昨日の続きになりますが、セントラルサービスシステム業務内容について後編日経産業新聞2004年2月の掲載記事の紹介です


「速さ」「無駄」「破損」数値化     高級ホテルなど契約先にズラリ


95%が契約更新


皿のプリケージ(破損、紛失)率を下げるため、皿の運び方、置き方にも気を配る

大きさに応じて何枚まで重ねるかが決められており高価な皿は洗い場に写真をはって注意喚起する


大半の皿は大型洗浄機で洗う。 洗浄機に入れる皿の数を毎回、同じにして洗剤や水の量を節約する。

洗剤が自動的に洗浄機に供給される装置では、洗剤メーカーと毎月面談し、適正な量だったかどうかチェックする


「当社は単に皿洗いを請け負うのではない。 そのホテルに合った最適の厨房管理提供するコンサルタント

野口氏の跡を継いだ石井二郎社長は言い切る。


同社は見積もりの際、従来の費用の10%削減を目安とし、30%削減できた例もある。 顧客との契約は1年ごと。 継続するかどうかは結果を見て判断してもらう

ただ実際には、契約を更新する企業が95%を超える


強さを支えるもう一つの要因は実力本位の人事管理だ。

正社員260人に対し、パート・アルバイトが3000人。 アルバイトの質がサービスの質を左右すると言っても過言ではない。 このため契約期間は2カ月単位。

現場管理者の目で実力を判断してもらい、不向きな人は更新しない」(石井社長)


現場は必ず正社員が一人以上付き、アルバイトを管理する

管理者は毎週、現場リポートを提出。 半年ごとにアルバイトの働きぶりを評価して昇給する仕組み

時給は初心者で850円、多い人は1100~1200円まで上がる。 毎月、優秀者6人を表彰し、1万円の金一封も出している。


ホテルとの間でインセンティブ契約を結ぶ場合もある。 皿のプリケージ率は業界で平均0.3%といわれるが、それを上回れば実額を弁償、下回れば一定の金額をもらう。 現在、3つのホテルと契約

従業員の励みになっている」(蔵根昭人事・管理本部次長)


品質にこだわる


正社員はさらに実力主義を徹底。 新卒、中途の採用数はほぼ同数で、処遇に差は付けない。

昇進は年2回あり、ホテルの要望を的確に理解し、迅速に対応できるか、アルバイトの人員配置や勤怠管理をきちんとできるかなどを評価。

入社7ヵ月で係長になる人もいれば、5年たっても平社員のままの人もいる


昨年12月には40歳と35歳の取締役が誕生。 このうち、35歳の林田喜一郎氏はウェスティンホテル東京から受注を獲得。 97年には大阪営業所を立ち上げ、短期間で顧客を増やした実績が認められた。


同社の成功に刺激されてライバルも増えている。 昔からの配ぜん要員の紹介所や、客室清掃業者が参入。 昨年4月に開業した東京・六本木のグランドハイアット東京見積もり競争で敗れた

しかし石井社長は「従業員の仕事の質では絶対に負けない」と意に介さない。一度失敗すると、それまでの信頼が台無しになる」と、あくまで品質維持にこだわる


95年に受注した福岡市のシーホークホテル&リゾートの場合、いったん別の業者に敗れたが、1年後にホテル側から契約を持ち掛けてきた


皿洗いをいかに素早く、正確にやるか、コツをつかむ人は多いだろう。

しかし、それを組織的に、かつ継続的に徹底しようと思えば、CSSのような仕組みやノウハウが必要になる


皿洗いに限らず、徹底することは簡単ではないことを、同社の取り組みは教えてくれる


以上ですが非常に示唆に富んだ紹介記事だと考えますので、良ければご精読いただければと思います