世界に最初から(新入社員)から担当する

なんてのは無理だったということ。きちんとした旅行業務の

知識の上に立って、

初めて使える(雇われる)立場になるということでした。

事実、私を含め、他のスタッフ全員が、旅行会社に就職して

最初に配属されたのが法人営業だったり、ビザ申請の担当や、

総務部だったり、カウンター業務だったり、、

紆余曲折しながらたどり着いた人達です。



さて、実際にSITツアーの仕事に関わるようになってからも、

航空会社のコミッションカットは進む一方。

テロや、インフルエンザ、景気に左右され続ける不安定な

業界に変わりはなく、

昔でこそ憧れの業界だったかもしれませんが、

今や人気もそこまで維持することは出来ず、

相変わらず離職率の高い業界といわれることもしばしば。



しかし、私自身は、知恵とアイデア、企画力に支えられる

SITツアーにはまだまだ未来がある、と確信しています。

海外旅行離れが進む若い世代の動向を懸念する声も

あるけれど、世界中で戦争が起こることが無い限り、

旅行の存在が無くなることはない。 

うーんと先のことを懸念しても仕方がないので、

とりあえず、今は、お客様の知的好奇心をくすぐり続ける

ような魅力的なツアーを作ることにまい進する日々。

私よりもずっとSITツアーの経験があるメンバーとの

仕事は、とても刺激的。

まだまだ一本立ちできるほどのレベルには至っていない

けれど、いろんなことを吸収しながら、

自分にしか作れないツアーを作ること!

・・・これが目下の目標です。

いずれは、SITツアーの分野で、日本から海外へ、、

だけでなく、海外から日本へくる人達のためのお手伝いなども

したいと考えております。



これからも、応援、よろしくお願いいたしますアップ