「ニットキッチン」元社長の奮闘記 -453ページ目

アラサー?

さてさて


今回は間髪入れずに更新です(笑)




2007年秋のデビューに向けて


マル秘イストから


本格的キャリアブランドを


誕生させる今回のプロジェクトですが、


実は


マル秘さんと私が


来る以前に


マル秘イスト社長の


マル秘さんの肝入りで


2007年春デビューを前提に


既にスタートしていたプロジェクトでした。


当初は「キャリアブランド」ではなく


当時もてはやされていた


「アラサー(アラウンドサーティー)」を


POINT

アラサーとは「アラウンドサーティー(around 30)」の略で、30歳前後(周辺)の女性を意味しました。アラサーという言葉はファッション業界が生んだ造語で、2006年秋頃から新ブランドの新たなターゲット層としてとても注目されましたね。2006年現在30歳前後の女性といえば、ルーズソックス、茶髪、プリクラといった流行を次々と作り上げたコギャル世代にあたります。そんなコギャルが大人になったアラサーは独自の発想でさまざまな組み合わせの着こなしをし、かつ消費サイクルも早いと当時は考えられていて、大手アパレルメーカーを中心に一躍脚光を浴び、アラサー向けに多数の新ブランドがデビューしました。
しかし、その後マーケットは期待したほど拡大はせず、デビューから半年で撤退を余儀なくされるブランドが相次ぎました。不発の要因としては、ファッションだけにお金を使っていた10代~20代前半にくらべ、20代後半になってくると美容や内面(習い事や趣味など)などいわゆる「自分磨き」に投資する機会が増え、ファッションに使う金額が極端に減るということ、結婚などで環境が変化しファッションへの欲求が薄れるなどが一般的な見解として今では考えられています。要は「そこにマーケットは無かった」ということですね。
ちなみに今では「アラフォー(アラウンドフォーティー)」のほうが世間一般では頻繁に使われてますね。この言葉はアパレル業界誌「繊研新聞」が発信源だそうですが、どちらかというとTVドラマやマスコミなどメディアで多く使用され、この世代の女性の「文化」や「概念」をひとくくりにする言葉として広まりましたよね。最近では「アラフィフ」(Around50、50歳前後)、「アラカン」(60歳前後。Around還暦)なんていう言葉も登場しているみたいですよ ┐('~`;)┌ヤレヤレ



ターゲットにした


どちらかと言うと


「大人向けセクシー系セレブカジュアル」


みたいなコンセプトのブランドで


ブランド名も


「ADEGIO(アデージョ)」という ( ̄ー ̄?).....??ジローラモ??


主婦と生活社から


真っ先にクレームが来そうな


ブランド名に決まっていました。


これで商標が取れていたのですから


不思議ですね。


主婦と生活社は


何をやっていたのでしょうか??


しかし、


何らかの事情で


2007年春にはデビューすることが出来ず


今度は2007年秋のデビューが


マル秘さんと私の


マストミッションとして


課せられたというわけです。




しかし、


当時の時流から


上記のコンセプトでは


勝機がないと判断した高マル秘さんは


賭けに出ます。


ブランドのコンセプトを


思い切ってガラリと一変させ


OL層をメインターゲットにした


「本格キャリアブランド」へと


転身させる決断をするのです。


これは


懸命な判断だったと思います。


なぜなら、


ちょうど同じ時期に


「CanCam」のお姉さん版と位置づけられて


創刊号が発売された「AneCan」(32万部発行)が


発売から5日でほぼ完売したと言われており、


業界から大注目されていたからです。



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「どうも流れはそっちぽいぞ ( ̄へ ̄|||) ウーム」


と考えたわけですね。


流れに乗っからない手はありません。


早速、AneCan編集部も巻き込み



「AneCan独占!エ○イストから本格キャリアブランドデビュー!」 → 大ブレイク!!


の鉄板スキームを狙います。


AneCan側も


ちょうど「辛め」のブランドを求めていたので


「辛め」の代表選手のようなエマル秘イストが


キャリアブランドを作ると


一体どうなるのか興味津々&期待大です。


お陰で話はトントン拍子に進み、


約一ヵ月後に予定していた


初の展示会の結果次第で


今後の取り組み方を


決めましょうということになります。


POINT

ファッション業界ではブランドやコーディネートのテイストをよく「甘め」「辛め」などと表現しますね。「甘め」とは女の子らしい可愛らしいテイストのことで「フリル」や「レース」などのディティールが多く、一般的にスカートスタイルが多いです。雑誌では「CanCam」や「JJ」「SWEET」などが代表的ですね。一方で「辛め」とはシャープでクール、時にはセクシー系なテイストのことで一般的にパンツスタイルが多いですね。雑誌では「ViVi」などが代表的です。



しかし、


ここで問題が発生します。


元々「大人セクシー系セレブカジュアル」的な


ブランドとしてスタートしているので


デザイナーもそれ用に起用されています。


ちなみに他のメンバー4名も


そのデザイナーの女の子が


前の会社から連れて来ていました。


急に「キャリアブランドに変更するぞーっ!」


と言われても



人間そんなに器用じゃありません。



一般的に日本で「デザイナー」という職業に就いている人の中で


一部のクリエイターを除いては


基本的にデザインソース(バックグラウンド)は


一つしか無いようです。


つまり


同じ人間(デザイナー)に


テイストの違う服を


3つ作らせても


結果的に、どれも根底には


似たようなテイストを感じてしまうものです。


その人の育ってきた環境や経験してきたこと


それによって生まれる価値観や趣味趣向が


デザインに反映されるわけなので


隠しても隠し切れないんですね。



案の定、


そのデザイナーは自分の世界には無かった


「キャリア服」を何とか作ろうと


奮闘を始めたのですが、


なにせ本人にOL経験はなく


彼女の友人や周りにもOLさんは居ません。


今回ターゲットに設定するお客様と


全く生きてきた世界が違います。



激しく不安です。・・( ̄~ ̄;) ウーン


しかし、


既に公に発表してしまいましたし


初の展示会も


一ヵ月後に迫ってきています。


もう彼女に託すしかありません。


・・・そして悪戦苦闘の末


新しいブランド名も


「RiZERE(リゼア)」に決まり


ついに初の展示会の日を


迎えます。


果たして、ちゃんと「キャリアブランド」に


生まれ変わっているのか??



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この続きはまた次回ということで。


倒産から 366 日