<ヒューマン・家族>
監督:ミン・ギュドン
出演:ペ・ジョンオク、キム・ガブス
家族愛モノはとても苦手なんだけど。。。それでも取り敢えず、たくさん涙は出ました。
でもやっぱり泣いたところは家族愛ではなく、夫婦愛のところだったけどね。
思わぬ病気で早死にはしたものの、自分で納得出来るまで色々頑張って。最期は愛する家族に見守られて。
理想的な亡くなり方ね。。。って事なのかな。
けど。
想像を絶する状況の中でも、痴呆の義母の面倒を当たり前のように見続ける。
これがダメなんですよ。個人的に。
勿論。
国民性とか思想とか。単に個人同士の関係性もあるでしょう。
実際この映画の中で主人公が、「夫に早く先立たれた姑と、夫に相手にされない嫁が、寂しさを分かち合っていた」と言う場面があります。
上手くはいっていなかった嫁姑だけれど、実は共に支え合って生きて来たのだと。
なので。
単に、自己犠牲のみで頑張っているという訳ではなく。ちゃんと意味はあるみたいなんだけど。
それでも。
個人的には、過度な自己犠牲は一切、美談、美徳だとは思えない性分なので。それが最初から最後まで心に引っかかりまくりで。
結局それが邪魔をして、いまいち映画に入り込めずに終了。という感じ。
ま。これは単なる個人的な感情の問題なので。
それで映画がどうのって言うのは間違っているけど。分かってるけど。やっぱりダメだった。
ま。
生きている時には見向きもしなかった息子が、親が死んだら高額なお墓を立て、ふんぞり返っている姿よりは数倍マシですけどね。
「いやぁ、お父さんも喜んでるよぉ~」とか言われ。満足して。。。いやいや、喜んでるのは自分でしょ。
そのお金と労力、生きている間に少しでも使ってやれよ。
自己満足は結構ですが、周りに偉そうな口をききまくってるんじゃねぇよ、って言う。
いや、身近にいたもんで。いやに具体的ですけども(笑)。
でもね。
そうやって怒っている私に、母が言いましたよ。
「子供なんて、生まれて3歳までには、親に全ての恩を返し終わっちゃってるんだから」って。
天使みたいな可愛い笑顔。それで親は満足なんだって。だから後の親孝行は期待してない。全てエクストラ。オマケみたいなもんだって。
卓越してるよね~。全ての親が同じ意見とは思わないけど。
取り敢えずそれこそが、見返りを求めない「無償の愛」ってやつだよね。
まさにこの映画の主人公は、その無償の愛を家族全員に与え続けていた、って事でしょうか。
いつかオスギさん(だかピーコさん)が言ってたなぁ。
「愛はギブギブ、なのよぉ~」って。「(ギブ&テイクの)テイクを期待してはダメ」。
自分が勝手に誰かを愛しているんだから。かわりに何かよこせっていうのは変な話だって。
深いねぇ~。
凡人はなかなかそこまで到達出来そうもないけど。
多分、その境地に辿りつけたら。。。とてもシンプルに、「幸せだった」って、人生を終える事が出来るのかも知れませんね。