<LOVE・ファンタジー>
監督:ペク・チョンヨル
出演:ハン・ヒョジュ、パク・ソジュン
まさか、こんなに泣かされるとは思っていなかったわ。
女子必見!
中でも、私のように、ブラッド・ピットさんの『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』が好きな方、感動した方は絶対に、絶対に観ないと!
ベンジャミンバトン同様、荒唐無稽なお話。
だけど、ベンジャミンバトンには恐ろしい程、人が「生きるとは」・・・が含まれていたように、こちらはディープに、人が「愛するとは」・・・を問いかけてくるのです。
この主人公は、毎日その外見が変わってしまう。
中身は同じ人間なんだよ。顔と身体が違うだけ。。。でも、その意味の大きさを、この作品が教えてくれる。
実際、(国籍、年齢、性別問わず)日々違う外見に変化してしまう相手と愛し合わなくてはいけないと言う事実は、彼女の心を徐々に蝕んでいく。
恋愛は基本、自分と相手との二人の問題なのだけれど。。。でも、決してそんな単純ではなく。
例えば、相手に障害があったり、外国人であったり。それだけで親は眉をひそめたりするしね。私の周りにも、いくらでもそんなお話はゴロゴロしているよ。
私はアメリカに住んでいた時、「頼むから日本人と結婚してくれ」と、親に何度も言われてた。
そんなの完全に聞き流していたし、私の周りには同年代の日本人がほぼいなかったので。当然のようにアメリカ人の彼氏を連れて実家へ帰ったけど。
親は直ぐに彼と仲良くなって。「早く結婚しなさい」なんて言い始めたもん。
そ。
私の親は単に「外国人」に免疫がないせいで、薄っぺらい偏見を持っていただけ。日本人だってアメリカ人だって、ステキな人はたくさんいる。逆にどちらにも、カスみたいな人間もたくさんいる。当たり前。
中身を知れば、国籍や外見なんてそれ程重要じゃないと言う事に気付く。
これは分かりやすいパターンですが。
時に、周りに祝福されない恋愛は、自分達の「揺ぎ無い愛情」も揺るがしてしまう事だってあるんだよ。それが現実。
デートを楽しんだ彼は一日しか持たないから、友達に紹介する事も出来ない。
自分自身の混乱はもとより、「男をとっかえひっかえ」なんてウワサまで立てられる。
彼女の苦悩が本当に手に取るように共感出来て。切ない。チンチャ。
涙が止まらなくなるんだわ。
「外見じゃない。中身だよ」なんて、みんな良く言うけど。。。これを観たらちょっと、その言葉を簡単に言えなくなるかも。
ここには究極の、「外見じゃない。中身だよ」が詰まっているのです。
本当にそうなのか?って、何十回も問いかけてくるのです。
一緒に観たお姉さまが、「私は無理だなぁ~」ってつぶやいてた。もし旦那の外見が毎日変わるようになったら、とても一緒にいられないって。
で。
私はどうか考えた。
うん。
笑える気がする。
そう多分、笑える。。。いや、絶対、笑える。
この作品の中でも、親友が真実を知った時、笑うんだよね。
その、親友が笑うシーンで、私は泣きましたけど。
「やっぱり親友っていいなぁ~」と思って。親とも伴侶とも違う、唯一無二の、貴重な存在だなと。日頃から思っているので。やっぱりその通りだと。泣きました。
とにかく。
その親友は、早々に事実を受け止め、ちょっと楽しんでいるのですよ。
それが、私には分かるのですわ。
つまり。
私と旦那はもはや、「親友」の域なのだろうなと思った。
良くも悪くも、私はもう、旦那の全てを受け止められる程、良い意味では卓越し。悪い意味では・・・ロマンス不足だね。
とにかく。
たくさんの俳優さんが出演していますが、基本的にラブラインはイケメンさん達が担当しているので。汚いおじさんと抱き合うようなシーンもないですし。
ロマンス部分は問題なく。ラブリーです。
有り得ない、おかしな映画だろうと言う予想は見事にくつがえされ。
切なさと、共感と。
本当に不思議で。ステキな作品でございます。
ヨギカジ。