会社や役所で働いている人は、職場や居酒屋で、若者世代について「おやっ!」と思ったことを話すことも多いと思います。若者は仕事よりも個人志向が強いのではないかなどと話題になっているのでしょう。

 個人事業をしていると若い人との接触は少なく、世代について考える機会もあまりありません。

 そのために、いろいろな接点を見逃したり、多くのものを失っているかもしれません。“ほぞをかむ”という思い(元の意味はヘソを噛みたいくらい残念)もあります。

 22歳になった年を基準にすると、世代について次のように言われているようです。

  *昭和42~44年・団塊の世代(学生運動と会社人間のイメージ)

  *昭和49年~・しらけ世代(沈黙?)

  *昭和53~61年・新人類(スマートに段取り)

  *昭和62~平成3・バブル世代(収入のこだわり、自意識、拡散)

  *平成4~18・団塊ジュニア世代(就職氷河期、被害者意識、ネット)

  *平成21~28年・ゆとり世代(指示待ち、自分の内部に関心、東日本大震災)

 関西大学の片桐新自教授は、昭和63年から平成19年まで5回、関西の4大学の学生の意識調査をして、「不安定社会の中の若者たち」という本にしています(平成20年)。

 それぞれの時期の大学生の特色を次のように言っています。

 新人類、バブル世代、団塊ジュニアにあたります。

   (昭和63)「新人類、協調して、楽しく」、

   (平成4)「伝統の否定、安定した中流意識」、

   (平成7)「大人になれない若者たち」、

   (平成9)「保革逆転、オウム事件、キレる若者、ボランティア指向」、

   (平成14)「停滞社会、まじめ指向」、

   (平成19)「父親の評価や大人意識の低下」

 この間に、「豊かな生活」のような関心が低下し、「和やかな毎日」という興味が高まったようです。

            

 


 「オタク」という言葉は、昭和58年から使われたと言われています。片桐教授によると、当時の大学生はオタクと思われないように、軽く社交的に付き合っていたということですから、オタクは表のことではなかったようです。

 公平に見て、団塊ジュニア世代は、“就職氷河期、被害者意識、ネット、キレる若者”であり、社会に出てからは“東日本大震災”にぶつかった、ボリュームも大きくやや暗い時代の世代のようです。

 団塊ジュニアやゆとり世代を中心に、“1000兆円の負債を残してくれましたネ・・”と言われている気がします。彼らは上の世代に対して、明るく対応する気になれず、かといってぶつかる気もない・・というところかもしれません。

 最近、若い世代にしばしば驚くのは、体操、水泳、卓球など多くのスポーツの伸び伸びとした若いスターたちです。

 iPS細胞でノーベル賞の山中伸弥教授もいます。

 サッカーの川渕チェアマンたち、新しいリーダー達とその下(モト)で伸びやかな選手たちが生まれています。

 国を挙げて人口を増やすという気はなさそうです。それをせずに、外国への巨額の投資を進めているということは、これからは若い人たちに外国で働くチャンスが増えていくと思われます。

 若い人たちには、世界で、新しい発想で、伸びやかに、これからの時代を切り開いていくことを、静かに期待することになるのかもしれません。

 だから、上の世代が明日からなにをするのかは難しいのですが・・。