第13回に、年間で交通事故の件数は約90万件、相談センターへの相談件数は4万件弱というような交通事故関係の動向を取り上げました。

 法律的に対応する場合には、どのような相手と、どのような資料を持って、どんな順序で交渉をするのかの問題としても保険関係の確認が必要になります。

 医療費で、双方の保険で損害賠償を請求できる場合、相手の保険の内容が問題になります。損害賠償を請求できるかどうかは、例えば、300万円の車と30万円の車の全損で過失割合が60:40など、双方の計算をし、金額が低い側からの請求はないことになるという応用問題です。

相手の保険関係について検討

相手が加入している保険

  対応方法

任意保険と自賠責

加害者の任意保険会社に請求(自賠責保険と一括請求)

 ※「事前認定」のために、後遺障害診断書(および同意書)を保険会社に提出し、保険会社が医証を収集する。

※特に必要なときは請求先は自賠責保険社でも可

任意保険の他車運転特約

他車運転特約があれば保険請求

 ※「事前認定」について同上

自賠責のみ

自賠責保険会社に被害者請求

 ※「事前認定」について同上

 ※自賠責は被害者の過失が強度でないときは過失相殺計算をしない。

いずれも加入せず、又はひき逃げ等

政府保証事業への請求

 ※健康保険や労災保険の前に請求する。

 

こちら側の保険も検討

加入している保険

 対応方法

こちら側の自動車保険の傷害保険(被害者も車の場合)

加入の保険の請求

 ※注意点:被害者や自賠責への前に請求する(「人傷先行」という)。

自動車保険で弁護士費用特約加入

弁護士費用、訴訟費用300万円まで補償

法律相談特約では10万円まで補償

※通勤途上など適用されない場合も

 

※相手やこちらが自転車のとき、相手の個人賠償責任保険、こちらの傷害保険なども検討する。