おはようございます、勝也です。
平安時代の後、
衣裳関連の資料が少ない鎌倉、室町時代を経て、
戦国から安土桃山時代。
戦国武将が鎧の下に着たのが「辻が花」です。
「辻が花」には二つの意味があります。
ひとつは「文様としての花の名前」です。
八重桜と藤を混ぜたような、現実には無い花文様
です。死と隣り合わせの武士が、幻想の世界に憧
れた趣向といわれます。
ふたつめは「技法の名前」です。
絞り染めの上から辻が花の輪郭線などを
筆で墨描きする技法です。
「絞り染め」と「墨の手描き」の合わせ技です。
贅沢過ぎたのか豊臣時代への反抗か、
江戸時代に入ると廃れて消えてしまいます。
そのため、「辻が花」は「幻の染め」と呼ばれる
のです。
それでも美術館や博物館で「端切れ」を見ることはできますね。
戦後「辻が花」を復活させて一大ブームを巻き起こし
たのが、久保田一竹氏です。
一竹氏も博物館へ通って研究されたと伺いました。
一竹氏の工房は小平市にあり、生前お世話になり
ました。
久保田一竹氏の手による「辻が花」の訪問着が
店にありますが、それは素晴らしい作品です。
京やのサイト内の「こだわりの一品」でご覧いただけます。
明日に続きます。