浜田省吾さんの New Album 「Journey of a Songwriter ~旅するソングライター」 の私なりの全曲紹介&感想、2回目です。

 2回目とは言え、前回、まだ1曲しかやっていませんので、今日は2曲目からです。

 (おいおい ・・・ 終わるのかいな? ・・・ ) って感じですが ・・・

 まあ、頑張って行きたいと思います!

 では、2曲目は 「旅するソングライター」 。

 公式のMVが、ありますので、まずそちらを。 ショート・バージョンですが。





 文字通り、アルバムのタイトル・ソング。 冒頭の歌い出しの部分が、歌詞もメロディもすでに秀逸で、これはすごいラヴ・バラード・ソングだぞ ・・・ と、CDを購入する前に YouTube でその部分だけが聴く事ができたPV用のトレイラーを視聴して感じていたんですが、いざ、曲全体を聴けた時に 「あら ・・・ ? 途中から、こんなアップテンポの明るい曲になっちゃうの? ・・・ 」 みたいな。

 あの歌い出しの曲調のまま、行って欲しかった ・・・ って思いましたが、まあ、何度も聴いているうちには、「うん。 これでもいいか。 」 って気分になってしまうから不思議なものです。 ^^

 サウンド面のリズムは、スカとレゲエの間の速さの 「ロック・ステディー」 というものらしいです。

 歌詞の部分で面白いのは、

 「ナイスガイってタイプの 人生規範から 見事に外れて 曇り 土砂降り後快晴 ~ 」 とか

 「成し遂げたことより 今をどう生きるかって考えてる 自分忘れの旅の途上で ~ 」 という所。

 特に 「自分忘れの旅 ~ 」 という所がいいですね。

 そうかー、浜田さんくらいの人になれば、或いは年齢的なものも関係するのかもしれませんが、旅は 「自分を忘れるためのもの」 でもあるんだなーと。 「自分探し」 では、なくね。

 そして、「どこにいたって君を想ってる ロンドン パリ ニューヨークシティー 札幌 博多 ~ 」 という歌詞ですが、浜田さんは、「パリ」 を 「パリス」 と発音しています。

 そう言えば、「パリ」 ってアルファベットでは 「Paris」 って書くよな? どっちがどう、何が違うんだろ? と、ちょっと調べてみました。

 フランス語では、語尾にある子音の一部は発音しない。 「Paris」 と書くが、フランス人は、日本でもそうですが、発音は 「パリ」 。 しかし、英語ではそういったルールが無いため、「パリス」 と発音する。

 よって、この曲の中で 「パリス」 と発音している浜田さんは、“英語での読み方” をしているって事になります。 お分かり頂けたでしょうか? ^^

 あ ・・・ こんな事やってたら、ほんとに終わらん ・・・ (笑) どんどん行こう!

 3曲目 「きっと明日」 。

 『コンテンポラリーなロック。 』

 『失恋した女の子を励ますラヴ・ソングなんだけど、もう一方では、時代や社会との接点を見つけようと奮闘している、クリエイティヴな感性を持っている若者へのエールなんだ。 』 とは、浜田さん自身の解説です。

 最初の頃、歌詞カードを見ながら聴くと、「きっと明日、きっといつか、きっと ~ 」 と 「きっと」 が多くて、う~む ・・・ となりましたが、音だけで聴くと、このたたみかけが心のヴォルテージを上げ、疾走感さえ出て来る。 そんなカッコいい曲です。

 そして、4曲目 「マグノリアの小径」 (マグノリアのこみち) 。

 「小径」 (しょうけい) の意味は、「細い道。 小道。 」 なので、「こみち」 と読んでも同じらしいです。 「マグノリア」 と言うのは、花の 「木蓮」 の事。

 ですので、「木蓮の花が咲く、小道」 という意味のタイトルですね。

 『サウンドは、60年代のフィル・スペクターとかブライアン・ウィルソンの 「ペット・サウンズ」 とか、そういうウォール・オブ・サウンド。 』

 『この曲に限らず、このアルバムは町支君のバッキング・ヴォーカルなくしては、成り立ちません。 』

 と、言い切るほどの浜田さんですが、確かにそのとおり。 町支さんをメインとしたコーラス・ワークは見事で、曲を盛り上げたり、アクセントを付けたり、きれいな曲は、よりきれいに、と。

 町支さんも久々の浜田さんのニュー・アルバム制作で、きっと心から嬉しくて、楽しくて、張り切ってる感じが、ひしひしと伝わって来ます。

 ここまでの4曲は、流石だなー ・・・ 浜さん! って感じで、もう鳥肌もんです。

 5曲目 「美しい一夜」 (うつくしいひとよ) 。

 「ひとよ」 は、「一夜」 と 「人よ」 のダブル・ミーニングであると、すぐ分かります。

 4曲目までのワクワク、ドキドキ感をここで一旦、クール・ダウンさせてくれる落ち着きのある曲です。 じっくり聴くと、これまた秀逸な、大人のソウル・バラード。

 『デモ・トラックで、俺が12弦ギターで弾き語りっぽく歌ったせいもあって、最初に水谷さんから提示されたサウンドは、もっとヨーロッパ的なものでした。 イタリアのカンツォーネ風な趣があって、リズムもふつうの8ビートで、それも美しかったのですが、自分としてはR&Bのイメージが強くあったので、その方向に舵を切り続けました。 』

 と、浜田さんも語っていて、リリース後に田家秀樹さんのラジオ番組に出演した町支さんや水谷さんの 「このアルバムの中であえて、ベスト5を選ぶなら? 」 という質問には、この曲をお二人とも入れていました。

 歳取って来ると、こういう曲、沁みますね ・・・ (笑)

 6曲目 「サンシャイン・クリスマスソング」 。

 サウンドは、『自分では 「モータウン系のR&B」 という捉え方です。 ミックスしてくれたトム (Tom Lord-Alge) は、この曲が気に入ったみたいで、とても細かなところまで気にしてくれて、最後まで直してました。 「この歌は後悔が残るような事をしたら絶対ダメだよ。 毎年毎年ラジオでかかるし、省吾が死んだ後もクリスマスになったらかかるんだから! 」 って、えらい説得力のある事言われて (笑) 』 という曲です。

 「クリスマスソング」 に 「サンシャイン」 が付いているくらいだから、明るい曲調の曲です。

 そして、7曲目。 ん~、まだ7曲目かー ・・・ (笑)

 「五月の絵画」 (ごがつのかいが) 。

 1曲目の 「光の糸」 の歌い出しで、「早春の入江に ~ 」 と歌い、「マグノリアの小径」 では 「木蓮の花の下で踊ろう ~ 」 と歌われ、マグノリアも開花時期は早春から春にかけて。

 そして、この 「五月の絵画」 では、タイトルに 「五月」 とありますので、アルバムがリリースされた4月29日は、まさしく季節的には Good Fit で、タイムリーだなーと思います。

 しかしこの曲、爽やかなアコギのサウンドとは裏腹に、歌詞の世界は重く、せつなく ・・・

 「あれは君 15の春 涙うかべて 家を出るオレを許さず 唇噛んでた

  言葉を探したけれど すべて的外れで ドアを閉じて 息ができず 舗道に崩れ落ちた ~ 」

 の歌詞の部分では、胸が詰まり、涙が出ました ・・・

 別れた娘と再会する父の歌ですが、浜田さんはこう語っています。

 『まあ、作者も歳をとってきているので、自分にも人生の出来事がいろいろあるし、見てもきている。 そういう人生の一瞬を写真でとらえたような歌です。 』 と。

 8曲目は、「瓶につめたラブレター」 。

 『この曲は、「その永遠の一秒に」 のときにトムでミックスまでしている。 ドゥワップのスタイルでね。 それをドゥワップじゃなく、真ん中の部分だけ少しJAZZYな感じにしてもう一回トライしよう、と。 頭の部分はアコースティック・ギターをメインにして。 』

 『歌を書くって、ラヴレターの代筆のようなものだから。 だから ・・・ ラヴレターの代筆を代筆したような歌だね。 』 と。


 今回は、この辺まで。 ^^

 
                            では、またー 。