今回のお酒は『いづみ橋』
 僕が「神奈川の日本酒といえばこれ!」と推している銘柄のひとつです。
 



 まずは『夏ヤゴピンク』
 『いづみ橋』の夏限定の生原酒。酒米には海老名産の雄町を使っているとのこと。
 雄町というと岡山やその周辺のイメージがありますけど、神奈川でも作られているのです。

 上立ち香はスパイシーで、香辛料と藁のような香りが強く出ています。
 舌にピリッと刺激があり、強い酸で爽やかに流してくれます。『いづみ橋』の生酛は酸味の伸びがいいのも魅力だと思うものです。
 雄町らしい野太い味わいを期待しているとなかなか驚くお酒じゃないですかね?シャープで淡麗なところが強いんですもん。シャキッとした感じですし。なお、雄町らしい野太い乳酸の味わいは3~4日目くらいに徐々に出てくる感じですので、オマチストな方はちょっと待ったほうが楽しめますかね。



 もちろんお燗も飲んでみましたが、流石の相性でした。酸の伸びが違いますね。ええ。
 



 そして、実家に封印されていた『いづみ橋』の26BY(推定)




 『桃色黒とんぼ』というシリーズで、地元農家と協力して造り上げたお酒だそうです。ドメーヌ的な思想に基づいた感じですかね。
 実家には2年前のものまであったのかと我ながら思いましたが、何にせよ飲んでみないことには分かりません。
 生酛は劣化しにくいことで知られていますが果たして……
 
 ぬわっ!上立ち香ムンムンじゃないかよ。この燻した藁のようなこの香りは、まるで古民家のような風情さえも感じるかのよう。
 含んでみると……わっ!超濃醇!
 大地の伊吹を感じる"土"の香り。芋やキノコにも近いかも。酸味は抑えられていますが、生酛らしく後を引く感じでじんわり伸びてきます。飲み口も綺麗で、弾力のある感じがまた心地よいです。
 また、熟成されたからなのか角がとれたかのような円やかさがあります。辛口と謳ってはいますが、この柔らかいタッチは辛口が苦手な人にも飲みやすいタイプなのかもしれません。

 凄いなぁ『いづみ橋』。多分実家じゃ適当な温度管理だったろうに、それでも崩れなかったですし、熟成適応が高いです。ただ、先程の『夏ヤゴ』に比べたら若干酸味の伸びが短かったかな?
 多分『いづみ橋』の長期熟成酒とか出てきたら間違いなく美味いと思いますね。今回の『桃色黒とんぼ』よりも味とか乗ってくるでしょうし。

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