今や世界的ピアニストとなった辻井伸行さんをソリストに迎えた、オルフェウス室内管弦楽団のコンサートに行って来ました。



初めて訪れた所沢のミューズ・アークホールは美しく木の香りが漂ってきそうなシューボックス型(長方形の靴の箱のような形)で、ステージ後方にはパイプオルガン、その両サイドには大きなミューズ(音楽の女神)の像が私達を見下ろしています。

今回、これも初めての経験だったのですがステージ後方の席をとりました。
つまり、普通の席のお客さま達全員と向き合うような形になります。

演奏が始まるまでは、何となく落ち着かない感じもありましたが、「ドン・ジョヴァンニ序曲」から始まった オールモーツァルトプログラムは、早い春の訪れを喜ぶような心浮き立つものでした。

そして感動したのは、私達が座った席の音響の素晴らしさでした。

こじんまりとしたオーケストラでモーツァルトだったので、しっくりきたのかもしれませんが、もう未だかつて経験した事のない「耳福」の時間、音が湧き上がり空間を舞い、全身を包む・・・
なんなのーこれはー!と思いました。

そして、今日がノブさんとの日本ツアー最後の日でした、と日本人のメンバーの方が挨拶なさった後のアンコール最後の最後の曲は・・・

マスカーニの「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲。
多分皆さん聴けばご存知の曲と思います。
映画「ゴッドファーザー」でも使われた、それはそれは美しい曲です。
(ちなみに、この曲はもともとオペラの中の曲なのですが、そのストーリーは二組の男女の愛憎劇ということらしく、歌舞伎に通じるものを感じました)


ここで、この曲を聴けるとは・・思いがけない出会いに涙がハラハラ出てしまいました。
年をとると、心で感動を認識する以前に、水分が出てしまうような気がします。
困ったものですね!