皆さんはどうでしょうか。今年、2万円くらいの個人事業税を見逃していたようで、4~5カ月後に、都税事務所から「差押に入ります」などと書かれた赤紙が送られてきました。

 そこに書かれた期限よりも前に都税事務所の男性職員から電話があり、「差押もありますから」など尊大な圧力をかけてきました。

 一定の権力を持っている人が高びしゃに出ることは琴線の問題のようで、私は「差押で結構ですから」といわせてもらいました。

 2年前、税務署に申告書を出しに行ったとき、受付で幅3センチくらいの「本格モヒカン」の職員にあたりました。

 

 国家公務員が本格モヒカンであることに驚きましたが、ちょっとヒネリを入れて「そういうヘアスタイルは違反じゃないんですか?」と大人しく質問しました。その人は、小さな声で「はぁ~」という感じで答え、書類の一部に「これは何ですか?」といちゃもん風に対応してきました。
 私は、民間でも官庁でも、気骨のあることにはすべて賛成です。例えば、大臣の後ろに立つ役人とか、犯人を連行する警察官がモヒカンだったら面白いじゃないですか。
 そういう気持ちは伝わっていないようです。

 それよりも前のこと、私に原因のない還付申請に行ったところ、座った私の前後から男性職員が覗き込むように取り囲んできました。なんですかと言うと、背後の人物は消えてゆきました。

 

 終わった後に、外に出て頭を冷やしてから、戻って苦情を言ったところ、対応した職員からその日のうちに何かの電話連絡があり「今日は暑い中をご苦労様でした」ということでした。

 

 

 

  


 弁護士登録5年目くらいに一回だけ税務調査を受けました。多分、いわゆる地上げで、立ち退く人との即決和解(今は起訴前和解)があり、どうもこの辺から税務調査になったようでした。

 

 担当は「特別調査部」を名乗る年配の人でしたが、表情を消したいかつい雰囲気で、薄気味悪い印象が残っています。
 昨年ころには、都区民税の係
(区役所)から、「3年前に8万円の2重払いがありました。」と電話がありました。気がつかなかった私も私ですが、区からの連絡までに3年もかかる理由が分かりません。

 そうかというと、関東近県の農村部を管轄する元税務署長さんと話す機会があると、頭が下がるほど実直に話していただきます。

 都会地の元税務署長さんは、署内で税務調査の追徴額を競ったことなどをとうとうと話される方もいました。

 

 さらに、「おいコラ」とはこういうことかと思ったのが、地元の労基署の入り口前のパンフレットをもらいに行ったとき、年配の署員がわざわざ現れて「名刺を貰えますか」とのことです。資料を集めただけのことですので大人しく名刺は渡しましたが・・・。

 笑ってやり過ごすのが大人の余裕かもしれません。しかし、私は、こういうところで日本の「古層」が顔をのぞかせたのではないかと気になります。

 

 戦時中に「兵の命は赤紙一枚の重さだ」と公言した古層。特権意識をもち、自分は清浄な存在と思いこんでいるらしい人たち。
 平成に入ってからの記憶ですが、市民感覚とのずれを指摘され、裁判所、法務局、警察などが体質を変えました。
 警察の場合、3年くらいで移動することにし、地元有力者との関係を打ち切りにしました。
 検察が変革の途上にあるらしいことは前回に書きました。
 私の目には、税務署と労基署が残ります。今どき、市民に対して北風でなく太陽が有効なことは行き渡っていると思うのですが。それに抵抗でしょうか。
 市民から距離のある独自の世界を広げることを意図しているらしい人たちもあり、長い時間がかかるのでしょうが、人と人との信頼といったものの積み重ねによる、静かな、分厚い層だけが対抗になるのではないかと思っています。