フランスな著作権法
「インターネット時代における著作権保護の行方」と題するコラム にフランスの現状について書かれてありました。興味深い内容だったので少し感想でも。
ちょっと長くなりますが、フランス知的財産権法122の5条(条文翻訳:大山幸房)
著作物が公表された場合には、著作者は、次の各号に掲げることを禁止することができない。
(1) もっぱら家族の集まりにおいて行われる私的かつ無償の上演・演奏
(2) 複写する者の私的使用に厳密に当てられる複写又は複製であって、集団的使用を意図されないもの。ただし、原著作物が創作された目的と同一の目的のために使用されることを意図される美術の著作物の複写及び第122の6の1条第3項に規定する条件において作成される保全コピー以外のソフトウェアの複写並びに電子データベースの複写又は複製を除く。
(4) もじり、模作及び風刺画。ただし、当該分野のきまりを考慮する。
(3)(5)は鎌津間が省略。
なるほど、フランスでは上の規定からも消費者の私的複製を妨げたらダメなんですねえ。著作物の利用者と著作権者とのバランスをとって両者で文化をつくっていく、てな思想なのでしょうか。利用者は著作権者の要望に従え的な日本とは思想的にチっと違うみたいで。
更には、(4)のパロディOK規定があるとフランス著作権法って文化の発展へ寄与してる趣がありますねえ。改変が著作者の意に反していると同一性保持権侵害になる日本とはこれまた大いに違う。意に反するかって全面的に主観だし。
意に反すると言えば、変形し脚色してつくった二次的著作物が原著作物の意に反してたらどうなるのだろ。許諾を得てないと翻案権侵害だろうか。てーと、原著作者は二次的著作物を太らせてから喰う、とかアリなのか。原著作者にとってはステキな制度だろうけど、それ以外の人にとっては面倒が臭い。
なんて比べてみると日本の著作権法が大層窮屈な印象を受けますが、文化の発展的つか楽しさ的に、さて如何なものでしょう。