◆ 日本食ブーム! | イタリアよもやま話

◆ 日本食ブーム!

イタリアでも、やっと最近になって日本食ブームです。
ブームと言っても、日本での「ブーム」は徹底的に流行りますが、
イタリアでは一部で静かに流行るのが常です。(つまり、知らない人は知らない・・・)


初心者のための寿司

本屋で見つけた「初心者のためのSUSHI」という本。


さて、そういった日本食ブームの根拠は、

お洒落感覚 ~アメリカでのブームが、そろそろイタリアにも伝わってきた~
   映画とかで、ハイソなアメリカ人がごく普通にお箸を持って食べている情景があまりに多く見られるよう
   
になってきた。この場合、中華ではなく、日本食である場合がほとんど・・・。
   近年世界各国、アメリカにも旅行するイタリア人が増えて、日本料理に対する偏見がなくなってきた。
   (以前は、生魚をうろこも何もかもついたまま、そのまま手に持ってかじる日本人の絵を
    見かけたから・・・)

   
健康感覚 
~健康的に低カロリーで、ゲテモノがない。
   刺身、寿司はもちろん、鉄板焼きなども、食材の持つカロリー以上のソースを加えたりしない調理法。
   体にいいのは、日本人の私達が一番よく知っていますよね~。
   
私はカロリーなどに糸目はつけませんから、
中華料理も大好きなんですが、私にとってイタリアでの中華は世界一まずい中華です・・・
なんとも、皮肉なことですが、日本食ブームに火をつけたのが、中国人達
ユーロになった今、ちょっと状況は変わって来ていますが、
イタリアでの中華料理は、「なんといっても安い」ことが長所でした。

逆に彼ら中国人にとって、他のイタリアンレストランほどは割りに合わない仕事なのでしょう。
そんなことには負けずに中国人は頑張っていますが、
それに加えて考えたのが、
彼ら経営の「似非・日本食レストラン」
日本食は値段が往々にして高いということに着目。
ちょっと稼げるレストランとして経営し始めたのです。

というわけで、今やどんな中流都市にも日本食レストランがあります。
ところが入ってみると、そのほとんどが中国人経営の中国人コック・・・。
彼ら、非常に適当な日本食を作ってます・・・。

トリノで入ったレストランも、皆中国系アジア人。
大袈裟なエンターテイナー調理師が鉄板の前で自分自身がくるくる回って踊りながら
どんどん小さく縮んでゆく海老やイカを、細かく切ってゆく様子に、
イタリア人は手をたたいて喜んでいましたっけ・・・
「お願いだから、やめてくれ・・・」と言いたかった。
トリノでは、日本食レストラン、そういう意味で全滅でした。

ここヴェネツィアでも最初にオープンした日本食レストランは やはり中国人経営で、
お味も、スーパーのパック入りのお寿司でも もうちょっとマシと思うようなレベル。
しかも、開店して1~2年後の衛生検査で見事に引っかかり、
長期の経営停止勧告を受け、

日本食レストラン、猫、ハト、鼠さえも通る外の庭の井戸の上で刺身用の冷凍魚を放置して解凍。
 即刻営業停止命令! 」

と、地元新聞の見出しに出たんです・・・。
これじゃぁ、まるで日本人が不衛生みたい
よく読むと、本文に小さく中国人経営と書いてはあったけれど、
誰もそこまで読まず、私も友達皆に、
「日本食レストラン、信じられないほど不衛生だったって、読んだぁ?…」
と言われ、
「お願いだから、中国人経営、中国人コックの、と見出しに書いてくれ~~」
と思いました。


近くのパドヴァの町の日本食レストランも3~4軒のうち、1軒を除く残りは完璧ボツ。
1軒はイタリアンBARも兼業のなんとも不思議な寿司バー。
いかにも「なんとか稼ぎたい」の中国人的発想ですよね。
もう1軒はスーパーのパック寿司レベルです。
もちろん日本食ですから、それなりのお値段です。
ここで天丼を注文して、驚きました。
細く刻んだズッキーニが分厚い衣で一本一本揚げてあって(かき揚げでもない)
それだけが白いご飯の上に乗っていたんです。
その上に、別の小鉢に入った超薄味のたれをかけて食べろ、と。
胃はもたれるし、腹は立つし・・・・。
(パドヴァの残る1軒は日本人の調理師さんらしいのですが、
お値段が張るので、そう簡単に行けるところではありません。
「日本食、食べてみたい」という友達を誘うにも、躊躇するような値段です
電話で確認すると何も飲まずに最低40ユーロと言われましたか・・・。
40ユーロと言えば、旧リラで、約8万リラ、こちらの生活感覚で8千円です。)

その点、さすがミラノは日本人も多くすんでいらっしゃるので
ここ数年で、本物の日本料理屋さんが増えました。

最近行ったのはミラノの駅近くの某1軒。
改装したばかりという店内は、中国人経営の日本食店の方が凝ってるぞ、と思うような感じで、
なんだか大衆食堂っぽい感じが拭いきれませんでしたし、
使われている食器や漆器らも、塗装が禿げていたり、欠けていたり、と
なんだか「お洒落な日本食」という感じではなかったです。
日本にある、ごくその辺の食事処、といった感じで、
肝心のお味の方も、まぁまぁ、でしょうか・・・・。
(日本だったら、再度足を向けることはないと思います・・・)
働く人も「食堂のおばちゃん」といったジーンズ姿で(それでも皆で合わせているようでした・・・)
中にはアジア系の外国人も数人いらっしゃいました。
総評としては、遠いイタリアでの日本食としては騙された感じはしませんし、
お値段もランチタイムの寿司定食セットが
握り寿司・茶碗蒸・お味噌汁・お茶・抹茶アイス付きで15ユーロ前後とお手頃で、
まぁまぁとしましょうか・・・。

ヴェネツィア近辺にもこのレベルでいいから開店して欲しい
というのが私の願いです。

どなたか、いらっしゃいませんか~?
宣伝しますよ~~。