http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/120715/waf12071507000002-n1.htm

【衝撃事件の核心】
同級生刺した特進コース高3女子 
「あんたも片付けろ」でキレた心の危うさ

2012.7.15 07:00 産経新聞

Diary!自由きまま!思うママ!+(プラス)馬! by 梅コブ茶。

家裁送致された女子生徒が在籍している高校。
周辺は世界遺産の寺社が並び、勉強や部活動
に集中できる静かな環境だった
和歌山県高野町




 世界遺産の町・和歌山県高野
町で6月18日、
私立高野山高校3年の女子生徒
(17)が同級生の少女(17)
をナイフで刺して大けがを負わ
せる事件があった。

 同じクラス、同じ寮で暮らし
ていた2人の間に何があったの
か。

 和歌山県警の捜査では、受験
のプレッシャーを抱えた女子
生徒が、娯楽の少ない高野山上
での限られた人間関係の中で、
ストレスを増幅させていった
ことが背景として浮かび上がっ
ている。

 学校側は寮の運営について
検討する方針を示し、専門家は

「女子生徒が発していた小さな
サインを見落としていたのでは
ないか」と指摘している。



■同級生に向けた刃

 事件発生は午後の体育の授業
の直後だった。高野山大学の
体育館を借りたバレーボールの
授業。

 女子生徒は体調不良を理由に
見学していたが、生徒らがボー
ルの片付けをしていた際に同じ
寮で暮らす同級生からかけられ
た言葉に、何かが切れた。

「あんたも片付けしなさい」

 女子生徒はスカートのポケッ
トに入れていた刃渡り8・5
センチのナイフを取り出し、
同級生の背中に体当たりする
ように向かっていった。

 ナイフは折りたたみ式で、
さまざまな機能がセットになっ
た十徳タイプだった。

 当時、現場には1、2年を含
め10人ほどの生徒と教師が
いた。

 周囲が騒ぎに気付き、教諭が
刺された同級生を町内の診療所
に搬送。

 刺した女子生徒は呆然
(ぼうぜん)と立ちつくして
いたという。

 同級生が負った傷の深さは
約5センチで、肺に達していた
とみられる。

 ヘリコプターで和歌山市内の
病院に運ばれ手術を受けたが、
幸い傷は予想より軽く、10日
ほどで退院できたという。

 和歌山県警は女子生徒を殺人
未遂容疑で緊急逮捕。

 女子生徒は

「片付けしなさいと言われて
かっとなった。ナイフは普段
から護身用に持っていた」
と供述した。



■高野山上での寮生活

 高野山一帯は荘厳な寺や
宿坊で埋め尽くされ、目抜き
通りには土産物店や食堂が並
ぶが、コンビニや娯楽施設は
ほとんどない。

 下界の喧噪(けんそう)と
は無縁で、梅雨どきの今は静
けさが漂う。

 高野山高校はその一角に
ある。

 町外からの進学で寮生活を
送る生徒が多く、不登校の
経験者も積極的に受け入れて
いる。

 僧侶の卵を育てる宗教科や、
アスリートや指導者を育てる
スポーツコースなどがあり、
女子生徒は国公立・難関私立
大進学を目指す特進コースに
通っていた。

 少人数のクラス編成で勉強
に励む同コースは、京都大や
早稲田大などに合格者を出し
ている。

 特進コースは全学年合わせ
て10人ほどで、事件のあっ
た女子生徒の学年は女子3人
だけ。

 高校から離れた一軒家タイ
プの寮で、2階の3部屋を
それぞれのスペースとして、
泊まり込みの寮母の世話を受
けながら、ほかのコースの
生徒が入る寮とは別に共同
生活を送っていた。

 寮が他コースと別になって
いることについて、同校は

「高野山には塾もなく、特進
コースの生徒が夜間もしっか
りと自習できる環境を整える
ため」と説明する。

 特進コースは系列の高野山
大学のキャンパスを借りて
授業を行っており、3人は
毎朝30分ほどの道のりを
一緒に歩いて通学。

 土日はそれぞれの実家に帰
ることもできるが、普段は
都会とは隔絶したような高野
山上での生活を送っていた
ことがうかがえる。



■「受験ストレス」増幅?

 女子生徒がナイフを向けた
同級生について

「以前から気にくわなかった」
と供述したこともあり、県警
は当初、2人の間に何らかの
トラブルがあった可能性を
視野に捜査していた。

 しかし、犯行に直結する重大
なトラブルはなかったとみられ
ている。

 学校側も

「家庭のケンカ程度のものは
あったが、寮母や担任の仲裁で
すぐにおさまっていた」とする。

 「護身用」と供述していた
ナイフについても、他人を傷つ
けるために所持していたのでは
なかったことが判明。

 和歌山地検は

「殺意の立証は困難」
として、傷害の非行事実で
和歌山家裁に送致。

 家裁は2週間の観護措置を決
め、今後犯行に至った背景に
ついて調べる。

 関係者によると、寮で家族の
ような生活を送っていた2人だ
ったが、3年に入って不仲に
なっていったという。

 本格的な受験準備が始まり、
十分な勉強時間が取れるよう
学校が用意した寮での夜の
自習時に、部屋から漏れる
物音についてケンカになる
ことがあったという。

 捜査関係者によると、
女子生徒は

「受験のプレッシャーがあっ
た」
との趣旨のことを話している。

 女子生徒は部活動をして
おらず、寮と授業との往復
生活だったとみられる。

 本格的な受験準備が始まり、
寮生活でストレスが増幅して
いった経緯が浮かび上がる。



■小さなサインに注意を
 
衝動的とみられる女子生徒の
犯行について、少年の犯罪
心理に詳しい京都大医学部の
十一元三(といち・もとみ)
教授(児童青年精神医学)は

「どんなにそりが合わなくて
も、いきなり刺すとは考え
にくい。周囲が思う以上の
フラストレーションがたまっ
ていた可能性が考えられる」
と分析する。

 少年の重大事件では、事前
に周囲が小さなサインに気付
かず、事件発生で問題が表面
化することがあるという。

「本人の更正のためにも、
精神医学的な背景を含めて
解明することが必要ではない
か。専門家でも事件に至る
サインに気付かないことも
あるが、学校現場も少年の
メンタルヘルスへの認識を
もっと持つべきだ」
と指摘する。

 学校側は事件を受け、

「反省すべきことは反省し、
寮の運営を含めて検討する
必要がある」としている。

 退院した同級生は学校への
復帰を強く希望しており、
カウンセラーを配置して心の
ケアにあたる方針だという。

 寮のあり方については、

「今後、生徒の希望や保護者
の意見を聞きながら対応して
いきたい」と話している。




いやー、若い女の子には、
辛い生活環境ですね。

ふもとまで、下りても、
決して賑やかな所とも言え
ませんもの。

まあ、コンビニなどは、有る
でしょうが。

近くと言っても、歩いては、
きついですが、龍神温泉だっ
たか?有りますが。

そこも賑やかとは、言えませ
ん。

2度ほど行きましたが、霊山
ですからね。

遊ぶ場所は、なかなか、無い
のが、現実です。

普通の寮生活でも、ストレス
が、溜まるのですから、
こうした環境下では、もっと
凄いストレスが溜まった事で
しょう。

同級生が、亡くならなかった
のは、彼女にとっても幸いだ
った事でしょう。