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歌うことが好きです。コロナ禍で一度はしぼみかけた合唱への熱が''22年〜むしろ強まっています。クラシック音楽を遅まきながら学び始める一方、嵐の曲はいまも大好きです。


今日もまた嵐さんとは無関係な記事です。
しかも長文です。
でも自分の気持ちの整理として、どうしても書いておきたくなりました。













今朝ふと気になったことがあって、遠藤周作の『女の一生  一部・キクの場合』を手にし、
主人公キクの最期のシーンを再読。



キクの死を悼むプチジャン神父の祈りの言葉に、あぁやっぱり、と思う。
「主よ、永遠の安らぎを、彼女に与えたまえ
(レクイエム・エテルナム・ドエナイ・ドミネ)」
(本文より)


この言葉によく似た詞を、ついこの間までなんども繰り返し歌っていた。

Pie Jesu domine
dona eis requiem
sempiternam requiem

(あわれみ深い主イエズスよ
彼らに安らぎを与えてください
永遠の安らぎを与えてください)



5ヶ月間ずっと悪戦苦闘してきたこの言葉と、
大好きな物語の主人公に捧げられた祈りが似通っていたことに、
改めて不思議な縁を感じて嬉しい。



「Pie Jesu(ピエ イェズ)って知ってる?フォーレのレクイエムの。
これたぶんsgtさんに合うと思う」
声楽発表会に出ると決意したとき、
先生に選んでいただいた最初の曲。



たいへん有名な、たいへん美しいこの曲を自分に与えられたことが嬉しくて、
一所懸命練習したけれど、
発表会本番の仕上がりは残念なことになってしまった。



発表会には、合唱団のお仲間がたくさん応援に来てくださっていた(団員が3人出ていたので)。
Pie Jesu大好き、という人も何人かいた。
そんなみなさんに、これが精一杯とはいえ、不甲斐ない歌を聴かせてしまったことが恥ずかしくて申し訳なくて、
発表会明けの合唱練習に行くのがちょっと怖かった。



そうして迎えた練習日、
みなさんが私にかけてくれた言葉は、
初舞台おめでとう
合唱の時はまた違う声で、進化してたね
選曲がsgtさんにぴったり
…みなさんもう優しすぎて、泣いちゃいそうだった。
先生の前だから泣かなかったけど。



普段の練習でいつも私の声を聴いている団員のみなさんは、
私の声の欠点もみんなわかってくれている。
Pie Jesuが大好きと言っていたベテランの団員さんは、
「いろいろ思うところがあるのはわかるけど、
まずは、初舞台で3曲ちゃんと歌いきったことに自信を持って!
これだけ歌い込んできたんだから、
これからは自分の持ち歌として、ゆっくり温めていけばいいよ。
…またリベンジできる機会はある」
と、不安な私にそっと話してくれた。



お世辞抜きの励ましが何より有り難く、
それに「持ち歌」というのがしみじみ嬉しくて、
そのときは練習も終わっていて先生は帰られたあとだったので、
ちょっとじわっときた。



帰宅後、たまたまその日のカレンダー「まいにち修造!」にあった
「成功も失敗も、過去に起こった出来事は、
すべて自分のベストを尽くした結果」
という言葉が突き刺さってくる。



「本気の失敗には意味がある」って
『宇宙兄弟』のムッちゃんも言ってたなあ。



私は、合唱団のみなさんに受け入れてもらえて初めて、
自分は「本気の失敗」という、得難い体験ができたのだと、
ようやく認められるに至った。



この体験を経て改めて考える。
私は歌っていれば基本楽しんでいられる。
嵐さん、大野さんは好きだけど、
それなしにはいられない、というほどではない。
このブログに書いてきた言葉は嘘ではないけれど、私の本心すべてではない。
それどころか、ふとした思いつきや手すさびに書いちゃった文章もある。
…それは、書く人ならみんなそうかもしれないけど。



でも、
書くことも、嵐さん大野さんも、
好きだけど、歌うことほどには本気ではないという自覚が、
だんだんはっきりしてきている。



嵐さんがご縁でできた優しいお友達たちに、
私の書き並べる自己顕示欲の垂れ流しを、延々と読んでいただいているこの現状は、
果たしてどうなのか、と自問する。