沖縄県糸満市の平和祈念公園での沖縄全戦没者追悼式で、公募で選ばれた自作の詩「写真の中の少年」を読んだ沖縄尚学高付属中2年の匹田崇一朗君(13)は「自分が今生きているのは戦争中、祖父や祖母が頑張って生きたから。僕たちの命は精いっぱい生き抜いた人たちの尊い命のリレーであることを伝えたい」 と語ったという。
きっかけは、小学5年生のとき、自宅にあった写真集で見た1枚の写真だったそうだ。
撮影されたのは45年3月27日になっていた。
沖縄・座間味島の住民約20人が疲れ切った表情で地面に座り込んでいる様子だった。
島に上陸した米軍の呼びかけに応じ、避難先の壕から出てきたところだったそうで、中に10代の初めらしい少年がいたそうで、「これ、おじいちゃんなのよ」と母親から教えられたのだという。
12歳ぐらいだった祖父は母親と壕に逃げ込んでいたそうだ。
「出てこい」と言う米兵の声を聞いて殺されると思ったそうだ。
その話をする祖父は震えているようだったという。
その祖父は2年前、亡くなったそうだ。
今の自分と同年代だった祖父がどんな思いで壕に隠れ、出てきたとき、どれだけ怖かったかについて、5月の連休中に祖父の気持ちに自らの思いを重ね、1週間ほどで詩を書き上げたという。
『写真の中の少年 僕の祖父 何を思っているのだろう どんな逆境の中でも最後まであきらめずに 頑張って生き抜いてきた祖父 だから今の僕がいる 命のリレーは 祖父から母へ 母から僕へと つながった (中略)僕はその少年から受け継いだ 命のリレーを大事に絶やすことなく 僕なりに精一杯生きていこう また少年から聞いた あの忌まわしい戦争の話を 風化させることなく 語り継いでいこう 』
素敵な詩ですよね・・・。