平成26年で、30代前半の男性非正規雇用は13.6%、女性は45.4%とのことです。

 景気が上向いたために、減少しているようですが、この中の派遣社員も相当多いと思われます。ニュースでは「会社員」とされている場合が多く、正確な内訳は分からないのですが、私が直接知ったことだけでも、家族の人が目をむいて驚くような犯罪を平然と行うこともあるようです。それも40歳を超えて・・。

 不機嫌な人と出会う場合として、依頼者の中で、交渉などにあたって異様なくらい細かい事前のチェックを入れられる傾向が気になります。例えば、重要な交渉に際して、普通はいくつかの条件を提案し、相手の答えを聞く、それから交渉を進めます。裁判でも同じことになります。

 私は、始めた後で躓くのを避けるために、最初の段階で詳しく事情や経過を調べて、進め方についてもよく打ち合わせることにしています。

 それから交渉相手に連絡した場合に、相手が4つの内2つくらいしか答えてこないとか、あいまいなまま返答が来ないことはむしろ普通です。それまでに感情的にこじれているときは、手ごたえのある返答が少ないのが普通です。

 こういうときに一つ一つ弁護士の意見を聞くことは当然としても、細分化された対応を延々と求められることは時間の許容範囲を超えます。

 そこで「信頼関係が成り立たなければ無理ですよ」と言うと、少し引かれ、関係は切れません。人の性格もあるのかなと対応してきたつもりですが、改めて考えると、どうも「不機嫌」がぶつけられている印象が付きまといます。

 派遣などの非正規雇用の人は、以前は記帳や書類整理などの単純作業の印象でした。最近は、ITのプログラミングなどの比重が多いようです。

                                                     


 この人たちは、例えば「計算センター」などというところに通って、パソコンに向かいます。同僚の何人かと上司は正社員で、日々の作業や行事でも立場の違いを意識させない配慮はされているでしょう。

 正社員の人も相当厳しく扱われているのでしょうが、何といっても会社と運命共同体であるという安心感があります。

 派遣の場合の給与は必ずしも悪くありません。共稼ぎすれば家庭を維持できるはずです。

 問題はここからで、派遣社員は、体調を崩して仕事が滞ったときは直ちに職を失います。子どもを育てるのも難しいかもしれません。

 作業内容も入れ替わる中で、日々の入力作業をミスなく進め、複数のプログラム言語をマスターすることには相当の自制心を要します。能力(スキル)や資格を身につけ、正社員を目指すことが奨励されます。

 どうも、日々の精神的なプレッシャーは相当なもので、酒、ギャンブルなどの出費も避けられないようです。そうすると、家庭を持ったり、将来の備えには回りません。そう思ったときに一攫千金に走る落とし穴がまっています。

 能力に恵まれた人を除いて、こういうリスクと隣り合わせの層があるようです。戦前の小説「蟹工船」は、北洋の船員が難破してソ連にたどり着き、思想に目覚めるというストーリーのようです。

 私の知っている派遣会社では、資格を奨励し、毎年10人以上に海外旅行券をプレゼントするなど社員を力づける手立てをしています。身内や親族にそういう人がいる場合にも、いない場合にも、困った層を作らない責任を考えることが必要ではないかと、つくづく思うときがあります。